−朝−
『朝ですよ……起きてください…ご飯が冷めてしまいますよ』
強引にも身体を揺さぶられオレは目を覚ます…
オレは虎雅(タイガ)といってこの小さな城の言わば城主だ、
そして今オレを起こしに来たのはお世話係の姫希羅(キキラ)[種族:キキーモラ]で、オレが20の時にこの城へとやってきた……一応オレより年下だ…
先祖から受け継がれる魔物娘の血が入っているためそのお尻からは尻尾が生えている…
『ほら、寝ぼけてる暇はありませんよ!早く』
強引にもオレは衣服を脱がされ食事用の服装へと着替えさせられる
「今日は何かな?」
『今日はトーストとハムエッグ、コーンスープにサラダです』
「美味しそうだな」
『不味いとは言わせませんからね』
この何気ない会話から1日が始まる
「ごちそうさま……今日も美味しかったよ」
『お粗末様です…ふふ♪』
「さて……今日はあったかな…」
『はい、午後6時から…』
「そうか、なら昼までに向かおう」
『かしこまりました!』
オレは城主であると共に社会人野球の助っ人の仕事をしている
昔、親父に野球を教えてもらっていたオレは学生時代3年だけだが野球をしていた…
もう少しでレギュラーというとこだった…
しかし人間関係がうまくいかず辞めてしまった…
そして1年前、なんとなく出歩いていると部員募集をしているチームがあるという噂を聞いた…
久々に野球をやってみようと思ったオレはそのチームへとお願いするとすぐに採用された……
「あれから1年か……」
『私もここに来てもうすぐ5年です…』
「長いな……」
『やりがいがありますから!』
「そりゃ、よかった……オレとしても助かるよ」
『ありがとうございます!』
いつの間にかオレの隣に座り、嬉しそうに笑顔を浮かべている…
この笑顔に何度癒されたことか…
「さて、試合準備にでも入ろう…」
『?』
「情報整理だよ…いつもやってるだろ?」
『あ、そうでした!』
「おいおい……しっかりしてくれよ…」
『すいません……』
頭を深々と下げる……そこまでしなくていいのに………
作業に取り掛かるときはいつも1人…
その間彼女(姫希羅)が何をしているのかは知らないが…
−昼−
オレは試合となる野球場へと向かっていた…
『案外遠いんですね……』
「だからついてこなくても……」
『ちょっと……気になってたもので…』
「ったく……しょうがねぇな……」
少し呆れつつ突き返すのは可哀想だと思いそのままにした。
【野球場】
「着いたはいいが……どうするか?」
『どこにいたらよろしいのですか?』
「そこからか……スタンドにいればいい…」
『かしこまりました………スタンド?』
「!?」
思わずずっこけてしまった……何も知らないのか……
「連れて行くからさ……」
『あ、ありがとうございます…』
そしてオレは一つの席を案内した…
「ここなら安全だ……」
『こ、ここここは……』
案内した場所は40畳近くあるVIPルームだった…
高価なジュウタンに大きいソファ、洋風のテーブルが置かれている…
「VIPルームだ、本来は高額な金額を支払って年間を通しての指定席なのだが……今日は居ないらしいから」
『で、でででも…』
「いいんだって……うちの選手は活躍さえすれば誰が使用しても構わない部屋だからな」
『こんな豪華な部屋……』
「たまにはいいじゃないか……日頃の感謝だよ」
『!!!!!』
そういうと彼女は頬を紅く染め俯いてしまった…
そこまでならなくても…
「それじゃオレはこれから調整に入るから…試合が終わったら来るから」
『……』(コクリ)
部屋を出るまで彼女は顔を上げることはなかった……
−夕方−
「スタメンだな……えっと………6番…」
いつもはクリーンアップを打っていたオレだったが今日はその打順から落とされてしまっていた…
しかしそれが裏目に出たのかチームは終盤まで1点も取れずにいた…
ヒットはオレが打った2本のみ…三塁すら踏ませてもらえていない…
いよいよ9回……ツーアウトから敵のエラーとフォアボールで一二塁となり打席はオレ……一発が出ればサヨナラの場面だった…
「一発か……運だな……最低でも塁に……」
カァァァァァァァン!!!!!!!!
打球は大きく上がりセンター後方へ………しかしなかなか落ちてこない…
するとその打球はバックスクリーンを越え場外へ………
まさかまさかの逆転サヨナラスリーランだった。
『!!!!!!!!!!』(手を振っている)
「あ、喜んでる……なんかプレゼントみたいになったな……まさかな…」
その後チームメイトから手厚い歓迎を受けた……飲みに誘われたが…
オレは飲めね
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