「来るなっ!」
オリヴィエは手を横に伸ばし、駆け寄ろうとする俺を制する。
「何言ってるんだ!俺はオーナーだろ?!」
「だからだ・・・・だから、来るな」
「い、意味が分から」
ごすっ
「くあっ・・・・」
俺と話している間にも、オリヴィエに対して攻撃が飛ぶ
当たり所が悪かったらしく、オリヴィエは膝から崩れてしまった。
「オリヴィエ!!」
「く・・・・来る、な」
本当に来てほしくないなら、もっと嫌そうな顔してくれよ
なんでそんな・・・・泣きそうなんだよ
「気丈だねぇ、オリヴィエ。そして強い。僕のメイドにしたかったよ」
「貴様のメイドなど・・・・」
見下ろす瑞季を、オリヴィエが鋭い眼光で睨み付ける
と、
どすっ
「ぁっ・・・・・」
どすっ、ごっ、ぼこっ、ずんっ、ぼすんっ、どごっ
黒羽は夢中になって横たわっているオリヴィエを蹴り始めた
「やめろぉぉぉぉぉ!!」
俺はイメージで具現化したバズーカを黒羽に向けて放つ
ドンッ!
強い反動と共に放たれた攻撃は
ッズドン!!
確かに命中した
ヒッティングポイントから血が滴ってる。
だが、それでも黒羽は執拗に蹴撃を繰り返す。
「瑞季、私だけ見て。壊れてく”お気に入り”を見て。瑞季、私だけを・・・・」
狂ってる、止めなきゃ!どうにかしないと!!
そう思った途端、体が勝手に動いていた
「おおおおおおおおおおおっ!!」
ずんっ!
黒羽に渾身のタックルをかます。
体が大きい故に威力は絶大。黒羽を後方に吹き飛ばした。
「オリヴィエ!俺、足手纏いかもしんないけど、目の前にいる女を放っておけるほど、俺は、根性無しになりたくないんだよっ!!」
「巳継・・・」
俺はイメージを伝える
そして・・・・・・掴む!
攻撃こそ最大の防御なら、その逆もまた然り。
ランス。鉄壁の盾にして貫きの原点。
「オリヴィエ、立てる?」
「ん、心配されるまでもない。か、勘違いするなよ?!心配されても嬉しくなど」
「なら、行こう!オリヴィエ」
「・・・・・ああ。私はいつも、お前と共に!」
俺たちは矛盾を構え、相手の攻撃を迎え撃った!
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くそっ、くそっ、くそっ!!
どうしてすぐ気付かなかった!なんで油断した!!
今日攻めてこない保証なんて、どこにもなかったじゃないか!!
「大樹様、あまりご自分を責めないで下さい。今は一刻も早くお二人を探しましょう」
「そうだ・・・そうだね!」
気持ちを切り替えろ、俺
今は木原とオリヴィエを探すのが先決だ。
それ以外、余計なことは考えるな
出来るだけ「無」でいるんだ。
「とは、いっても」
この町を隈無く探すには相当の時間がかかる
何か手がかりはないだろうか・・・・
留守番電話、木原の声、それ以外の、音・・・・
「チャルメラ・・・」
そうだ、確か留守番電話のバックでチャルメラの音がしていた気がする。
今時チャルメラと言えば、あのくそ不味いラーメン屋台以外無い
しかも特定の場所しか動かないから、それを手がかりにすれば・・・・
「青葉、チャルメラの”音”って、どこからか聞こえる?」
もしかしたら、それはテレビCMの音でしかないのかもしれない
それでも、俺たちはこれにかけるしかなかった。
「少々お待ちください」
そう言って青葉は目を閉じる
「・・・はい、南東の方角から確かに。」
「よし、そこに行こう!」
「何か手がかりでも?」
「留守電のバックで、鳴っていたような気がするんだ」
「わかりました」
タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタ
走る、走る、走る、走る
南東を目指してひたすら走る
チャ〜〜ラ〜〜〜〜
近い!
自然に走るスピードが速まる。
もうすぐ、もうすぐ・・・・・・・・・見えた!
スピーカー付きの屋台を引いているおっさんが、ゆっくりと歩いている。
「青葉、ここら辺を探そう!」
「はい!」
本来なら手分けして探した方が効率的だが、なんせ通信手段がない
故に一緒に行動せざるを得ないかった。
俺たちは疲れた体に鞭打って、町中を全力疾走で駆けめぐる!
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こ、これが・・・・第二世代教育<光>(イルズ・マトネス)
手も、足も、出ない
「な〜んだ、まだ一回しか本気出してないのに」
「う・・・ごけ・・な・・・」
何が起こったのか、全く解らなかった
ただ、瑞季と黒羽が一瞬点滅したように見えただけ。
直後に全身を殴られたような痛みが襲い、その場に倒れ込んでしまった。
体が、動かない
「あははっ、精子〜精子〜♪」
黒羽が隈語
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