「うっわ…」
一言目、発せた言葉はそれに尽きる。
廃屋、夜、夏、その三つで浮かぶ単語は肝試し。
夏の終わり、一回でいいからやっておけ、という俺の好奇心から始まった短距離一人旅だったのだが。
肝試しに選んだ廃屋、やけに汚かった。
腐臭などはしないが生理的に受け付けない色、ガラクタ、等。
「これは…ちょっとなぁ…」
本来は廃屋に入って帰るつもりだったがこれでは怖いを通り越して辛い。主に生理的に。
肝試しにならないようでは仕方がない、帰ろう、折角だし森でも回ってから。
そう思ってその屋敷から目を離した途端。
「ッ!?」
頭に響く鈍痛。
雨でぬかるんだ地面に伏せることとなってしまった。
ーーーーー
「……ん、ん…ぁ…?」
目を覚ました、俺は今立っているのか?
目を開き、視界に入った光景を見る限り地面に対し垂直だった。
「…なんだったんだ、帰ろう。」
俺は歩こうと右足を出す。
しかしそれは幻想に終わった。
カシャン
鳴り響く金属音。
「………なっ」
…束縛されている。
さながら十字架の貼り付けのように。
「このっ…くっそっ!」
解こうと足をばたつかせるとガシャガシャと鎖は音を立てる。
しかし全く外れる気配はない。ぐるぐる巻である。ボンレスハムかよ。
一旦振り払うのを諦めて辺りを見回すことにしていると、外の部屋から声が聞こえてきた。
聞き耳を立てると捕食やら摂取やら餌など不穏なセリフばかり耳に入る。
一刻も早くでないと取り返しのつかないことになる…っ
もう一度、今度は腕に力をいれ足掻こうとした矢先…
「あー、起きたんだねー。」
ほんわかと、力のこもってない声が無音の部屋に鳴り響いた。
「…魔物か、離せ。」
「ダメだよー、貴方はわたし達の餌になるんだからー。」
俺の村は反魔物派だ、それ故、魔物の知識が無い。
食い殺されるのか、血を抜かれるのか、餌とはなんだ、どう食われる。
「えへへ、この人起きたよー。」
俺が思考を巡らせていると目の前にたっていた魔物はそう声を立てた。
途端、5,6体だろうか、部屋の中に流れ込んで来た。
「うそ…だろ…?」
絶望しかない。
仮に拘束がとけたとしても7人をまけるなんて自信は微塵もない。
「じゃあまず綺麗にするねー」
「うっ、触るな…っ」
俺を貼付にしたまま魔物達は俺の服を割いていった。
あっと言う間に半裸になってしまう、服は食べられないってか、とんだ美食家じゃないか、クソが。
そんな悪態を付いていると体にまとわりつくような感触が走った
「ぅぁ…何してんだ…」
「綺麗にしてるんだよぅ…?んん……」
一人が俺の体に抱きつき、胸にかを埋めて舐め始めた。
それに続くように他の奴等も脇腹に、腕に、耳に、首に、背中に、群がるように抱きついてれろれろと舌を這わせてくる。
くすぐったいとも似ているその初めての感触に、為すすべもなく体を許してしまった。
「く、くふっ…ふふ……やめろ…っ」
「はぁ…おいしいよぉ……」
耳の穴をほじるように舐めていた一人がそう囁く、体が唾液で塗りたくられる。
右に視線を逸らせば指に、美味しいキャンディを食べているかのようにチュパチュパと吸い付いている姿が見え、下を見やれば今度はヘソに舌を向かわせ、ちぅと吸い付いた姿が見え。
おかしい。
今俺は捕食されているはずだ。
何故だ、何故…
「…ぐぅ…はぁ…はぁ…」
「ん…舐め終わりー。」
そう言って舐めていた6人が離れた。
自分の息が荒いのがわかる。
笑いを堪えていたからだ、そうに違いない。
そうやって自画を保とうと思っていた途端、今度は見ていた風景が一気に女性の顔へと変わった。
「んんー…っ!」
「ん…ふぁ…ん…」
俺の頬を両手でぴったりと包んで逃げられないようにしてから、口内をさっき嫌と言うほど味わった感触が這い回ってくる。
「っ、ん、んん…ん………」
「ちゅ…んむ…はむ…ん…」
口の中を執拗に掃除される。
歯茎を舐められただけで電流が走るかのような感触が脳へ流れ込む。
舌をねっとりと絡められ、逃げようとずらしても奥に奥に、どんどん味を覚えさせてくる。
どれくらいたっただろうか、もう気が遠くなってきた。
「ちぅ……むちゅ…ぅ…」
唾液を流し込まれ、それを防ぐことが出来ずに飲み込む。
甘い、あまい、アマイ。
今まで味わった何よりも甘ったるい。
なのに、ずっと味わっていたい。
今度はお返しを求められたかのようにジュルジュルと俺の舌を吸ってきた
なすがまま吸われる、気持ちいい。
彼女の口の中が暖かい。
理性を保っているギリギリでなんとか踏みとどまっているとまた新たな快楽が体を襲った。
さっきまで体を舐め
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