あれから数年の月日が流れ、各地のジパングでは教団の残党を駆逐してる。
元々独自の勢力を持つジパングは特別な土地であり、大陸と同じく争いの種は消えないが殆どの国は互いに手を取り合って魔物娘達と秩序を維持している。
中でも『越後の蒼龍』『出雲の玄武』『甲斐の白虎』『奥羽の朱雀』と呼ばれる四つの連合国は古来より不思議な縁(えにし)によって結ばれている。
その為、ジパングは、この四つの国が中心となって秩序を護っているとも言われている。
「大分、教団は大陸に戻ったが侵攻を諦める気はないか」
「そうじゃの…こちらの港町を解放しても向こうが…」
「確かに大陸の港町を解放しない以上、教団の勢いは衰えないか」
此処は数年前、大陸から渡って来た教団に支配された越後城。
今は若き領主の蒼緋と、クノ一部隊の長を務める彼の妻、千代姫御前(ちよめごぜん)が共に生活圏を築いている。
「やはり侵攻を喰い止めるには…」
「大陸の港町を解放するしかないの」
蒼緋と千代姫御前は現在、クノ一と忍者から得た情報を基に話し合っていた。
「しかし、誰を大陸に派遣する?」
「そうじゃの…」
「我等を含め、この地方の者達は大陸の文化に馴染めないと思うのだが」
「それは妾も考えておる」
大陸は発展途上等が著しい為、ジパングと非常に文化の違いがある。
その為、こちらの常識があちらでは通じない事の方が多い。
だが皮肉な事に大陸の港町を解放しない限り、この地に住む人達は教団の侵攻を受け続け、やがては疲弊してしまい、彼女達にも危険が及んでしまう。
それを打破する為に大陸へ渡り、唯一の親魔物派である港町を解放する必要があった。
「大陸の文化に馴染める者なんて居るだろうか」
「二人、心当たりがある」
千代姫御前は傍に控える侍女のクノ一に使いを頼んだ。
侍女は、それを承諾すると闇に紛れる様に姿を消す。
「一体、誰を派遣すると言うのだ?」
「蒼輝(そうき)と美代(みよ)じゃ」
「あの二人を?」
「うむ、あの二人なら妾達の常識に囚われないと思うのじゃ」
「確かに蒼輝と美代は、元々この世界の住人じゃないからな」
「何を言うのじゃ!二人は、この世界の住人じゃろ」
蒼輝と美代は嘗て別の時空から千代姫御前の『次元を紡ぐ力』によってこの世界にやって来た異界人である。二人は蒼緋と千代姫御前の名前の一文字を授かり、「蒼輝」と「美代」に改名した。
蒼輝は旧名を風神(かざかみ)輝(ひかる)、美代は旧名を風神(かざかみ)美由姫(みゆき)と言い、二人は元々この世界とは違う別の世界からやってきた。
だが、ある晩、妹の美由姫は生涯共に兄と添い遂げる為の儀式を行ない、その際に千代姫の強大な霊力や魔力を送り込まれて彼女は稲荷となった。
そして遠征から戻った輝と三日三晩の契りを結び、二人は夫婦となった。
その三日三晩に続く契りの儀式の際、膨大な霊力や魔力を流し込まれた輝の身体にも変化が起こり、彼の身体能力等は今まで以上に向上した。
「そうだったな…あの二人は、この世界で生きる道を選んだのだったな」
「うむ…自らの意思で、この世界に残る決意をしたのは二人じゃ」
数分後…蒼緋と千代姫御前の許に容姿の整った青年と容姿の非常に美しい少女が侍女のクノ一に連れられてやってきた。
「千代姫様、お二人を連れて参りました」
「うむ」
「お呼びですか、千代姫様」
「俺達に出来る事なら何でも致します」
整った容姿をした青年は少し長めの茶髪と紫水晶の様な瞳を宿す蒼輝。
美少女は琥珀色の瞳に膝まで長い黒髪を川の様に流した美代。
二人は嘗て同じ母親の母胎より産まれた血を分けた兄妹だった。
「君達二人に向かってほしい場所がある」
「何処ですか?」
「海を渡った西の大陸じゃ」
「構いませんが大陸へ渡るには教団の船が必要ではないでしょうか?」
「うむ、クノ一部隊の情報によると教団の船は明日、大陸へ渡る予定じゃ」
「そこで君達は教団に紛れ込み、港町に入港する」
「その後、大陸の者達と交流を深めていき、機を見計らって連携を取りながら教団に支配された港町を解放…という流れになるのじゃ」
「しかし、そう簡単にはいかないと思う」
「この大任を引きうけてくれるかの?」
蒼輝と美代は互いに顔を合わせて頷くと蒼緋と千代姫に向き直る。
数年前に愛し合う存在となった二人の絆は変わる事無く寧ろ、より強く、そして、より深くなっていた。
「俺達で力になれるのなら」
「この大任を必ず成し遂げます」
俺は夜空に煌めく満天の星空と月を見上げている。
数年前、稲荷になった美由姫と契りを結び、その時に膨大な力を得た。
最初、身体中の奥という奥から炎の様に熱い何かが込み上げ、同時に理性が薄れる感覚もあった。更に異常なほど性欲が高まり、鎮静化する兆しが全く無く寧
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