「お姉ちゃんみてみて!」
「綺麗な花冠ね〜」
花畑の中に、少年と魔物娘が居た。美しく咲き乱れる花々の中でにこやかに話している様子を見ると、仲のいい姉弟のように見えた。少年は作った花冠を魔物娘の頭にのせ、にっこりと笑みを浮かべた。彼女は――ティターニアは、おっとりとした笑みを浮かべて少年の頭を撫でた。少年はくすぐったそうな、嬉しそうな笑みを浮かべてティターニアに抱き着いた。そんな少年を見て、ティターニアもまた微笑みを返す。
少年は彼女の肉付きのいい体に抱き着くと、下心のない微笑みを見せた。ティターニアの体は、薄布の上からはっきりわかるほど肉付きがいい女体であり、男であれば誰でもその肌の柔らかさを妄想してしまいそうなほどであった。だが、性の知識のない少年はそのような考えを浮かべることもなく、ただ愛しい姉としてティターニアに接していた。
彼女は他のティターニア個体に比べて幾分肉付きがよかった。この少年が菓子屋の息子であり、甘い菓子を持ってくるからだ。菓子屋の仕事がひと段落すると、少年は売れ残った菓子を持って彼女の元へ遊びに来るのだった。
「お姉ちゃん、いい匂い」
「うふふ、ボク君もいい匂い〜」
二人は抱き合いながら、くすくすと笑いあった。少年は胸の谷間に顔を埋めているにも関わらず、屈託のない笑みでティターニアを見上げ、彼女もまた恥じらいもなく少年を抱きしめその頭を撫でた。
口づけをかわすでもなく、体をまさぐりあうでもなく、親愛のみを互いに伝えるように身を寄せ合いながら笑いあっていた。舞い散る色とりどりの花びらと合わさり、穏やかでのどかな空間だった。
「お姉ちゃん大好き!」
「私も大好きよ〜、ボク君のもってくるお菓子がね〜」
「え〜!ボクは好きじゃないの!?」
「うふふ、嘘よ〜。ボク君が一番大好きだよ〜」
「えへへ、嬉しい!」
そう言って少年はまた、ティターニアの柔らかな体に抱き着くのだった。どこまでも穏やかでのどかで、楽しい時間はすぐに過ぎ去り、日が傾いてきた。健全な二人の時間は夕焼けと共に終わりを迎え、少年は両親の待つ家へと帰っていく。
「じゃあまた明日ねお姉ちゃ〜ん!」
少年が手を振りながらそう言うと、ティターニアは満足げに笑い手を振り返した。ティターニアは花畑の中でにこにこしながら少年が見えなくなるまで手を振っていた。そして見えなくなった後、頭にのせた花冠を指先でつついて笑みを浮かべた。その表情はとても嬉しそうなものだった。彼女は立ち上がり、大きく肉付いた胸を無防備にゆさゆさと揺らしながら帰路に就いた。
花畑のほどちかく、大樹の洞の中に彼女の家はあった。簡素な家具とベッド、いっぱいの花に包まれたティターニアの部屋は、女の性の魅力が詰まった彼女の体には似つかわしくない少女のような部屋だった。
彼女は自室の中で舞うように飛び回る小さな妖精たちが居ることに気が付いた。勝手に入っていたことに怒ることもなく、彼女はおっとりとした笑顔を向けてあいさつをした。妖精たちは挨拶を返してから、いたずらっぽい笑みを浮かべた。
「お姉様、またあの子とあそんでたの?」
「ええそうよ〜ボク君は今日もいい子だったわ〜」
「ねえねえお姉様! いいこと教えてあげる! 楽しい遊びがあるの!」
「あらあら、なにかしら〜」
「あのねあのね、男の子のおちんちんを気持ち良くしてあげる遊びなの!」
「え〜? おちんちん〜?」
ティターニアが首をかしげると、ほかの妖精が話に割って入ってきた。
「うんうん! 私も好きな男の子とおちんちん遊びしたよ!」
「私も私も〜! とっても楽しいし、気持ちよかった〜!」
「白いおしっこ出すとき、男の子すっごくかわいいんだよ〜」
ティターニアの周りに集まった妖精たちは彼女の顔を見ながら口々にそう言った。ティターニアはおっとりとしながらも、妖精たちの話を興味深そうに聞いていた。すると突然、一人の妖精が何かを思い出したかのように声を上げた。
「お姉様も、あの子のおちんちん気持ちよくしてあげようよ〜」
「あら〜ボク君のこと〜?」
「そうそう! あの子お姉さまの事大好きだから、気持ちよくしてあげたら喜ぶよ!」
「それはいいわねぇ〜でもどうすれば良いのかしらぁ?」
「えっとね、まず男の子のお洋服を脱がせてぇ……」
妖精たちの話を、ティターニアは相槌を打ちながら聞いた。
◆
「や、やめておねえちゃんっ!」
「大丈夫よ〜おちんちん遊びは楽しくて気持ちいいんですって〜」
次の日、少年はティターニアとまた花畑で身を寄せ合っていた。だが、いつもとは様子が違った。少年は顔を赤くして衣服を脱がそうとしてくるティターニアに抵抗しているようだ。だが、体格的も種族的も上位のティターニアに敵
[3]
次へ
ページ移動[1
2 3 4 5 6 7]
[7]
TOP[0]
投票 [*]
感想