『贄』と『夫』

「も…やめてぇ……!」

 ぐちゅぐちゅと淫らな水音の合間に、ぼくはそう言った。涙に滲む視界に映る彼女はぼくの言葉など聞き入れるはずもなく、獣のようにギラギラと輝く瞳でこちらを見下ろし、大きな褐色の胸を揺らしている。
 彼女は
#8212;
#8212;オセロメーはぼくに跨り、もう何時間もこうして腰を打ち付けている。彼女の中に何度も出したぼくの精液は、彼女の子宮を満たし、膣へと流れ落ちて外へと漏れ出し、彼女の愛液と混ざってぼくのモノにまとわりついている。
 何度射精してもオセロメーは満足することなく、腰を跳ね上げ打ち付け、ぼくの精を搾り取っていく。彼女が腰を引くたびにかぎ爪のような膣肉が敏感なカリ首に、かりかりぬるぬるとひっかかり、あっという間に射精感が高まってしまう。

「もっと贄を……出すんだっ」
「あっ、ううっ……ああっ!」

 彼女が一息に腰を沈めると、またぼくは射精してしまった。新しく彼女の中に放たれた精液はついさっき出した精液を押し流し、繋がった隙間からどぷりと漏れ出てきた。射精後の倦怠感を感じる間もなくオセロメーは腰をぐりぐりと動かし、彼女の鋭く柔く、そしてぬるついた膣肉がぼくのモノを引っ掻き回す。

「あうっ、すご、またぁ……!」
「あと一回で最後にしてやる……」

 妖しく光る獣の瞳に見据えられ、ぼくは何の抵抗もできずにぐすぐすと鼻をすするだけだった。情けないとは思うけれど、オセロメーと戦っても勝てるわけがない。抵抗するのはもうとっくに諦めている。
 それに、激しく犯され、何度も何度も何度も与えられる強烈な快感。その快楽の虜になってしまっている自分がいた。初めは怖くて泣いていたけれど、今流している涙は恐怖からくるものではなく、激しい快感に喜ぶ涙に変わっていた。

「あっ、うううっ!」
「ほら、早く出せ……!」

 彼女はぼくの体を抑え込み、乱暴に腰を打ち付け始めた。彼女に中に溜まっていたぼくの精液が溢れ出して彼女と腰がぶつかるたびに、まるで射精のように飛び散り床を汚していく。あまりにも淫らなその光景から逃げるようにぼくは目をぎゅっとつぶった。
 目をつぶったせいで、下半身に与えられる快感に集中してしまう。彼女の肉壁はぼくのモノに爪痕を残すかのようににゅぐにゅぐと絡みつき、最後の射精を促している。痛みを感じる手前、その限界まで強められた快感に、ぼくは大口を開けて喘いだ。

「うあっ、ひぎぃっ、んああっ」
「そうだ、もっともっと鳴け」
「あぐっ、あっ、だめ、でる、またぁっ!」
「いいぞ、出せ……それが供物となるんだ」
「ひうっ、あっ……ううあああっ!」

 ぼくは声を張り上げ、最後の膣内射精を迎えた。射精中も彼女は腰の動きを止めてくれず、ぼくのモノと彼女の秘部がつながったその隙間から、ぶちゅぶちゅと音を立てて白濁した精液があふれ出た。
 彼女は最後にいっそう深く腰を落とすと、ゆっくりと腰を持ち上げた。彼女の鋭利で柔い肉壁がぼくの尿道の位置をしっかりと捕らえ、残された精液を押し出し搾り取っていく。数時間ぶりにぼくと彼女の体が離れると、繋がっていた場所とぼくの先端が白濁した糸でつながり、そして切れた。

「にゃぁあ……
#9829;」

 彼女は疲れた様子もなく嗜虐の快感で潤んだ瞳でぼくを見下ろすと、ぼくをまたぐように立った。そうして、その獣の指で自身の秘帯を押し広げた。ひくひくと痙攣する割れ目はピンク色で、彼女の褐色の肌とのコントラストがたまらなく淫猥だった。そして、そのピンク色の秘肉の奥から白く濁った液体がこぽりと漏れ出て、ぼくの体に滴る。
 さっきまで彼女と繋がり、何度も何度も射精したのだと改めて実感させられる。桃色の媚肉の奥底に、白濁が湧き出る泉があるかのようにとめどなく白濁が溢れ出し、ぼくの体に落ちて流れ落ちていく。まるで自分の出した精液に愛撫されているみたいで、あれだけ出したというのに、ぼくはまた体に熱を感じた。
 
「ふふ、贄はこれで十分だろう。さあ、戻るぞ」

 オセロメーはそう言うとぼくを抱き上げ、彼女の『神』への贄をささげるこの部屋から出してくれた。ぼくたちと入れ替わりに別のオセロメーと男の人が部屋へと入っていった。ぼくたちは水音と肉の打ち付け合う音を背中で聞きながら、住処へと戻っていった。


     ◆


「これでいいか……」

 住処に戻ると、彼女は戸締りを始めた。入口にしっかりと鍵をかけ、小さな住処のひとつしかない窓も厳重に閉めると、簡素なソファーに体をあずけているぼくに歩み寄った。彼女は鋭い獣の瞳でぼくを見下ろし
#8212;
#8212;やさしく頭を撫でてくれた。

「今日もお前はたくさん出してくれたな
#9829;」
「う、うん……」
「止めてやれなくてすまなかった……」
「だ、
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