バレンタイン…リア充か否かで天国か地獄を
味わうと言っても過言ではないであろう日。
「彼女から送られるチョコはさぞ美味しいでしょうねぇ、超許羨!」
…とひがむヤツらが現れる日…
俺は貰える側だったんだけど、
こないだのアレもあって今年は貰える事はないだろう。
と言ってもそれは『皆からは』という意味での話、
今や俺には文字通り天使な彼女がいる!
今年からは今まで以上に天国側だ!
…な〜んて事を思いながら当日、来たのは百々松(とどまつ)繁華街。
チョコの材料一緒に買いに来たのかって?いや…
太一
「え〜と、これどういう状況?健司何か知ってる?」
健司
「い、いや、僕は何も・・・掃除のおじさんは何か知っていますか?」
学校の清掃員(以下清掃員)
「すまんがワシもさっぱり;坊や達は何か知っているのかい?」
少年A
「す、すみません、なにも・・・」
少年B
「マスターに連れられて来たんですけど何も聞かされてなくて・・・」
どうやらそうではないらしい。
朝に麗から急に『一緒に来てください』と言われて
この店まで連れてこられたと思えばそのまま座らされて
何かを待たされているのが今の状況。
似た感じで連れてこられたのか
俺や健司と同じで男側は何も聞かされていないらしい。
女の子側は何か知ってるどころか事前に打ち合わせでもしてたのか
店前で会うや『時間通り』とか言ってたな。
まぁ集まったお店からして何をする気なのかは大体分かる気がする。
いまいるこのお店、『ロリPOP』はこの繁華街、
何なら日本で有名なスイーツ店の一つだ。
ここに来たからにはやることと言えばスイーツ作りなんだろうけど、
麗ってここでバイトしてたのか?してたとしても何でわざわざ彼氏の
俺を連れてきたんだ?それも他カップルの彼女さんと時間合わせて集まってまで。
(いや待てよ?)
もしかしてと思って周りの席を見てみると
俺らみたいに男だけで固まっている席がいくつかちらほら見えた。
中にはチラシを持って何かを話し合っている組がいた。
ちらりと見えたチラシの内容は・・・
太一
「ああそうか、そういやそうだったなぁ」
一人納得している俺を見て健司たちは何かわかったのか
説明してほしそうにしてるがわざわざネタバラシするのはアレだろうし
なんならそろそろ・・・
店長
「みなさ〜ん、お待ちどうさまで〜す♪」
丁度のタイミングで店長のバフォメットさんの声と
同時にキッチン側のドアが開いた。
中からぞろぞろと現れたのは店員さんと・・・
健司
「う、うわぁすごい数・・・」
少年A
「数もだけどデカいのもあるじゃん・・・」
少年B
「店員さんが作ったのかな?」
太一
「いや多分店員さんだけじゃないな」
見た目からおいしさが伝わってきそうなたくさんのスイーツと
ニッコニコだったりテレテレしながらそれらを持ってくる
エプロン姿の女性たち。その中には麗たちの姿もあった。
健司
「み、美火さん、これは一体?」
美火
「見てわかんないのかよ?健司へのバレンタインプレゼントに決まってんだろ
#9829;」
やっぱりそうだったか。ここロリPOPは元々からスイーツ教室なんかも
やってるんだけどバレンタインの時期になるとキッチンを開けて
恋人へのバレタインプレゼントを作るお手伝いなんてのもやってるらしい。
何度も聞いたことのあるはずのイベントだったのにすっかり忘れてた;
少年A
「えっと、じゃあお姉ちゃんもこれをボクに?」
チェルシー(前回のアリス)
「もっちろん♪キミのために作ったキミだけのプレゼントケーキだよ?」
少年B
「こんなキレイでおいしそうなの、いいんですか?」
クー・シー
「もちろんタダってわけじゃないですよ?
ふふっ、ホワイトデー楽しみにしていますね?」
清掃員さん
「おやおや、この歳になってこういうプレゼントをもらえるとは」
バブルスライム
「い、いつもキレイにしてくれるお礼もと思って、
き、気に入って、くれましたか?」
おうおう、健司含め周りのみんなも空気が
ピンク色に見えてくるほどいい雰囲気でてるじゃん?
見てるこっちもニコニコになっちまいそう、てかなってる。
麗
「・・・太一君?私からのプレゼントより
周りの子の方が気になるんですか?
ずいぶんと幸せそうにニヤニヤしていますが」
太一
「おおっと、ごめんごめん;」
いけねぇいけねぇ、周りの雰囲気にほっこりしてたら
麗にジト目でにらまれちまった;麗に誘われて来たってのに
他の子たちによそ見してたらそら怒られるよな;
何を作ってくださったか見させていただきますハイ;
(おお、これは・・・)
麗手作りのバレンタインスイーツ、
それはハートの形をした一口サイズのチョコレートだった。
複
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