赤いスライムと薬草摘みの少年

 一体のスライムが、苛立たしげに自室の扉を開けた。

 ずるずると液状の体を動かしながら住み家である洞窟を進み、苛立ちの原因へ向かっていく。ぷるぷると揺れるの体は赤く、スライムの一種、レッドスライムだという事が分かる。

「あんた達うっさいのよ!!」

 小さな洞窟の一角に設けられた木戸を押し開け、赤いスライムは声を張り上げた。声の先には彼女と同種の魔物、青いスライムと――その伴侶がいた。

「んぁっ……あは、ごめんね〜」
「ご、ごめんなさい……」

 へらりと笑いながら青いスライムが謝ると、伴侶である少年も顔を赤くしながら頭を下げた。少年が顔を赤くしたのも無理はない。彼らは今交わりの真っ最中だった。壁に手つき尻を付き出した青いスライムに少年は体を預け、自身のモノを突き入れていた。

「毎日毎日、昼間から! その……変な声出さないで!!」
「ごめ〜ん、私の旦那様、あんあ〜ん
#9829;って声出すと頑張ってくれるから〜」
「し、知らないわよ!」
「すぐ終わらせるから〜……」
「え……ひぁっ!」

 少年が上ずった声を上げると同時に青いスライムの中がぐりゅぐりゅと蠢き、少年のモノを扱き始めた。あまりの快感に少年は、目の前に他の魔物娘が居るのにも関わらず大きな声で喘ぎ始めた。

「ふあっ! ああっ待ってっ! あああっ!!」
「ちょっと、なに、して……」
「うあっ、あっああっ!」
「だして、だしてぇ
#9829;」
「あっあうぅっ……んっ、んああっ!」

 甘い声で誘う友人の背にもたれかかり、その夫である少年が快感で顔をとろけさせる。突然、激しい夫婦の交わりを見せつけられ、赤いスライムはその場で固まった。

「ほらだしてぇ
#9829; 私のなかにとぷとぷってだしてぇ
#9829;」
「ダメ、あっ……もっダメ……でるっ、ぅう……っ」

 少年がひときわ切ない声を出して体を震わせると、彼の小さなモノから精が放たれた。
 色素の薄い小さなモノはぴくんぴくんと震えるごとに白い液体を青いスライムの体内に吐き出していく。友人の体内が白濁に染まっていく光景を見て、赤いスライムはごくりと唾を飲み込んだ。

「えへへ、お疲れ様ぁ
#9829;」

 青いスライムはずるりと体を反転させ、少年を愛おしげに抱き締めた。射精の快感で力の入らない少年だったが、それに答えるようにゆるくスライムの体を抱き締め返した。そしてそのまま顔が近づき、お互いを労わるように口づけを交わした。
 自分の事そっちのけで甘いキスを繰り返す二人に、レッドスライムは赤い顔を羞恥と怒りで更に赤くした。ちゅうちゅうと響くキスの音が止むと、スライムはそっと自身の伴侶を体から離した。

「はぁい、パパのこと運んであげてね〜」

 青いスライムがそう言うと、彼女にうり二つの小さなスライム娘が数体現れた。射精の快楽でぐったりとしている少年に近づき、ぎゅうと抱き締めてから全員で彼を持ち上げた。ゆっくりと優しく運びながら、小さなスライムは口を開く。

「ぱぱぁ、後で私たちにもせーしちょうだ〜い」
「えぇ……それは……」
「なんでぇ〜ママばっかずるい〜」
「う……うん……少しやすんだらね……」

「わあい! ぱぱ大好きぃ
#9829;」「私がお口でしてあげる〜
#9829;」「パパのおちんちん好き〜
#9829;」

 小さなスライムたちはきゃいきゃいと可愛い声でいかがわしい事を言いながら、少年を寝室へと運んでいった。魔物娘としては間違いがないが、常識的に考えて異様な光景を前にレッドスライムはまだ固まっていた。

「ねえ、大丈夫?」
「えっ! ああ、大丈夫よ。とにかくあんまり……」
「レッドちゃんも旦那様連れてきなよ〜」
「は、はあ!? 何言ってんのよ!!」
「私しってるよ〜あの薬草摘みの〜……」
「あ、あの子はなんでもないのっ!!」

 赤みの増した顔でそう叫ぶレッドスライムに、青いスライムはため息を吐いた。

「あのさあレッドちゃん、分かりやすすぎない〜?」
「う、うるさい!!」
「別にいいけどさ〜あの子かわいいし〜他の子にとられちゃうかもよ〜?」
「う……そん、なこと……」
「人間の男の子ってみぃんなえっち好きだよ?」
「う、うるさいってば……」
「レッドちゃんおっぱいおっきいし、その子も絶対〜……」
「うるさいったらぁ!!」

 叫んだレッドスライムはそのまま洞窟を飛び出して行ってしまった。森の中へ消えていく友人の赤い背に、青いスライムはまたため息を吐いた。


    ◆


 レッドスライムは木陰からそっと様子をうかがっていた。

 前方には一人の少年が居た。友人の青いスライムの伴侶より年は上に見えたが、その顔は中性的で、その黒髪もまだ幼い柔らさを残していた。質素な服に身を包み、背には大き
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