いきなりですが質問!皆さんは女性を助けるといった行為をしたことがありますか?
助けると言ってもお婆さんの荷物運びを手伝うとか
迷子の女の子をセンターまで送ってあげるとかじゃないですよ?
若い女性を痴漢やストーカー等の危機から救うといった形でです。
ちなみに僕『登呂健司(とろ けんじ)』には無かった。
そう、『無かった』んです、今までは…
パッパァァァァァ!!
「危なーいっ!! 逃げてぇっ!!」ドンッ
「うおわぁっ!?」ドサァッ
今日、僕は女性を助けた。
横断歩道で車に轢かれそうになった女性を。
ブウゥゥゥンッ!!
「っと…だ、大丈夫ですか!?すいません、手荒な助け方になっちゃって…」スッ
「い、いや、ありがとな、助かったぜ;」スック
突き倒すという荒い助け方になったので手を差し伸べて立ち上がらせた。
助けた女性は黒い肌に真っ赤な目、犬の様な耳や尻尾と人間には無い特徴を持つ女性、
その時は何のかは分からなかったけど魔物の女性である事はわかった。
キイィィィッ!!……ガチャッ、バンッ!! ズカ、ズカ、ズカ
運転手「ブァッカヤロォッ!!オメェらどこ見て歩いてやがったんだぁ!!」
彼女の無事を確認していると、運転手が向こうから声を荒げながらやってくる。
向こうが信号無視だというのに何だあの態度は。
ガラが悪そうで正直話し合いで済まなさそうで怖いが、
この女(ひと)に飛び火がかかってはいけないしここははっきりと言っておかねば!
「あ、あのですねぇ、あなたが信号無視で突っ込んで来たかr
「(ズイ)あぁいいよ、アタシに任せてくれ」 …えっ?」
だが、そうする前に助けた女性が割って入ってきた。
自分でどうにかするって…いくら魔物娘でも危なくないだろうか?
不安に思ったその時、
運転手「あぁん?テメェオレに何か文句でもあんのk…」
ガゴッ!!
((・・・・・え!?))
ソレは交差点の中で起きたから僕と女性以外にも多くの人がいた。
その殆どの人の思考が重なった。
低く重い音が交差点上で響いた…
女性が運転手のアゴめがけて思いっきり拳を振り抜いた、
つまり殴ったのだ・・・
運転手「あ、ごぁ…」ドサッ
健司「…え?あれ?」
ガシィッ!!グイィッ
少女
「オイッゴラァッ!テメェこそどこ見て走ってやがったんだぁ、アァン!?」
運転手
「ひ、ひぃぃっ!?」
あっけにとられた…それしか言いようが無い。
轢かれそうになっている女性を助ける…
なんてのはアニメや漫画で見たことあったが、
その後こんな展開に走るなんてのは見たことが無い…
現実はやはりアニメと違うということか…
ものすごい音がした;男の方が背が高いのに殴り倒すなんて…
魔物娘の力は人間より優れているとは習っていたがこれ程とは…
少女
「くっは!酒臭ぇっ!!何っだよ、信号無視やら飲酒運転やら何から何まで
テメェが悪ぃんじゃねえか、ふっざけんじゃねーぞ!!ボケがぁっ!!」
運転手
「ひいいっ!す、すみませんでしたぁ!!;命だけはどうかぁっ!!」
さっきまで怒りと酒気帯びで赤かった運転手の顔が今や恐怖で真っ青である。
まぁ、自業自得ではあるので同情は出来ないけれど。
少女
「テメエの命(タマ)なんか奪りゃしねえよ、来い!!警察に突き出してやる!!
…ってああそうだ、おーいアンタも来てくれよぉ!」
あまりの出来事にろくな介入もできず様子を見ていたら突然女性が呼びかけてきた。
一緒に交番まで付いてきて欲しいって言ってるけど…
健司「え?僕ですか!?;」
少女「他に誰がいるんだよ?一緒に来て証人になってくれよ」
健司「あ、ああハイ、分かりました;」
予想外の出来事続きに頭がイマイチ追いついてないまま
僕は彼女と交番へ同行することになった。
〜交番へ引き渡し後〜
「ったく、何でアタシまで怒られなきゃならねぇんだ?悪いのは向こうだろうが…」
「ま、まぁ、道の真ん中でケンカしちゃいましたからね;」
飲酒運転していた男を交番へ引き渡した後、僕たちは婦警さんから
三十分程の説教を受けた。迷惑行為を止めたこと自体は良いことだが
止め方が良くない、とのこと。それに関しては同意見であったが、
「君も何故止めなかったんだ」と言われた時はそんな無茶なと思った…
あの顔の時のこの女(ひと)を止められる程の勇気は僕は持ってません;
魔物娘が激怒している時の顔、普段見ない分相当のものだった…
うぅ、思い出しただけでも震えが…;
なんて思い出し笑いならぬ思い出し震えをしていると
彼女の方から声をかけてきた。
「ああ、そう言えばちゃんと礼や名前を言えてなかったな、
アタシはヘルハウンドの『黒狗 美火(くろいぬ みか)』、
さっきは助けてくれてありがとな♪」ニカッ
(ッ!う
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