やぁ、お兄さんだぜ。
お兄さんには妹が三人いるぜ。
…三人、も、できたんだぜ。
まず一人。
マユ。
名前は…こう、生まれ変わって蝶になりそうな名前だが、種族はサキュバス。
人懐こい性格でポジティブ。
自分で言うのもあれだが…お兄ちゃん大好き。
次にアヤ。
種族は妖狐。
俗に言うツンデレ、なのかな?
きっとあんまり俺の事好きじゃないんだろうなぁ
最後にシズク。
種族はサハギン
無表情で感情があまり読めない。
行動はというと…高確率で俺の布団に潜り込み、風呂に入り込み、いのところ最高は服の中にモゾモゾと入ってきたこと。
何考えてんだか…なぁ。
一応、俺、レン。
この三人の兄。
言わずもがな、妹達の母親はみんな違い、俺の母とも違う。
説明だろ?文句ない説明だろ?
…まぁ、説明より、一日をリアルタイムでお届けした方が分かり易いだろう
じゃあ、1日目、1日目だ。
出会って1日目の事を、話そう。
ー1日目ー
「レンへ。
お父さんつい性欲が抑えきれなくてなぁ、お前のところへ三人妹を送らせてもらったぞ。
なぁに、お前なら大丈夫だろう、なんとかなる。」
「…あのクソ親父!?」
ポストから出てきた一枚の紙切れはとてつもなく衝撃的なものだった。
嫌な予感、俺の第六感がこの扉を開けたらシスコン街道まっしぐらになると伝えている。
ふざけんな、俺はアブノーマル路線を歩むつもりはないぞ、何が性欲を抑えきれなかっただよ、ぱにょか、ふざけんなふざけんな。
震える手で扉を開ける。
武者震いなんだからね!勘違いしないでよね!
「…た、だいま。」
「おかえり!!にぃ!!」
「……」ガチャ
「あっ!なんで扉閉めんの!?戻って来て!?」
うん。
居た。
ない胸張ってお出向かえしてくれた。
可愛い可愛い女の子、もといこれから妹になるであろう魔物娘が。
ーーーー
「た、だいま。」
「おかえり!!にぃ!!」
「…………………」
「閉めさせないよ!?もう逃さないよ!?」
ない胸を張っている女の子の後ろに二人、怯えながら見つめるサハギンの女の子。と、睨み付けるような目で見てくる妖狐の女の子。
「ふっふっふ、私はマユ!今日からにぃの妹です!」
「あぁ…うん…そう…」
「つ、釣れないなぁ…こんな可愛い女の子が妹になるってのに…キュンキュンしないの?」
「残念ながら俺はロリコンでもシスコンでもねぇ」
「うっぐ…諦めないよ、にぃをメロメロにさせるんだから!」
俺がシスコン街道を歩むよりも先に妹がブラコン街道を歩んでいた。
さすおにアニメかよ、ブラコンとか小説の中の存在だろ。
とりあえず強引な話題転換とこいつらの出方を見よう。
さながらメタルギアプレイ中のようである。スネークしたことないけど。
「飯、食うか?待っててくれたんだろ?」
「う…うん…待ってたよ、そういえばなんにも食べてなかったなぁ」
「待ってろ、すぐ作る。」
「な、なんか手伝うよ、にぃ!」
「そうか?…でもお前はほかの二人の妹の相手をしてやれ」
「あ、あいあいさー!」
友好的に接してくれたのはマユだけだった。
そりゃそうだ、いきなりこんな男の人が「ほーれほれ、お兄さんですよー」とか言ってきたら怯えもする。
…地道に心を開いてもらうしかねぇよなぁ。
「…」
「…お?」
「…シズク…」
「…しずく?」
「私の、名前…シズク。」
「あ、あぁ、シズクちゃんか、」
「ん…呼び捨てで、いい」
「…分かった、じゃあ、シズク、こちらこそ宜しくな。」
「…うん。」
そういうとシズクはまたマユの所へ戻っていってしまった。
あとは…もう一人…
「………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………………………………」
う、うわぁ、すっげぇ睨まれてる…
三点リーダーを三行も使うくらい睨まれてる…
目力が、目力が…っ
「で、できたぞー、野菜炒めー」
「私運ぶよ!にぃ!」
「お箸…だす。」
「お、あ、ありがとう。」
手伝ってくれる人がいる、というのは、なんだか新鮮で変な気持ちである。
うるせぇ!一人暮らしの男なんてこんなもんだろ!
「…な、なぁ。」
「…………………………」
「…俺は、もう自分の部屋戻るからさ、三人で、食べてくれ。
それなら、食べてくれるか?」
「…………………………ふん」
「…肯定、かな。良かった。」
あぁ、名前すらまだ聞けてねぇなぁ…
妖狐の女の子はパタパタと机へ向かって走っていってしまった。
「じゃあ、俺は自分の部屋に戻ってるよ、」
「え
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