取説、取説っと、これこれ
えっと
『 名称:ドラゴン 』
・・・・・・・。
『 名前:青葉(ときわ) 』
・・・・・・・・・・・。
『気性:強気、高慢(条件により素直、好色)』
『気に入った人間の男性を見つけると、魔物としての衝動に逆らうことができず、男性を自らの住処へと連れ去り、その衝動のままに交わってしまうのである。』
・・・。
うん、ドラゴン?どう見ても人間だろ。
それよりこの取説
やたら性交についての記述があるけど、まさかR指定?
俺まだ17歳と11ヶ月のバリバリでギリギリの未成年ですけども
「ん・・・」
もぞもぞと再び動き始める箱の中の”人?のような何か”
うそ!!
今度は起きるのか?!起きてしまうのか!
ピッピー、ピロリ♪ ←卵からかえる音
目の前の何かが目覚めました。
「ん?・・・ここは・・・?」
”それ”は場所を把握するためかダンボールからゆっくりと出てくる。
てか箱から出る格好、なんかスカートの中見えそう!
「・・・・・。」
うおっ!目が合った
「・・・すみませんが、お名前をお伺いしてもよろしいですか?」
ジイジ、確かに超美人だよ、
スタイル抜群のスーパーモデルだよ。
「はぁ、根本大樹です」
「あなた様が・・・」
嬉しそうに顔を綻ばせ、温かい笑みを俺に向けてくる
「初めまして。私はドラゴンの青葉と申します。これから何卒よろしくお願いいたします、大樹様」
深々とした礼。
「ああ、ど、どうも」
つられて礼。
・・・・って
何やってんだぁ!!
「あ、あの、青葉・・・さん」
「・・・・・・・・えっ?」
「えっ?」
「あ、私のことですね?『さん』なんて付けるのはやめてください。青葉、と呼んで頂いて結構です。」
「は、はあ」
ちょっとびびった;
初っぱなから、偽名かと思った。
「なら・・・と、青葉」
「はい」
ぐあっ
笑顔が眩しいぃ
「色々聞きたいことがあるんだけど、とりあえず・・・その服装は何?」
「はい、メイド服です」
そういって彼女はその場で優雅に一回転
「・・・・」
「・・・・」
「うん、そうだと思うんだ。でも何でそれを着てるの?」
「はい、メイドラゴンだからです」
「め、めいどらごん?」
「はい、メイド+ドラゴン=メイドラゴンです」
「・・・・そ、そうなんだ」
訳の分からん造語を使うが、受け答えがとってもはっきりしているところに好感が持てる。
・・・そういえば、改めて見てみると、メイド服って・・・こんなにエロかったっけ?色合いは白と黒のごく普通のものだけど、スカートの丈はやたら短いし、胸の辺りなんてボタンが弾けそうなくらいパツンパツンじゃん。
っとと、脱線しかけた
「それと取説みたいなのが一緒に入ってたんだけど、読んでもイマイチ理解できなかったんだ」
「わかりました。説明させて頂きます」
説明が必要な取り扱い説明書。
ああ!もう舌噛むわ!
てか、これいらんだろ!マジで!
「それは『魔物娘図鑑』です。魔物の特徴が主に記されている書物です。」
「魔物ねぇ・・・」
再び出現、非日常用語
「はい、そして私は魔物達の棲む魔界にあります『DRコーポレーション』にて専門の高等教育を受け、メイドラゴンとして人間界に来ることになりました」
「魔界ねぇ・・・」
非日常用語パート2
「はい、その図鑑の中から私たちドラゴンの特徴を抜粋したものがそれとなりますが、実際のところ特別な教育を受けている私には当てはまりません」
「・・・・」
なるほど、全く分からんw
こういう時って、物語の主人公的キャラとかだったら
「そんな馬鹿な!」
とかそれらしい事言って、一度現実逃避を試みてから納得するものだろうけど
、不思議と・・・そういった感じはしない。
いや、ホントホント。だって人間なんだもん。完全に。
うん・・・で。俺が今一番言いたことは
「だから、これ、いらんだろぉぉぉがぁぁぁぁっ!」
破る!破る!破る!
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
シュレッダーにかけるのも生温いわ!
あのジジイぃ〜、俺がこういう反応をすると思って、どこかでほくそ笑んでいるに違いない。いつかきっと倒す!必ず!
興奮で荒げた息を整えながらも横目で彼女を見る。
「くすっ」
彼女はそんな俺を見て、口元に手を当てながら笑っていた。
おお、流石は高等教育だ仕草の一つ一つが上品
・・・・だあぁぁっ!感心している場合じゃなぁぁい!
若い男女が一つ屋根の下?
が、ガチで?
(エッチで)
うるせっ!黙れ煩悩!
「大樹様?」
「え?」
「大丈夫ですか?難しい顔をされていましたが?」
「あ、ああ、うん。大丈夫大丈夫」
なわけがない。
とは間違っても言えず。
「それでは本日より、身の周りのお世話をさせて頂きま
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