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「あだーっ!!」
ジャッキーチェンも二度見するくらいの雄叫びをあげて飼っている鳥が椅子から落ちた。
「なんで!?四角い機械なんで!?」
どうやら結構パニックらしい。
まぁ何があっても日常茶飯事、多分一人でやって一人で納得して一人で落ち着くのだ。
ペットを見守るだけ、飼い主なんてそんなもんだと思う。
「お、おい!おいヤタロー!来いよ!何外見つめながらため息ついてんだよ!」
「今日は…空が暗いな。」
「黄昏んな!!」
あぁもううるせぇ、わかったよわかりましたよ行けばいいんでしょ?
ちなみに空の暗さなんて分かんないしキレーな青空だった。
「や、ヤタロー、お前からもらったこの機械なんだけどさ…」
「あっげてねぇよ!お前が勝手に面白そうっつってかっさらってったんだろ!?」
「あん?そんなんよくわかんねーな!」
ケラケラと笑う黒い鳥。
「とりあえずよ、なんかコイツがいきなりよ、爆発してよ」
「ばくは…えっ?」
彼女がビシッと敬礼かよと思う勢いでさした机は
メラメラと燃えていた。
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「バカ野郎!僕の家を燃やす気か!?」
「あーもううるせぇなぁ、反省してるっての…」
彼女はそんな僕の大声にもまったく動じず、口を尖らせながら炭と化した木片を拾い上げていた。
拾えと言ったわけじゃない、自主的にやり始めたあたりそれなりに罪悪感はあるのだろう。
コイツといるとトラブルが絶えなくてこまってしまう。
僕の命も落ちたら拾えるだろうか。
「…なぁ、ヤタロ?怒ってるか?」
「…まぁそれなりにな。」
腕組をして仁王立ちして阿吽像も泣いて飛び出す様な威圧感を出しつつ睨んでみる。
実際はそんな怒ってないしこんなのもうザッと百回はやられてるしかなり長い付き合いなので慣れてしまっていた。
「……そうだよなぁ。」
「…壊れる前触れとか無かったのかよ。」
「…最近ンギェギェギェギェギェって鳴ってた。」
「なんでその時点で報告しない!?」
それもう異音じゃねぇか、そんなん鳴り始めたら使うの諦めろよ。
呆れてため息をついていたら、拾うために四つん這いになった体勢のまま僕のズボンの裾を掴んできた。
「……やたろ。」
「…………」
涙目上目遣い。
+いつも強気のギャップ。
ふん、この程度。
「…怒ってねぇよ。」
耐えられるわけが無い。
「…ほんと?」
「…ちょっとだけ怒ってる。」
「…んん…」
彼女の頭を適当に撫でてやりつつ、僕も残骸の処理を始めた。
木っ端微塵に爆発していたので逆に木片は少なかった。
ベッキベキに消し飛んでいた。イオか、最近のパソコンはイオを唱えられるのか。
(※イオ ドラ○ン○○ストの爆発系呪文。警察くらいなら倒せる。)
「ヤタロウ、なぁ、これもうぜってぇ治んねぇよな?」
「まぁそうだろうな。」
「…どしたら許してくれるんだ?」
「…しばらくちゃんと御主人様と呼ぶか?」
「ウッ」
いや、最初にちょっと触れたけども、こいつは彼女でも幼なじみとかでもなく、ペットなのだ。
反魔物の所の奴に切られて足を怪我していたところを治療してやったら懐かれ、俺は生涯独り身と決めていたから彼女は却下。
その結果どうにか一緒に住めないかと無い頭を働かせた彼女は
「ペットなら!ペットなら一緒にすんでも問題ねぇだろ!?」
とか言い出したのだった。完。
いや終わらないけど、とりあえず関係はこんなんである。そして理解も困難である。
僕の中のどうしてこうなったベストテンにかるーくランクインする。
「……あ、あんま御主人様呼びはしたくねーんだよ…」
「恥ずかしいのか?」
「いや…そうじゃなくてさ……」
「なんだよ、いつもみたいにはっきり言えよ。」
「…夫婦気分になれなくなるだろーが。」
「あん?」
「なんでもねぇ!ほら!ちりとり持って来い!バカ!」
「はぁ!?お前が持って来いよ!」
たまーにわけがわからない。
言いつつちりとりを持ってきて二人で集めた木片と粉塵を集める。粉塵て、どんだけ粉々なんだよ。
「ふぃー、片付け終わったな!」
「…なんで清々しそうなんだか。」
すっと立って額の汗を拭う彼女。
「ヤタロウ!ジュース!」
「嫌だよ、自分で持って来い。」
「ヤタロウから出るジュースでもいいぜ?」
「…」
「スルーは酷いぞヤタロウ!?」
ガン無視してちりとりにあつめたゴミを捨てる。
あーあ、結構高かったんだけどなあ。
「…ヤタロウ。」
「うぉっ」
残骸を見てふけっていたら後ろに彼女が立ってた。
「…ヤタロウ、その。」
「…お、おどかすなよ…居るなら言え…」
「…ごめんなさい。」
「……」
ごめんなさい。
これを言うまで結
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