思わぬ事態にすっかり疲れ果ててしまった俺は、その晩、宿(やっぱり連れ込み宿だと判明)のベッドに潜り込むと直ぐに眠ってしまった。
――――――――――
「 ……エルロイ」
エルロイの無防備な寝顔を傍で見詰め、複雑な表情を寄せるチェルニー。今日の夕方頃、彼女の想い人は自分とは違う少女と性行為に至ったのだ。挿入などは無かったが、濃厚なキスや、フェラチオなどの行為をやってのけていたのを間近で見せつけられていたのだ。エルロイの名誉の為に、一歩譲歩して見せた彼女だったが、あんなものを見せられて内心穏やかな筈が無い。
「……クー……カー」
いつもの粗暴な口調とは裏腹に、繊細で静かな寝息。その疲れ切った様子から、寝様も何処か開放的だ。チェルニーが魅せられた、彼女自身も持ち合わせているその傷一つ無いとも形容される白く滑らかな肌合い。それが今、彼女の目の前にあって、上下しているのだ。
「……ちょっと、ごめん」
寝ている彼にそう謝ってから、彼の胸元にキスをした。
静か。
「も、もうちょっと……いいかな?」
またもや許可を取ってから、キスをする。今度はもっと上……彼の首筋だ。エルロイは少し表情を動かしたが、余程搾り取られたのか、起きる気配は無い。
「……エルロイ 」
そう小さな声で呼び掛けながら、仰向けのエルロイの体に覆い被さる……
「 好きだ、からな……?」
起きている時には確実に言えそうも無いことを今になって口にする。そして、今日別の女とキスを交わした唇に、自身のを重ね合わせる。
僅かな間、所有権を明らかにするかのように。
――――――――――
次の日の朝。エルロイの対戦は本日二番目であった。その開始時間は少しばかり遅く、エルロイは少し長寝をした感覚に陥りながら、時計を見る。もうじき会場に赴かなければならない。
「もうこんな時間か。よく寝たなぁ」
呟きながら肩を回す。なにやらぽきぽきという音が鳴った。
そんな彼の目の前では、チェルニーがなにやらそわそわしていた。エルロイが大会に出る前に、(出来れば)やっておきたい事があったのだ。
「な、なぁ。エルロイ」
「……なんだ? お前、メシ食ったのか?」
「い、いや。まだこれからだ」
何やら様子のおかしいパートナーの姿を見てエルロイは不審がるが、チェルニーは赤面しながらもごもごと口を動かすだけだった。
「……その……ぅ」
「……なんだよ。いっつもずけずけ態度のでけぇお前が、そんな口もごもごさせてちゃ気持ち悪ぃだろ」
エルロイがそう言った途端、チェルニーはムッとした。
「……だ、誰がっ。な、ならはっきりと言わせて貰うがなぁ……!」
「おう」
「あ、あれを、だな。やろうかなぁ〜、と……」
「……あれって?」
「あ、あれは、あれだ。その……取り敢えず、アレを出せ」
「? あれとアレは違うあれか?」
「 あーもう! 面倒臭いっ」
突然チェルニーがそう癇癪を起こして、顔を真赤にしながらエルロイにずいっと詰め寄る。
「……貴様のチ〇コを出せと言っているのだっ!」
「ぶふぅっ!?」
噴出さずには居られなかったエルロイは、目の前で茹蛸のような色合いになっているチェルニーに動揺の眼差しを向ける。気が付けばズボンのホックが既にチェルニーの手で外されようとしていた。
「ちょ、ちょっと待て! 何をする気だ!?」
「う、五月蠅いっ。べ、別に貴様の為にするのではないぞっ。私は只、貴様に勝ってもらわねばだなぁっ!」
「だから何する気だっつってんだよっ」
「フェラだが!!?」
「正気か!? ていうか、発作か!?」
「正気だ! 発作の方がどれだけ良かったか……じゃないっ。い、今の内に貴様の精を抜いておいて、昨日のように、盛りのついた犬みたいにならぬように……だなぁっ」
バサッ
チェルニーの強引な引き出しでエルロイの陰茎が露わになる。
「……って、貴様……まさか、興奮してるの……か?」
「……いや、これは一種の生理現象でだなぁ」
この世間知らずのエルフに説明するのも面倒になったエルロイは、溜息を吐いて項垂れる。其処には、皮が剥け切って赤々とした顔を出す亀頭があった。
「生理現象? よく判らんが、男が勃てているのは、女の裸を見たときだけだろう?」
「……色々細かい訂正をしてやりてぇとこだが、説明がメンドイ。ヤるなら、さっさとヤれ」
何だかんだ言ってやる気満々のエルロイ。チェルニーも目の前で怒張する男の陰茎に目を白黒させている。だが、自分でやると言った手前、「怖くなった」などとは言えない。少しだけ、手で触ってみる。
「 熱い」
指先に伝わる血液循環に、チェルニーはそう声を漏らした。だらしなく引きあがっている陰茎の皮を下まで剥いて見る。…この赤い肉棒こそ
[3]
次へ
ページ移動[1
2 3 4 5 6..
9]
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録