ハロウィンでも、通常の一日



 朝早く、まだ日の明けていない薄暗い部屋の中。
 ベッドの中ですやすやと眠る男の掛け布団が、もぞりもぞりと動く。動いている部分は男の下半身。動いている規模は、子供が中に居るかのような大きさ。

「うむぅ。暗いと脱がし難いのじゃ……」 

 そこから小さな子供の声色に聞こえる呟きが漏れると、男の股間部分の布団が内側から照らされる。
 その中には男の体とは違う、小さな人間の影があった。頭には角が映えているのが、シルエットからうかがい知る事が出来る。
 そしてその影は布団の中で、くふふと笑いながら肩を揺らす。

「さーて、明るくなった事じゃし、一気にお兄様のパジャマを」
「俺のパジャマを如何するのかな?」
「そりゃぁ勿論、朝の一番絞りおちんぽみるくを……」
「ほほぅ。それは面白い事をしようとなさるな、バフォ様」

 そこで漸く自分以外の言葉があると気が付いたのか、バフォ様――つまりはバフォメットらしいその影は、もぞもぞと布団の中を移動して、男の胸側の掛け布団から顔を出した。
 ひょこっと擬音が付きそうな動作で出した顔は、ロリロリしく艶々でプニプニなほっぺを持ち、くりくりとした愛らしいどんぐり眼、勝気そうながらも細い眉、鼻筋が通った面。髪は解いてストレートだが、頭には確りと二本の角。耳はロバのような筒状の獣耳。
 何処からどう見ても、立派な可愛いバフォメットがそこにいた。

「あ、あれぇ?お兄様、起きたのかの??」
「阿呆か!部屋が明るくなるほど、明かりの魔法を至近距離で使われてたら、誰だって起きるわい!!」
「ひゃわわ!こ、これは予想外だったのじゃ!」

 驚いたついでに逃げ出そうとするバフォメットを、男は両手足を回してがっしりと掴んで逃がさないようにする。

「なぁバフォ様よ。俺は眠りを妨げられるのが大っ嫌いだって、知ってるよね?」
「あ、あのじゃな、お兄様。そんなバフォ様なんて他人行儀な言い方じゃなくてじゃな」
「じゃあ、フィルニーキ。どういう心算か説明してくれるよねぇ?」
「あ、あのじゃな。わしを愛称で耳元で囁きつつ、尋ねてくれたら、答えてやっても良いんじゃよ」
「ほほぅ。耳元で囁きつつとな?」

 すると男は掛け布団を跳ね上げると、腕でフィルニーキという名のバフォメットを回転させ、後ろ向きに抱きかかえ直す。
 なぜか全裸だったフィルニーキは、逃げ出すことも出来ずにそのまま男の腕の中に収められつつ、筒状の獣耳を口ではむはむされ、手で薄いながらもぷにっとした乳房を弄り回され始める。

「ねぇ、フィニ。起床予定はあと二時間後みたいだが、どうして俺を起こしたのかなぁ?」
「あッ、そんな、んぅ!耳と、乳びぃ、乳首を、そんなに、丁寧に苛めちゃ、だ、駄目なのじゃ……」
「早く答えないと、胸だけでイっちゃうよ。それとも胸だけでイきたいのかな?」
「言う、言う。じゃからぁ、胸だけじゃなくてぇ――」
「なら、ほら早く。あんまり遅いと、乳腺マッサージしちゃうよ?」

 男の手が優しく揉むものから、胸の奥を指で刺激するような強く揉み込むものへと変わる。

「ひぁぃ!きょ、今日は、ハロウィンじゃから、お兄様に悪戯しながら、お兄様の美味しいミルクを貰おうと、おひぃ!したのじゃ」
「二時間待てなかったの?そうしたら何時もみたいに、優しーい愛の言葉囁きながら、た〜っぷりとココに濃厚なのご馳走したのに」
「ひゅぃ!?だ、駄目なのじゃ。そんな、お腹の下のほうを、ぐりぐりと撫でたら、んひゅ!イって、しまうのじゃぁ〜」

 胸から離した手を滑らして、フィルニーキの下腹を凹むぐらいの力で指で押して、恥骨ごとぐりぐりと撫でていく。
 ぐり、ぐり、っと恥骨を指圧する度に、フィルニーキの足が電気でも走ったかの様にびくりびくりと反応する。

「ほひほひぃ!だ、だめなのじゃ。だめぇなのじゃ。い、い、イッくぅううぅ!!!」

 小さい背を一杯に反らし、股間からドロドロと透明な液体を垂らしつつ、フィルニーキは派手に絶頂する。

「堪え性が無いんだからフィニは。仕方ないから、もっとぐりぐりしちゃおうっと」
「イってる最中に、そんなことしたら、またイくのじゃぁ、ぁああぁぁんッぅうぅ!!!」

 しかしその絶頂を終わらせないようにするためか、男はフィルニーキの乳首を軽く抓りつつ、耳をしゃぶりながら、恥骨マッサージを続ける。

「はひぃ、はひぃ!!」

 絶頂して下がるはずの波が、男の手によって追加される快楽によって一向に下がらず、フィルニーキは背を反らしながら、びくびくと痙攣するように絶頂し続ける。
 やがて絶頂し続けて、フィルニーキの瞳に意思の光が消え掛かりそうになったところで、男は最後の仕上げとばかりに、固くなっていたクリトリスを掴んで軽く捻った。

「あいぃいぃいぃ、イッぐう
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