「太一君、すごく緊張していますね?お顔、真っ赤です・・・」もじもじ
「あ、当たり前だろ?前にも言ったけどこういうこと初めてなんだぞ?
ってか麗だって顔まっかにしてるじゃねぇか・・・」もじもじ
俗に言うラブホテルの一室のベッドの上、
俺と麗は顔を赤くしてバスローブ姿で向かい合ってる。
えっと、どうしてこうなってんだっけ?
このゴールデンウィーク中はそりゃあもう幸せな日々だった。
麗のおかげで宿題を一日二日で終えることができた。
一度一緒に行ってみたかった動物園、水族館、遊園地、映画館、博物館全部行けた。
そんで残り二日は繁華街で食べ歩きでもしようってやってきたけど
急な雨に降られたんでどこかで雨宿りしようって相談して
麗が指したのはこのホテル。とまどう俺の手を引いて
パパっとチェックインをすませてぬれた体をお風呂であっためて
着替えてベッドまできて現在、でよかったよな?いや良いのかこれ?
イヤってわけじゃないけどこんななしくずし的な流れでホントに、いいのか?
(ま、まずは落ち着こう、わたわたしすぎだ俺;こういう時は何から始める?
キスからか?抱きしめるか?手をつなぐところからがやっぱいいか?
これ前にも考えたことなかったか?ああくそ、頭んなかごちゃごちゃしてきた;)
すっ
「うおっ;」
「・・・変に気を遣う必要はありませんよ?どうか太一君の
好きな風にしてみてください?私も、好きにしてみますから」
(・・・麗、前と同じくらい顔まっかなのに前よりかは落ち着いてるな。
やっぱいざ『こういう時』になると強くなるもんなのかな・・・ん?)
「で、でも上手にその、してあげることは、出来ない所も、
あるかもですけど、でも私、精一杯頑張りますから、えっと・・・」ぱたぱた
「・・・そんなの、俺だっていっしょだ。さっき言ったろ?初めてなんだ。
麗もそうだろ?だから、その、俺にもがんばらせてくれ・・・」かちかち
「・・・ふふっ」
「あ、ははは・・・」
ついおかしくなって二人して笑いだしちまった。
ほんっとらしいムードがつくれねぇなぁ;
でも俺たちらしくはあるかもというか
悪い気はしないなというか・・・
「も、もう、何で笑うんですか?」
「そりゃ麗こそ。だってさ?俺の手ぇ引いてまでグイグイ
ここまで来てたのにそんなモジモジしてるとこ見せられちゃったらさ?
ヒミツでここに予約立ててたとかじゃないのか?」
「部屋が取れたのは偶然です。でもそうですね、
実を言うとこのゴールデンウィーク中にとは思ってました。
と言っても本当はもう少し雰囲気とか作りたかったですよ?でも・・・」
「でも?」
「・・・その、雨に濡れてた太一君があまりにもカッコよくて、
ドキッときて、自分でも気がついたらここまでして・・・」ぷしゅ〜
「・・・ははっ」
「ま、また笑いました?」
「ごめんごめん、今さらだけど麗にもそういう所あるんだなぁって
思うとうれしくなっちまってさ。そうかそうか、
俺は水もしたたる良い男だったかぁ」ニヤニヤ
「ほ、本当に今更ですね;そうですよ、太一君のこと性格は勿論、
体つきとか仕草とか出会った頃よりもどんどん格好良くって
好きになってる所増えてるんですよ?そういう太一君はどうなんですか?」
「そりゃあもう俺だっていっぱい好きですよ。優しいとこ、可愛いとこ、
意外とヤキモチなとこ、嬉しいと翼パタパタするとこ、他にも・・・」
くいっ
「わっ;」ぽふっ
「抱き寄せるとすっぽり収まるとことかもな?」ぎゅっ
「むぅ、私背が小さいこと気にしてるんですけど?」
「そうだったけな。でも本当に大好きなんだぜ?」
「・・・言葉だけじゃ、安心できないですよ?」きゅっ
「・・・本当に、いいんだな?」
俺の問いかけに静かに目をつむり唇を突き出して麗は応える。
そうくりゃ俺の返事は決まってる。
真っ赤になって熱くなってるほっぺに手を添えて・・・
ちゅっ・・・
(や、やわらけぇ〜〜!)
何回似たようなリアクションとるんだって?そりゃあゴールデンウィーク中、
何ならそれより前からキスするようにはなってきましたよ?
でも慣れませんよこんな気持ちいいの。つやつやしててぷるりとしてて
こういう時だからかいつも以上にぷにぷにさとかあったかさとか
伝わってくるっていうか何回でもしたくなってる、
っていうか体がほぼ勝手にキスしにいっている。
ちゅ、ちゅって離れてはまた吸い寄せられるを勝手に繰り返してる。
「ふふ、くすぐったいです」
「じ、自分でも止められねぇんだよ;イヤだったか?」
「まさか、とっても嬉しくって幸せな気持ちですよ?
でもバードキスだけで(ちろり)、良いんですか?」ニマ
ちろりと俺の唇をなめてきていつか見た意地悪そうな
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