転ばないように気を付けながら、岩場を進んでいく。
本当に気を付けないと、すぐにでも足を滑らしてしまいそうだった。岩場の凹凸が激しいわけでも、滑りやすいわけでもない。ただ、ぼく自身が急ぐ足を抑えきれないだけだ。どくんどくんと高鳴る心臓の鼓動に合わせて、指の先まで熱が流れて、息まで熱っぽくなる。薄いシャツに汗がにじむ。
だんだんと足場が悪くなってきたから、もっと気を付けて進まなければならない、そう分かっているのに気持ちばかり焦って何度か足を踏み外し、半ズボンが濡れてしまった。でもそんなことを気にしていられない。
早く、早く。
あと少し、もう少し、あの洞窟まで行けば――。
「はぁ、はぁ……」
岩場の影に隠されたような洞窟に、ぼくは足を踏み入れた。薄暗いけど、何度も来ているから大丈夫だ。じゃりじゃりと足音を立てて進んでいくと、いよいよぼくの鼓動は激しさを増し、内から鼓膜を揺らす。肌をなでる風はひんやりと気持ちいいけれど、その下の肉は熱が収まらない。
あと少し、そこの角を曲がれば――。
「……あら、早かったのね」
洞窟の奥深くには、魔物のお姉さんが居た。ぼくが一刻も早く会いたかったお姉さん――スキュラさんだ。青い瞳に整った顔立ち、うなじあたりで結んだ薄い布だけで隠した上半身や、肩にかかる長さの波打つ茶色の髪。そのどれもが人間と大きな違いはないけれど、スキュラさんは一目で魔物だとわかる。彼女の下半身はタコのような触手でできているのだ。腰巻の上は人間で、下はタコという奇怪な姿だったけど、ぼくはそんなスキュラさんの姿も魅力的だと思っていた。
「そんなに息を切らせて、早く会いたかった?」
「はい、ぼくっ、はやくスキュラさんに会いたくてっ」
「うふふ、嬉しい……
#9825;」
触手をうねうねと動かしながらにじり寄ってくるスキュラさんに、ぼくは心臓が跳ね上がった。何も言えずに目をぱちくりさせていると、スキュラさんはくすりと笑った。
「急いでたのは会いに来たかっただけ?」
「え、あの……」
「私と早く……えっちしたかったのよね
#9825;」
見透かされていた。ぼくはなにも言えずにもじもじとしていると、スキュラさんはもう一度笑って背を向けた。
「ね、服脱がせてくれる?」
「え、あっ……!」
「首のところの結び目をほどくだけだから。ほら、はやく
#9825;」
ぼくは何度も喉を鳴らしながら、服の結び目へと手を伸ばした。震える手でむすび目をほどくと、いとも簡単に布が彼女の体から離れた。スキュラさんの体、今見えているシミ一つない背中の向こう側に晒された柔らかなものを想像して、また喉が鳴った。
スキュラさんは肩越しにぼくを見ると、心底楽しそうに笑って「下もとって
#9825;」と囁いた。ぼくはまた震えながら彼女の腰巻きの結び目をほどいた。はらりと落ちた布の下から、ぷるりと大きなお尻が現れた。ほんのりと汗ばんだそれは、たまらなく煽情的だった。
肩越しにこちらを見ていたスキュラさんは笑みを浮かべると、むにゅんとお尻をぼくの股間に押し当ててきた。思わず腰を引こうとすると、いつの間にか触手が体に巻き付き身動きが取れなくなっていた。
「あぅ、うあっ……」
ズボンの上からでも、そのむっちりとした柔らかさとボリュームが伝わってくる。半勃ちになってしまったぼくのそれを、ずりずりむにゅりと大きなお尻でこすり上げられる。体が熱い、全身から汗が噴き出して止まらない。スキュラさんはしばらくぼくのものをお尻で擦り上げて楽しんでいるようだった。
そのうちに彼女の息も上がってきた。そればかりか、体をくねらせながら自分の胸を揉みしだいているようだ。さらにはくちゅくちゅと水音まで聞こえ始めた。スキュラさんは自分の割れ目を指でいじり始めていた。聞こえてくる淫靡な水音が、ぼくの理性を溶かしていく。
「ふふ
#9825;もっとぎゅってしましょ
#9825;」
そう言って彼女は振り向くと、長い舌でぼくの唇を舐め上げた。青い瞳に映るのは、興奮しきって顔を真っ赤にしたぼくの顔だけだった。ぼくはスキュラさんに促されるまま彼女を抱きしめた。柔らかい肌同士が触れ合い、ぼくはますます欲情してしまう。スキュラさんの触手に捕らえられたまま、ぎゅっと抱き合っていると例えようもない幸福感と、それ以上の興奮が頭を支配する。
お互いの吐息がかかる距離で見つめ合うと、スキュラさんはふわりと微笑んでそっと口づけをした。最初はついばむように、それから徐々に激しくなるそれに、ぼくの思考は奪われていった。ぬるりと入り込んできたスキュラさんの舌がぼくのそれと絡み合って、唾液を交換しあう。とろりと甘酸っぱいそれを飲み込むと、体の奥が熱くなるような気がして、ぼくはさらに
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