ごんぎつねとか、鶴の恩返しとか、いろいろあると思うのだけれども、あれはきっと情けは人のためならずという言葉の権現であって、きっと優しいことすりゃ本来通じ会えない動物とも仲良くなれるよ!
…みたいな話だと俺は思ってる。
いや、読書は苦手なのだ、てへっ。
解決ゾロリくらいで本は読むのをやめた、嘘だろ幼少期の俺。
あ、あと海賊ポケットっていうシリーズが好きだった記憶がある。
あの頃から魔物娘っていたんだっけな、居たかもしれねーし、居なかったかもわからねーな。
そこらへん元憲兵なのに勉強不足である。
まぁこんな前置きをするのにはわけがあって、この度こいつらに本を買い与えようということになったのである。
シズクとアヤはまぁ問題ないがしかし、マユとサヤが結構深刻にアホの子なのである。
こりゃ活字慣れさせねーとダメだな、という安直で単直で適当な判断である。
突っ込むなよ、俺だって結構考えたんだぜ
結構考えてこれだぜ、アホの子は俺なんじゃねーの、ふざけんな馬鹿。
と、真面目に前説をしてもあんたら紳士ははよう女の子出せやと思っているのだろう
報われない俺プライスレス。
もう俺だけ喋る会にしてやろうか?あん?
ごめんって調子乗ったって踵返すなって戻ってこいって。
ーーーー
「にぃにー…かえろーよー…」
「お兄様…おうちに帰りとうございます…」
「お前らのために来たんだろうが…」
案の定ぶーたれて一向に本に興味を示さないこいつら。
「…お兄ちゃん、もうあれの扱い方分かってんでしょ?」
「うん…まぁ…分かってるけどさ…」
分かってるさ。
実行したくないけど。
いや、察しのいい方は何をすればいいかきっと判っただろうが、あれかなり腕に来るんだって、疲労が。
一分程度ならいいよ、でも一二時間だぜ?一二時間腕を横に動かし続けるんだぜ?くっそ疲れるって。
でも仕方ねぇかぁ。
しょうがないよなぁ。
「…真面目に本読んだら撫でてやる。」
「よーしなにがいいかなー!」
「いやー!本っていいですねー!!」
「…」
効果覿面である。
「…お兄さん、これ。」
「うん?あぁ、選んで来たのか、どれかなっと…」
俺の妹がこん○に可愛いわけがない
「よーし別のなー」
「あぁっ…!」
にっこりスマイルで棚に戻した。
何も見ていない。
最近シズクのアピールが露骨である。
残念だけど俺は鈍感系主人公ではないのでこいつが俺を好きなことくらい分かっている。
まぁ適当にあしらっておけば飽きるだろうし、それまでの辛抱だ。
魔物といえど兄離れするだろ。
ちなみに後にキスまでの距離、というのを持ってきた。
まぁ普通の恋愛小説っぽかったのでOKをしたけれど大丈夫だったかな。
「ねぇ、買うのって本ならなんでもいいの?」
「ん?まぁ、別にお前は頭悪くねーしな、小説とかじゃなくてもいーぜ。」
「じゃあこれ。」
「うん?」
美味しいお菓子の作り方。
「…お菓子?あげたい人でもできたのか?」
「…別に。」
若干また睨まれた。
何でだろう、やっぱり恋愛事情には首を突っ込まれたくないのだろうか。
まぁお兄さんはそーいうところ寛容なので買ってやった。
成就するといいな。
「…この前のクッキーのお返しだっての、馬鹿。」
さて、本筋のアホの子二人であるが…
「にぃ!解決ゾロリ!」
「子供か」
「お兄様!グリとグラ!」
「子供か」
こんな調子である。
小説を読め小説を。
というか解決ゾロリに関しては読むなよ、俺と同じ道を辿るな。
俺の屍を越えてゆくな。
「あーもう…シズク、アヤ、なんか本見繕ってやれ。」
「はーい」
「あっ、シズクに関しては変なのにするなよ」
「…信用ないね、買うわけない、あの二人に買わせたらお兄さんに危険が及ぶかもしれないから。」
何を言う、最近の一番の危険はお前だ。
「安心して、買わせてもBLくらい」
「安心できねぇ!」
BLが分からない方はベーコンレタスと思ってくれて構わない、ベーコンレタスバーガー美味しいよベーコンレタスバーガー。
ーーーー
結局二人は簡単そうな本に落ち着いた。
俺は物語シリーズの最新刊を買っておいた(スレマ)
さて、五人分の本を抱えて無事に家に帰ってこれた訳だが、勿論皆買った本を読むために自分のスペースへと行く。
行くはずだった
俺があぐらをかくと、その膝の上にマユ。左右にシズクとアヤ。
背中の上にサヤが乗った。
ふざけんなよ、こいつらパーソナルスペースって物がないのか。
「にぃ!読み聞かせ!」
「嫌だよ自分で読め」
「ケチ…」
見事に俺は身動きを取れなくなってしまったわけだが、これでは俺が本読めないじゃないか
変な事を想像することはないが、こ
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録