少佐の復活

(バロン『ふぅ……良いなぁ』


少佐は基地の窓から見ていた。エースパイロットのベルリオットが魔物娘を連れ帰ってから色々変わってきた。まず空にハーピィやドラゴンを見かけるようになり、地上ではゴブリンやオーク、アルラウネなども見るようになった。部下から詳しく聞いたところ…残虐な魔物を率いる魔王が人間の勇者とサキュバスにより倒され、そのサキュバスが魔王となり、残虐な魔物を女性の姿に変えて魔物娘を誕生させたようだ。そして魔物娘は人間と結ばれるようになったらしい。この魔王を倒した勇者はサキュバスと結ばれて現在もズッコンバッコンしてるとか……。最初それをベルリオットが仲間から聞いたと言ってたが……よくこの内容を知ったものだ



(バロン『私も魔物娘と…イチャイチャしたいもんだ』

私は既に年は76だ…若い部下の精力には負けてしまうし魔物娘にも迷惑だろう。



(バロン『はは…あと少し若ければ本当の恋人はいるんだろうな』


少佐はつまらない顔をして格納庫へ行く。そしてそこに眠る機体に触った



(バロン『私の今の恋人はコイツかな?』


そうだ。新しく導入した最新鋭のVTOL機だ。あれから何度も反魔物派という組織が現れて小さな戦いになった事もあった。しかし戦いが小規模であり…度々使う戦闘機は急速に減り、ついに自警団のような組織ぐらいで済む程度になった…別の国も軍事国家だったが魔物娘が出てから軍事は棄てて全て魔物娘との平和な愛の生活の道に行って、もはや抑止力の軍事関係は使わないだろう。全てが良い方向へ向かっていく


(バロン『平和になって……悔しいな』


(?『何で平和になって悔しいのよ?』


振り向くとそこにアヌビスがいた。部下のベルリオットの妻のシェイとは違うアヌビスだ。目付きがシェイと比べたら少し穏やかに見えるが…やはり、つり目で美人だ



(バロン『ビックリしたなぁ〜…ワンちゃんだったか……私以外にいないと思ってたが…』


(アヌビス『ワンちゃんと言わないでよ。平和で何がそんなに悔しいのよ?』



少佐は機体を触る。



(バロン『私は元パイロットだったんだ。昔…空を飛び、敵機を撃墜したり敵地の破壊なども全てこなした。言わば空の戦士だったんだ…』


(アヌビス『ふ〜ん……分かった!。貴方は平和になって、その鳥に乗れなくなったから悔しいんでしょ?』


やはりシェイとは言葉使いが違うな。



(バロン『そうだ……使う必要がなくなって結局私の夢を果たせなくなってなぁ……それに部下は君みたいな魔物娘と結ばれて羨ましいのもある。しかし私も年だし……恋人の代わりはコイツしかいないのさ』


(アヌビス『悲しい事いう人ね。まだ大丈夫じゃない!。見た感じ後人間のままなら20年位、インキュバス化すれば若くなるチャンスなのに…』


(バロン『…インキュバス?なんだそれは……。まあいいや………君は何故こんな私以外いない基地に何の用でいるんだ?。』


(アヌビス『私は友達が空の勇者と結婚したから、気になって空の勇者が乗ってた鳥を見ようと来たのよ。退屈な遺跡から出て気楽に見学ね』


(バロン『成る程…多分ベルリオットの事だな。あいつも君みたいなワンちゃんと結ばれて居候のマミーとクイズ出す猫と暮らしたな。やはり噂は広まってたんだな…』


(アヌビス『何故マミーだけ、正式名でちゃんと言えるのよ…まあいいわ。そう…あの噂は凄く羨ましかった。遺跡を壊した鳥(爆撃機)を操る悪人を落として皆を守った勇者。勿論悪人は皆誰かさんにお持ち帰りされたみたいだけど』


(バロン『あいつと私とは正反対だな。私は………ゴーストだし悪人だな』


(アヌビス『ゴースト?』


(バロン『あぁ…私の名はバロンというのだが、タッグネーム……つまり呼び名はGhostというんだ。ゴーストの様にスッと消える存在という意味でな』


(アヌビス『…それよりも貴方もこの鳥(戦闘機)を操れる勇者なんでしょ?。私も飛びたいから乗せてくれる?』


(バロン『私は勇者ではないが………整備はしてるし大丈夫か。まあ久々の訓練って事にして乗ってみるかな?。それと…これは鳥じゃなくて戦闘機だぞ』


そしてしばらくしてから機体に乗って起動し、ヘルメットとマスクをアヌビスに着けてあげる。この機体は車みたいに助手席があるタイプの戦闘機で会話がしやすい



(アヌビス『ねえ、このヘルムや、マスクは何の為?。』


(バロン『ヘルメットと言わぬか。まあ頭ぶつけて気絶はイカンからな。サングラスも通信機もついてて便利な物だ。あと酸素を送るマスクは外したら結構息が出来ないぞ。』


そこで格納庫から機体は滑走路に出る。しかしその場でVTOLにし
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