周囲に囲まれて、孤独を感じるのだ。
なんて事を誰かが言ってた様な気がしたが、俺は今、正しくその通りだと感じてる。
「ほら、純。口を開けてくれ」
「いや純、こっちの方がうまいぞ。食べてくれ。」
「……。いや、一人で食べれます…。」
「遠慮なんかするな、水臭い。」
「そうだぞ。せっかくこうして結ばれたんだ。おまけもついているが。
恋人がする事は、我々もするべきだろう。」
「誰がおまけだ!」
「お前に決まっているだろう?私は正妻。おまえはおまけだ。」
「何だと!?昨日アタシが嫁で、お前も正妻と決まっただろうが!
また蒸し返す気か貴様は!?」
「正妻は一人、この私だ!」
「アタシの決め台詞!!」
主にこいつらのおかげだ、チクショウ。
居辛そうに、もそもそと弁当を食ってるのは俺のダチ、松葉純。
そして、その両隣で騒ぎまくってるのが、純の彼女。
ドラゴンの上野マコと、同じくレモン・トスネオだ。
そう、所謂ハーレム状態なわけだ。両手に美人の魔物娘を侍らせてやがるってのに、もっと嬉しそうな顔しやがれ。
「今日もにぎやかでいいね。」
「こいつらがにぎやかでも、俺の心の中は荒みまくってるよ。
ちっ、なんで毎日こんなのを拝まなきゃなんねぇんだよ。」
「まぁまぁ、仲が良いことは良いものだよ。」
「はいはい、誰かさんとそのお姉さんみたいにな。ったくこの裏切り者が。」
「えへへ、」
「褒めてねぇよ」
この照れくさそうに笑ってるのは、天城晴人。
長年一緒に過ごした義姉と、恋人関係になり、充実した毎日を送ってる。
この前は誕生日プレゼントに、自分と義姉の人形を渡したい。とかなんとか言われて、
渋々手伝う事になった。まぁ、お陰でますます愛が深まったみたいだが。
しかも、こいつの義姉も魔物娘。しかもドラゴンだ。
偶然なんだかわらねぇけど、どうしてこう、美人系の彼女ばっかりなんだ、おい。
「はぁ、俺も彼女が欲しいよ、全く。」
「俺が思うに、士郎は理想が高すぎるんだよ。」
「理想が高くて何が悪い?むしろ、こういう娘が好きだ。って、ハッキリしてる分
まだいい方だと思ってるんだけどな。」
「まぁ、そうだけど。でも、完璧な理想なんてそうそういないよ?
ちょっとは妥協しないと。」
「けっ、良いよなぁお前らは、自分の彼女が理想でよぉ。どうせ俺なんか。」
「うっ、ぼ、僕は姉さんが理想だった訳で、姉さん以外あり得ないというか、なんていうか。」
「俺も似たようなもんかな。好きになってくれた娘が、たまたまそうだっただけで。」
「運命ってヤツかよ。ますます嫌になるぜ。あぁ、良いですねぇ。運命の赤い糸ってのは
俺のはどこに繋がってるのかねぇ。」
自分でも、大分卑屈になってるとは思うが、こればっかりはしょうがねぇよ。
なんて、自分で自分を慰めてもなんもならねぇが。
理想の女の子か。
「はぁ、誰か「「淑やかで、高貴で、優しいだけじゃなくて偶に叱ってくれる女の子を紹介してくんねぇかなぁ」」……。なぁ、そんなに言ってたか?」
「言ってるよ。」
「すぐ言える位に。」
「………。」
随分言ってたみたいですねぇ。恥ずかしいし、悔しいですねぇ…。
バーニング・ヘル・フレア! ダークネス・ギガ・フレイム!
純!そろそろ止めないとまずいんじゃねぇか!?
――――
「よっしゃ、ホームルームも終わったし、デュエルでもどうだ?」
「あー…、悪い。今日は駄目だ。」
「へぇ、デートかよ」
「何でわかるんだ…、てかデートか?昼終わってからも、二人共まだケンカしててさ、これから仲直りの印にまぁ、どこかぷらぷらっとね。」
「それを人はデートと呼ぶんだ。」
「そうなの?」
「ったく、お前はそういうとこ抜けてるよな。女の子と出かける時はデートだ。
いいか?男が女の子をリードする。当たり前の様で、難しい事をやれるのが、大人の男よ。そういう細かいところで、愛情や思いやりってのが現れるって事なんだよ。」
「お、おう。ってか意外だな。士郎がそういうアドバイスしてくるなんて、」
「今までしてなかっただけだ。」
「サンキューな。口は悪いけど。」
「一言余計だ。」
人の好意は素直に受け取りやがれ。
「じゃあな。上手くやれよ」
「おう、またな。」
純はデートだし、晴人と一緒にゲーセンでもいくかな。
「なぁ晴人、今日ヒマか?ヒマなら、どっか行こうぜ。」
「ご、ごめん。今日は姉さんが早く帰ってくるから、あの、えと。」
「…解ったよ。男より好きな人を優先させるのは、悪いことじゃねぇよ。
早く行ってやれよ。な。」
「うん、ごめんね士郎。また今度誘ってよ。次は絶対遊ぼうね!」
「おう。」
ま、仕方ねぇよな。逆に恋人より、男友達を優先しやがったら説教だったけどな。
さぁ、今日は一人寂しく帰ります
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