-筑波山 駐車場-
夕方
ネコマタ「どういう奴らにゃんだろうニャ?」
スフィンクス「さぁ?確か神奈川だったかニャ?」
筑波山の駐車場で二匹のネコ耳娘が話している
スフィンクス「けっこう速そうな奴らだったニャ。気を抜くニャよ、由佳」
ネコマタ「わかってるニャ、筑波山最速の私たちが負けるわけないのニャ、クゥ」
ネコマタの由佳とスフィンクスのクゥ
二人は筑波山を地元とするチーム「ネコミミ連合」のメンバーだ
そして瞬たちの対戦相手である
由佳の愛車はMR2 G-Limited [SW20] だ
ミッドシップレイアウト特有の重量バランスを生かした由佳のコーナリングは
まるでネコのような俊敏性を見せる
主にダウンヒルを得意としていて筑波山の下りで右に出たものはいない
そのため今回のバトルでもダウンヒル代表として瞬と走ることとなっている
クゥの愛車はLANCER Evolution IX GSR [CT9A]
クゥは筑波山のコーナーをアクセルベタ踏みのままゼロカウンターで曲がるドリフトが得意だ
筑波山の上りでは負けなしで
今回のバトルでもヒルクライム担当として優と走る
由佳「クゥこそ、気を抜いてガードレールのお世話にニャるニャよ」
クゥ「私は気を抜いたりしニャいニャ、どんニャド素人が来ても手加減はしニャいニャ」
由佳「おとニャげニャいニャ〜」
クゥ「そういえば由佳のご主人はどこにいるのニャ?」
由佳「匠吾ニャら私の車でぐっすりニャ、さっき四〜五発ヤったからニャ〜、ニャははは」
クゥ「さっき見ニャいニャーと思ったらそんなことしてたかニャ、まったく、今夜は鶯とのバトルがあるってゆうのにニャ」
由佳「ごめんごめんニャ〜、クゥこそ太一はどこ行ったのニャ?」
クゥ「家で寝てるニャ、今夜はできニャいから昼間搾り取ってやったのニャ」
由佳「クゥこそ人のこと言えニャいニャ!」
クゥ「それとこれとは別ニャー!」
由佳「同じニャー!」
二人が他愛のない会話を続けているうちに夜は深けていった――
そして時刻は10時過ぎ
ギャラリーが噂を聞きつけ
続々と筑波山へと集まっていた
そして今
ダウンヒルのバトルが始まろうとしていた
瞬「まったく、身体がだりぃよ」
セツナ「まあまあ〜、気にするな〜あはははは」
瞬「主にお前のせいだよ」
匠吾「気を抜くなよ、由佳」
由佳「言われるまでもニャいニャ、絶対に負けニャいニャ!」
ダウンヒルエースの二人がスタート地点に車を並べてそれぞれのチームメンバーと話していた
渉「相手はミットシップだ、コーナーはかなり速いぞ」
瞬「だろうな、スピンしてくれりゃこっちのもんだけど」
渉「相手も伊達に筑波山最速じゃないだろうからムリだろ」
瞬「だよな、まぁ、やれるだけやるさ!」
セツナ「負けるなよ!瞬!」
瞬「ああ!」
渉「それじゃあカウントいきます!!
5
4
3
2
1
GO!!」
ギャアアアアアアアーー!!
スタートの合図とともに
二台の車がタイヤをホイールスピンさせながらスタートしていった
スタートとともに前へ出たのは
由佳のMR-2だった
由佳(絶対に負けニャいのニャ!このままちぎってやるのニャ!!)
ブレーキランプの灯火とともに
第一コーナーへと突っ込む二台
スピンの早いMR-2は素早く車の向き変え
リアを流しながら
コーナーを抜けていく
FDはその後に続いてコーナーを曲がる
瞬(やっべぇコーナリングしやがる…)
コーナーを立ち上がり
加速を始める二台
そしてすぐさま二番目のコーナーに差し掛かる
この先流れるようなS字が続く
MR-2はその連続S字をリアを左右に振りながら
素早く切りかえしていく
その後をFDが食いついて曲がっていく
由佳(ちゃんと着いてくるのニャ…伊達に遠征してるわけじゃニャいニャ…)
由佳は淡々と続くS字を扱い易いとはいえないMR-2で
ネコのように俊敏に
しなやかに曲がっていく
由佳(でも、突っ込みは私の方が速いのニャ!)
少しでもミスをすれば即スピンという
ギリギリのコントロールを続けるMR-2
そしてそれは瞬も同じだった
瞬(くっ…!速ぇ…!)
瞬はMR-2の暴力的な突っ込みに着いていくために
車の向きを早めに変え
アクセルの踏める時間をできるだけ長くとれるようにしていた
だがその走りはピーキーなシングルターボにとって
かなりの難易度であった
少しでもアクセル操作をミスれば
スピンするかお釣りをもらって谷底行きになってしまう
その中でも瞬は相手の動きをよく観察していた
瞬(突っ込みが
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