俺はジパングに住むしがないかんざし作りの職人だ。
俺の作品はちょっと手は込んでいるが、お武家の奥方に愛されるような豪奢なモノではないし、豪商が望む小人(ドワーフ)達の作るような精巧なものじゃなく、町の小娘でも少ない小遣いで遣り繰りさえすれば手の出せるような安いもの。
それについて俺に不満は無い。茶屋で団子を食っているときや町をふらついているときに、町娘の髪にこっそりと差し込まれた俺の品が刺さっていれば、それで俺は幸せなのだ。
お蔭様で取引先の店の方には俺の作を持ってってくれる女性がたびたび来るそうで、ありがたい。だからといって生活は裕福とは言いがたいし、贅沢なんて茶屋の団子が精々だ。
そんな生活に不満を漏らすことなく、ついてきてくれる俺の女房には普段から頭が上がらない。
俺の女房は俺にもったいない位の器量よしで、美人で可愛らしいジョロウグモと呼ばれる妖怪(魔物娘)だ。
女房は俺に裕福になってもらいたいらしく、時折俺に自分が反物作りをすればもっといい生活が出来るなんて言ってくれたりもするが、俺はそれを頑として聞いてやらない。
飯が食えるぐらいには稼げているのに、さらに女房に働かせてまで贅沢なものなんぞ食いたくも無い。それに女房には内緒にしているが、何より他の男に俺の女房の糸で作られた服を着られるなんて我慢ならん。
まあそんなこんなで俺は幸せに暮らしているわけなのだが、その件の女房には困った癖があるのだ。
それは俺が品を店に納めるときに、必ず店までくっ付いてくること。
仲のよろしいことでと笑ってくれる店の旦那方には常々申し訳なく思うのだが、その旦那方にこれはうちの女房が女性――それこそ他の洒落の分かる妖怪が集まる店に俺を一人で向かわせて、誰かに横取りされはしないかと変な気を回しているからだとは言えるわけがない。
そして店で俺が店の常連客や女中と楽しく話しなんぞすれば、その時は顔は笑っているが夜が来るとその時のことを蒸し返し、朝まで俺と繋がることになるのだ。
最初は面食らっていたが、夫婦になって三年もたてば妻の堪忍袋の緒の強さは把握できるようになり、女性と話をしても蛇女(ラミア種)のように嫉妬に狂わせるようにはならなくなった。
……と思っていたのだがなあ。
「本当にお前さんは、しょうの無い人だこと」
いま俺は帳の下りた俺の家――職人長屋の一室で女房に糸でぐるぐる巻きにされていた。
「まて俺には心当たりが無いぞ。今日は店に品を納めて、談笑なんぞせずに家に帰ってきたじゃないか」
「あらそうだったかしら?でも、店の娘に股間を撫でられて嬉しそうだったじゃない」
いやそれは店の番頭(男)と次の仕事について伺っているとき、緊張した面持ちの新入りの女中が持ってきた茶を俺の股間にぶちまけて、それを拭いてくれただけだ。それに嬉しそうなんて言ってくれているが、彼女が涙目になって何度も謝るものだから、気の毒になって半笑いして許してやっただけのことで下心はまったく無い。
「いやだからそれは、ムグゥ……」
「私というのがありながら、他の女に色目使うなんて……私は怒っているんですよ?」
誤解を解こうと口を開いた瞬間に口に糸で猿轡をされ、そのまま俺は女房に押し倒された。
そして女房は擦り寄るように俺に身体を預け、蜘蛛の足で器用に俺の股間の布を肌蹴ていく。
「やっぱり他の娘に眼が行かない様に、定期的にちゃんと躾けないといけないのかしら?」
「ふうぅ!」
そう言葉を残して俺の一物に舌を伸ばしゆっくりと舐め上げていく。たまらず鼻から空気が抜け、体が快楽に反応して反ってしまう。
俺のその反応に気を良くしたのか、竿の部分に唇で吸い付いた後に、亀頭の傘の部分を丁寧に舌で舐め取りっていく。やがてそんな妻の様子に反応して出てきた先走り汁を、ぬらぬらと光る舌の先で味わうように鈴口をこねくり回すように愛撫をし、やがて汁の量が多くなってきたのを感じたのか、俺の珍宝を彼女は全て口の中に納めると尺八を始めた。
「ん、ふぅ……じゅるじゅる……」
「ふー、ふー!!」
唾液でヌルヌルと滑る口内で舌を亀頭部分に絡ませて攻めつつ、竿を彼女の艶やかな唇を窄ませて根元から傘が引っかかるまでしごき上げ、尿道から出て来る先走りを吸い抜こうとする。そしてそれが上下する度、腰を引き抜かれるような快楽が俺の腰を震わせた後、背骨を通って脳髄に到達し、理性や道徳をがりがりと鑢がけをしていく。
何時もより激しいその攻めに長々と耐えられるはずもなく、俺はたまらず口の中に精を放ってしまう。
「うぅうう!!」
「じゅるるぅん……うんぁ……こっひのお前さんは、わらひにぞっひょんだと言うれに、お前さんのおめめは何で他の娘に向かってしまうらの」
精を吐き出しぐったりとする俺を妻は抱き
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