私の属するサバト支部を率いるバフォメット、エルク・マーブルさまは近所でも有名な名探偵です。エルクさまはこの世の全ての犯罪者を例え親だろうが友人だろうが決して容赦する事無く魔王軍の憲兵さんに突き出すくらいの心構えでいらっしゃるのです。
これは私、魔女のキャロラインがそんなエルクさまのご活躍を書き留めた記録のほんの一部でございます。
第一話「サバトで大事件」
「うわあああ」
エルク・マーブル(バフォメット)「ぬ? 事件のようじゃな」
メイプル・ウェスト(ロリグリズリー)「わー、久々にマーブルさまの名推理が見られるぞ」
エルク・マーブル(バフォメット)「誰かと思えば兄者ではないか。一体どうしたのじゃ。ゴミ箱の中にデビルバグでも住み着いておったか」
キャロライン(魔女)「妙に発想が恐ろしいですよエルクさま」
エルク・マーブル(バフォメット)「キャロラインよ、世の中は荒んでいるから何が起きても不思議ではないのじゃぞ」
キャロライン(魔女)「きっと何かが盗まれたとかですよ」
お兄ちゃん「キャロラインの言う通りだ。洗濯かごに入れておいたパンツが盗まれたんだ」
キャロライン(魔女)「な、なんてハレンチな。許せないですねエルクさ……ハッ!」
その時、私は気付きました。エルクさまの瞳がいつもの縦長ではなくヤギのように横長に割れている事に。
キャロライン(魔女)「出た! これはエルクさまのインスピレーションが働いた印だわ! エルクさまはこの特徴から、別名『マーブルさま目つき悪っ!』とも呼ばれている。あの鋭い目つきから逃れられる犯人はひとりもいない! さあ、始まるわよ。エルクさまの名推理が!」
私は興奮して思わず飛び跳ねます。着地する度に一瞬、スカートがめくれてその下にある物がエルクさまと愛しのお兄ちゃんの目にさらされました。私が洗濯かごから取り出して履いていたお兄ちゃんのパンツが――。
エルク・マーブル(バフォメット)「このパンツはわしが証拠物件として押収しておこう」
れもん(ロリあかなめ)「鑑識は私におまかせください」
お兄ちゃん「いや、返してくれよ」
第二話「のぞきなんて最低だ」
「うわあああ」
エルク・マーブル(バフォメット)「ぬ? 事件のようじゃな」
キャロライン(魔女)「エルクさま、事件ですよ!」
エルク・マーブル(バフォメット)「何があったのじゃ、兄者?」
お兄ちゃん「のぞきだよ。俺が風呂に入っていたら窓の外に誰かが隠れていたんだ」
すると、エルクさまは例のヤギの瞳で私をにらみました。私は慌てて言い訳します。
キャロライン(魔女)「違っ、私じゃないですよ。そんな目しないで。前科はありますけど」
お兄ちゃん「今回はさすがにキャロラインでは無いんじゃないかな。犯人は逃げる途中、『ワンワン』と言っていたんだ」
エルク・マーブル(バフォメット)「『ワンワン』か。普通に考えればワーウルフやヘルハウンド辺りが怪しいが、『兄者の一糸まとわぬ裸体はワンダフルじゃ。ええい、わんこそばもう一丁』の略という線も考えられる。その場合食い意地の張ったグリーンワームとかの可能性もあるのう」
キャロライン(魔女)「その線は無いと思いますよ。お兄ちゃんの肉体美を前にした犯人に、のん気にご飯を食べている余裕なんてあるはずがありません。真面目に考えてくださいエルクさま。のぞきなんて許せないですよ。しかも捜査をかく乱するために、魔女のくせにシェパードの鳴きまねまでしていくなんて卑劣ですよ。のぞきなんて最低で卑怯な行いですよ……って、あれ?」
エルク・マーブル(バフォメット)「そういやおぬし、この前兄者の誕生日パーティでやたらリアルな犬の鳴きまねを披露しておったな」
れもん(ロリあかなめ)「お風呂の証拠集めとお掃除は私がやっておきますねー」
第三話「犯人っすか、キャロラインちゃん」
お兄ちゃん「悪質なストーカーからいやらしい手紙が届いたんだ」
エルク・マーブル(バフォメット)「何じゃと? ちょっと貸してみい」
お兄ちゃんへ
今夜あなたの部屋に参上いたします。
この前カギを付け替えた時に私に合いカギを渡すのを忘れていたのでお兄ちゃんの手をわずらわせないようにこっちで作っておきました。
お兄ちゃんのうっかりさん
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キャロライン
キャロライン(魔女)「私の大好きなお兄ちゃんになんて事を。許せないですね、エルクさま。……って、どうしたんですかエルクさま。ヤギの瞳で私なんかを見て」
エルク・マーブル(バフォメット)「とりあえず兄者の部屋にはわしの魔法で結界を張る事にしよう。これでわしと兄者以外は兄者の許しが無ければ部屋に入れないはずじゃ」
第四話「エルクさま今度はスピード解決!」
お兄ちゃん「エルク
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