「 いいのかなぁ〜?ケ・イ・フ・ちゃぁ〜ん♪」
そんな声が洞穴に響くと、藁の山から何かが飛び出してきた。そしてその飛び出してきたものは、面倒なことに、俺の顔に何か、ぼよんっ、ととんでもなく柔らかいものをぶつけてきたのだった。
「!? あ、姉貴……っ!!」
そう、俺に豊満な胸をぶつけて抱き付いてきたのは、俺の姉貴その人であった。俺よりも身長が高く、俺よりも強く、俺よりも女の体をしている姉貴は、もうそれはそれはアッチの実力も半端ではないのだった。
だが、基本的にヤり過ぎて頭がどうにかなってしまっているらしく、余りミノタウロスらしい感じではないのが特徴だ。特に、今藁の中に潜り込んでまで出歯亀に徹していたところを見れば判るが、かなりの変り種。
「姉貴って……もう、いつも言ってるじゃない。ケイフは、女の子らしく、『お姉ちゃん』って呼ばなきゃ、駄目って」
「馬っ鹿、寧ろそっちの方が恥ずかしいっつうの! ていうか、何時の間にあんなトコに隠れてたんだよっ」
「ん〜? ケイフちゃんが珍しく可愛い男の子連れ込む……ちょっと前かな?」
それを聞いて、凄まじく嫌な予感がしたことは否めない。
「じゃあ……なんで、あんなトコに隠れてたんだ……っ?」
「ん〜? ……だって、ケイフちゃんが森であの男の子を口説いてたから、お姉ちゃんが見守ってあげようと思って〜」
「余計なお世話だっっっ!!」
洞穴が微かに崩れるほどの大声で姉貴に叫んでやる。姉貴はこの大音量にも関わらず、自分のペースを一切乱さないのだ。そして終いには俺を見上げてこんなことを言い始める。
「……でもぉ、結局、ケイフちゃん、逃がしちゃったじゃない。惜しかったなぁ。あの子、私のお眼鏡に適ってたんだよ?」
姉貴には特殊能力がある。それは、男の夜の実力を見ただけで推し量れることだ。俺は皮肉を込めてこう言ってやる。
「へぇへぇ。流石、ボケるまでヤってる姉貴は、男の下半身を見る目があるよ、全く」
ガスンッ
すると、突然天地が真っ逆さまになる。頭が地面に叩き付けられて、角が地面に刺さったのを感じた瞬間にやっと気付く。……姉貴の一瞬の怒りによって、自分が投げ飛ばされたことを。
「いてっ!?」
「ケイフちゃん、ヒドーイ。お姉ちゃん、そんな売淫な女じゃないもーん。ちゃんと男の人には尽くすタイプだもん」
そんなことを言っているが、俺は知っている。姉貴の性欲に付いて行けなかった男達が、姉貴に空の彼方まで投げ飛ばされていることを。
ていうか、それよりも、だ。
「……姉貴、元に戻してくれ」
頭の角が地面に突き刺さり、天地が逆転したままなのだ。そして抜こうにも自分の力では抜けない。頭に血が上っていくのが判る。だが天地逆様の姉はすっかり機嫌を損ねてしまったようで、組んだ腕に胸を乗せてそっぽを向く。
「知らないっ。そうやって頭でも冷やしてるといいの」
「余計血が上るわっ」
すると姉貴は打って変わって真面目な表情に変わって、地面に近い俺の顔に近付く。膝を曲げる姉貴の股間が目に入り、其処にある使い慣らされた女性器が目に入る。
「……でもね、ケイフちゃん。男の子を手に入れたいときは、ちゃーんと此処を使わなきゃいけないのよ?」
そう言って、姉貴は自分の割れ目を二本の指で開いてみせる。微かな垢と尿の臭いがする中、その中身はといえば、肉の襞が連なっているのだった。
「……で、でも……彼奴は、やっちゃ駄目なんだよ……話聞いてただろ? 姉貴も」
「うん。…酷い話だったね。私なら、絶対あんな可愛い子、捨てたりしないのに。」
「……いや、其処じゃなくて」
「判ってるよぉ〜。 でもね、そんなの、私達に関係あるの?」
そう問われる意味が、俺にはよく判らなかったりした。だが、姉貴のマ〇コから視線を天地逆に下げていくと、其処には緩みきった笑顔……ではなく、ミノタウロスとしての鋭い眼光を照らす姉貴の顔があった。
「……ケイフちゃん。貴女の男運が悪いのはね、他でも無い、貴女自身の所為なのよ?」
「え?」
「いつもそう。貴女は口では無理矢理だの、レ〇プだのと言ってるけど、結局貴女が求めているのは、健全過ぎる、男女のお堅いお付き合いなの」
はぁ、と憂鬱そうな溜息を吐いた姉貴は、胸が重たそうに腰を上げる。俺の前に突き出されていたマ〇コのほうは高く舞い上がり足の間に閉じられた。
「前だって、外で男の子を捕まえて、いざ挿入、となってから他の魔物が邪魔してきたくらいで貴女は無視もせず、続けなかったじゃない。……結局ブチ切れて暴れて、男の子には逃げられちゃったし」
「う……あんまその時の話しないで」
頭が痛くなるのは、情けなさからか、それとも頭に血が上っているからか。どちらにせよ、これ以上姉貴の説教を聞くのは勘弁だ。俺は必死に地面
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