とある魔界に近い森の一角に、一組のユニコーンの夫婦が住んでいた。
ヒーツイノーク・ベルベクスという、何処にでもいそうな風貌の男。
こいつが十数年守ってきた童貞をユニコーンに捧げた男であり、ユニコーンと結婚して夫となり、そして今はユニコーンの求めるままに精を与え続けるオスである。
そのヒーツイノークの陰茎を、日常的に咥え込んで寄り添うのが彼の妻であり、底なし淫獣ユニコーンと化したジャイナ・ベルベクスであった。
二人が結婚してからのこの半年、交わらない日は無い程――という表現が生温い位の性行為が、この二人の間に繰り広げられていた。
まずヒーツイノークが起きる前に、ジャイナは朝立ちした男根をくわえ込み、朝の一番絞り精液を飲み、そのまま朝食まで三回本番行為を行う。
朝からふらふらになって起きてきたヒーツイノークに、ジャイナは精のつく食材で作った朝食を回復の魔力を込めて口移しでヒーツイノークへと与えるのだが、その間にも常にジャイナの片手はヒーツイノークの陰茎に巻きつき、食事が終わるまで強制的に二回は精液を吐き出させる。
朝食が終われば昼食までの数時間は交わりの時間。ヒーツイノークが主体で三回。ジャイナ主体で五回。
ここまでやれば出が悪くなるものなのだが、悪くなればなったでジャイナはヒーツイノークの睾丸を揉み込み、回復魔法を流して精を増産させた。
そんな様子が昼と夕と続くのだが、ジャイナにとってここまでがコース料理で言うところの前菜の様なもの。
夕食が終わってからは、ジャイナはヒーツイノークの陰茎の感触に嬌声に嬌声を重ね、ヒーツイノークは精液の上に精液を降りかけて、ジャイナのシミの無い白い裸体を更に白く染め上げる。
それはジャイナの回復魔法が追い付かず、ヒーツイノークが出し過ぎで気絶するまでその行為は続けられる。
これで一日が終わりとなるわけなのだが、その次の日も次の日も同じような行為が当たり前のように繰り返される続ける。
そんな普通の人間相手では逃げ出してしまうような拷問に近しい行為ではあるのだが、ジャイナはこの行為に幸せを感じているし、ヒーツイノークも最初はきつかったものの、惚れた弱みで邪険に扱う事も出来ず、仕舞いには段々と慣れてきて、今ではジャイナの愛情表現と受け取っているぐらいだった。
しかしながらこれだけやるだけやれば、当然起こりえる出来事がある。
それは男の魔物化――つまりはインキュバス化だ。
つい先日、とうとうといった感じでインキュバス化したヒーツイノークは、インキュバス化した際に起こった身体の変化を診断してもらうために、知り合いのインキュバス化を研究している魔女に診てもらった。
三日ほど魔女に入念に検査とサンプル採取をされた後、ヒーツイノークは妻が待ちわびているであろう愛しい我が家へ向かって歩いていた。
その脳裏に件の魔女に告げられた、彼の体の変化の理由を反芻しながら。
「ただいま〜」
程なくして家へ辿り着いたヒーツイノークが、その木造の家の扉を開けて中を見ると、何処にもヒーツイノークの愛する妻の姿は見当たらなかった。
何時もはヒーツイノークが帰ってくる度に、玄関で待ち構えて飛び掛り性行為を強請ってくる彼女がいないというのは、ヒーツイノークの脳内に嫌な想像をもたらす。
「も、もしかして……」
夫婦の寝室へと足を向けると、段々とヒーツイノークの耳に、粘ついた水音と声を押し殺して呻くジャイナの嬌声が聞こえてきた。
嫌な予想が当たったと、ヒーツイノークが音を立てないように気を使って扉を開けてみれば、そこには彼の予想通りにジャイナがヒーツイノークの寝巻きを着て、使用済みの彼の下着に顔を埋めながら、馬の四肢で立ったまま人間の方の秘所を一心不乱に弄り回してるジャイナの姿があった。
「ふっくぅーー!!」
人間の身体を震わせ、馬の蹄をカパカパ鳴らしながら絶頂するジャイナの痴態に、このまま見なかった事にしようかという思いが脳裏をよぎるヒーツイノーク。
しかしこれもジャイナの愛情の裏返しと自分に言い聞かせたヒーツイノークは、開けたままの扉を二・三度ノックしてジャイナにヒーツイノークの存在を知らせた。
その音に性的快楽に濁ったジャイナの目がヒーツイノークを捕らえるが、幻覚を見ていると彼女は思ったのかボーっとヒーツイノークを見ていた。
「ただいま、ジャイナ。僕が帰ってくるまで待てなかったの?」
そんな愛しい妻の様子に苦笑しながら、幻覚じゃないよと言いたげにヒーツイノークがジャイナに告げると、ジャイナの瞳に光が戻る。
もっともそれは、獲物を見つけたサキュバスのような、色と欲に塗れた歪んだ光りである。
「お帰りなさいヒーツ!三日もわたくしを待たせるなんて罪作りな人です。あの魔女に何か悪戯されなか
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