Red Love

ここはとある村の近くにある森、村の子供たちはここで毎日のように遊んでいた。高い木に登るもの、ただ走り回っているもの、平和な時が流れていた。

ある日のこと、子供たちの間である噂が広がっていた。それは森の奥にある廃墟の噂だった。

「知ってる?森の奥にある廃墟の話」
「なにそれ?」
「あ、僕知ってる!たしか赤い屋根の大きなお屋敷の話だよね」
「知ってるの?アレク」

アレクと呼ばれた少年は得意げに語る。

「僕のお父さんから聞いたんだ、そのお屋敷は昔からあって、貴族の人が住んでたんだって。でも今はその貴族の人もいなくなって、かわりに女の子の笑い声が聞こえるようになったって。」
「うぅ……やめてよ、怖いの苦手なんだよう。」
「大丈夫だって!どうせ作り話だよ、僕たちを怖がらせようとしてるんだ。」

子供たちは大人から森の奥にはいかないようにと、きつく言い聞かされていた。しかし、アレク含め数人の少年はそんな話などまったく信じていないようだった。

「そうだ!そのお屋敷に肝試しに行くのはどうかな?」
「ええ!?やめようよ!」
「大丈夫だって、明るいうちに行けば怖くないでしょ?」

少年たちはアレクの提案に目を輝かせてすっかり乗り気になっていた。話は進み、今日のお昼頃にその屋敷を目指すということになった。こうして、彼らは森の奥に足を踏み入れることになったのだ。




木々の隙間から覗く、赤い目に気がつくこともなく……




森の奥への道は想像以上に厳しく、すでに一時間程経とうとしていた。このままでは屋敷につくまでに日が暮れることは明らかだった。

「つ、疲れた〜」
「もう無理……」

アレク以外の少年は皆、疲れきっていた。アレクは疲れた様子も見せずすいすいと進んでいく。

「みんなだらしないなあ!そんなんじゃ夜になっちゃうよ!」
「無理だよぉ、こんな険しいなんて……」
「むぅ、じゃあいいもん。僕一人で行ってくる!みんなは先に帰っててもいいよ!」

そういってアレクは一人森の奥へ進んでいった。

「あいつやっぱすげえなあ、俺無理だよ。」
「体力は一番だからね、アレクは。」

そんな話をしながら休んでいると、突然茂みがガサガサと大きく揺れ始めた。少年たちは驚き身を竦めて、茂みを見つめている。一際大きく茂みが揺れたと思うと、ものすごい速さで何かが飛び出してきた。

「うわあ!」
「ひいいぃぃぃ!」

少年たちは急いで山を下りる、下りていった少年たちを見て飛び出してきたそれはニヤリと笑った。




「これで邪魔者はいなくなった、っと……」




あたりがすっかり夕焼けに染まった頃、アレクは目的の場所にたどり着いていた。夕焼けに照らされた赤い屋根はまるで血の色のように輝き、そこが廃墟であることを感じさせないほどに美しかった。

「おっきいなあ……」

三階建てで横に広く、自分が住んでいる家とはまるで違うその屋敷に感心していると、突然背後から声をかけられた。

「なあ、そこで何してんだ?」
「えっ?」

アレクが振り向くと、そこには真っ赤な頭巾に赤で彩られた服を着た少女がいた。少女はアレクににこやかに微笑む。

「ここはあたしの家だぜ、でっかいだろ?」
「う、うん。すごいね、こんな大きなお家は見たことないよ……」
「だろ?まあ、あたし一人で住むにはちょっと広すぎるけどな。」

その屋敷に一人住んでいるという彼女は、プラネというらしい。数年前からここに住んでいるらしいが、どうにも引っかかる部分があった。

「ここに一人で住んでいるって、お母さんもお父さんもいないの?」
「ん?ああ、いないよ。ずっとあたし一人で住んでるんだ。」
「そうなんだ……そういえば君って今いくつなの?」
「あー……もう15は超えてるんだ、小さいけどな。」
「えっ?僕より年上なの?」

どうみても10歳を超えてないように見える背丈に反して、年上であることにアレクは驚いた。

「そう、だからこれでも立派な大人なんだぜ?」

ニカッと笑うプラネにアレクは少しドキドキしてしまう。

「お?どうした、顔が赤いぞ?」
「な、なんでもない……」
「ん〜?照れてんのかぁ?」

ニヤニヤしながら近づいてくるプラネに、アレクは余計にドキドキしてしまう。顔は熱くなり、つい目をそらしてしまう。

「ははは、顔真っ赤だぜ。もしかして……あたしに惚れたか?」

その一言でビクッと体が跳ねてしまう。

「ち、違うよ……」
「わっかりやすいなあお前、……そういえばお前の名前まだ聞いてなかったな。」
「ぼ、僕はアレク。アレク・ガーランド」
「アレクか、いい名前だな。」

名前を褒められ、つい笑みがこぼれそうになるが平静を装った。

「なあアレク、もう遅いし、今夜はあたしの家に泊まっていかないか?」

そう言
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