新人魔法使いくんの過ち

「これで、よし……」

 ローブを羽織った少年が、魔法陣の前で呟いた。簡素な杖を地に立てると、魔法陣が淡く紫色に輝いた。彼が今行っているのは使い魔を召喚する儀式。魔法学校の落ちこぼれの彼は、皆を見返そうと召喚魔法に挑んだのだった。
学校が長期休みなのをいいことに、自室に籠り何度も召喚魔法を試した。クラスメイトは皆実家へ帰省しているが、彼には帰る家などなかった。身寄りのない少年だったが、少々の魔法の才があったため魔法学校に入学することはできた。
 だが、学費は決して安くはない。彼は日銭と学費を稼ぐことに精一杯で、勉強がおろそかになっていた。貧困が学力の低下につながる現実の例だ。だが彼はこの夏休みで取り返そうと、勉学に励み、上位の召喚魔法にまで手を出したのだ。

それが今、成功しそうなのだ。

「使い魔よ! きっ、来たれ!」

 少年の言葉に答えるように魔法陣の光は増し、その中心に粒子となって集まっていく。紫色の光塊は人の形を成して飛び散り、一人の悪魔が――インプが魔法陣の中に降り立った。

「やっ、やった……!」

 喜ぶ少年の瞳には涙が滲んでいた。今日ついに彼は目的を達成したのだ。これで同級生に馬鹿にされることもなくなる。誰にも求められず、誰にも必要とされない自分の人生に打ち勝つことができるんだ。そんな風に悲願の達成を喜ぶ少年をよそに、インプは大きなあくびした。目をこすりながら周囲を見回し少年の姿を見留めると、小さく笑った。

(へたっぴな魔法陣だなあと思ったけど、やっぱり子供だったのね)

インプはふわりと宙を移動し、魔法使いの少年に近づいた。

「やっほー♪あたしを呼んだのはボクかな?」
「ボ、ボク……?」

 自分と同じか、あるいは年下に見えるインプに子供扱いされている。そう理解した少年は怒りを口にしようとしたが、ふいに口を閉じ、押し黙ってしまった。 少年は召喚した存在が女であると今気がついた。インプの女体からは幼くも甘い雌の香りが立ち昇り、柔らかそうな白い艶肌にはリボンのようなものが巻かれているだけで、ほぼ裸だった。

 落ちこぼれで女の子と関わりも持てない彼には刺激が強すぎた。それでもなんとか気持ちを切り替え、「きみは僕の使い魔になるんだよ!」と精一杯虚勢を張る少年に、インプはまた小さく笑った。

(あは
#9825;からかいがいがありそう
#9825;)

 虚勢を張る少年に向かい合わせになるようにインプが身を寄せた。少年は自分に従わない魔物にわずかに恐怖を感じ始め、想わず目をそらしてしまった。くす、と小さく笑う声が聞こえ、インプはするりと少年の手に指を触れさせた。
 両手の指と指の根元だけをゆっくりと絡めてから、柔らかな女の子の手が、自身の手をぎゅっと握りしめた。少年は「あっ」と小さな声をあげて、顔を赤く染めた。そんな少年の様子を面白がり、インプさらに顔を近づけた。

「あれぇ?顔真っ赤だねぇ?女の子と手を繋ぐの初めて?」
「っ……!」
「あは
#9825;じゃあこれも初めてだよねえ……?」

 すっと顔を近づけられ、少年は赤い顔のままぱちぱちとせわしなく瞬きした。また、インプの小さな笑い声が聞こえると。むちゅ、と柔らかな唇が触れあい、そして離れた。幾分頬を染めたインプの顔が、鼻が触れるほど近くにある。

「えっ、あ……えっ?」
「ふふ、初めてのチューはどうだった?」

 インプは囁くように少年に尋ねた。

「ど、どうって、あの、なんで、ああぅ……?」
「ん〜?そっか、よく分かんなかったかぁ
#9825;じゃあもう一回してあげるね
#9825;」
「え、あのっ……!」
「今度は激しくするね
#9825;」

 インプは繋いだ両手に力を込めて少年を押し倒した。下級悪魔の自分に力負けする少年の非力さに、インプは背筋にぞくぞくと快感がかけ登るのを感じた。少年の両手をしっかりと捕らえたまま、インプは嗜虐的な快感に身を任せて口内をむさぼった。

「んちゅ、じゅるる、れるれるれる……じゅろろろっ
#9825;」

 小さな舌が口内を舐め回す。自分でも知らない敏感な部分ににゅるりと舌が這い、びくんと体が震えてしまう。インプは舌を絡めながら笑うと、そこを舌先でちろちろしつこく舐める。少年はびくびくと体を震わせ、彼の股間はテントを張り、濡れていた。

「んちゅ、ちゅぅるるっ
#9825;んちゅ……んぅ?んふ〜
#9825;」

 インプがそれに気づかないはずもなく、覆い被さり、脚をズボンの上から少年のモノに擦り付けた。柔らかな太ももで少年の性器を刺激し、更なる快感と勃起を促す――つもりだった。

「んぁっ、だめっ!うぁ、ぁあっ!」

 少年はそのままあっけなく射精してしまった。下着の中にびゅるびゅると精が放たれ、彼の小さなペニスに
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