セルフィと渉のラブラブデートin群馬

ボォォォォ…ヴォンッ!

ボォォォ…

渉「今日はどこに行く?思いきって群馬辺りまで行くか?」
セルフィ「わふ!?いいねそれ!行く行く!」

セルフィは目を輝かせ、パァっと擬音が見えそうな様子ではしゃぐ。
2人は調整が終わったインプレッサを駆り出し、完全にノープランの行き当たりばったり旅行へと繰り出していた。

渉「OK。そんじゃあ東北自動車道に乗ってパパッと行くか!明日も仕事休みだしな!」
セルフィ「イェーイ!!♪」

妙なテンションで行き先が決まり、高速の入口へと向かった。




-東北自動車道-


渉「いやぁ、しっかし静かに感じるな。」
セルフィ「インプ?」

仔犬のようにこくっと首をかしげて返答を返すセルフィ。

渉「そうそう。」
セルフィ「そんなに静か?」首かしげ&口に指ちょん
渉「…アフターファイヤーなくすと静かに感じるからさ。」
セルフィ「ああ!そういうことか。言われてみれば確かに静かに感じるね!」
渉「だろ?全然静かとは言えない車だけどさ。街乗りでパンパンうるさいよりはやっぱりましだな。」
セルフィ「ミサイルスイッチ付けて正解だったね!」

セルフィの仕草に愛でたい衝動を辛うじて抑えながら渉は運転を続ける。
渉のインプレッサのセンターコンソールには数本のトグルスイッチが取り付けられている。
特定のスイッチを上げ下げすることによって、ミスファイヤリングシステムのON/OFFやローンチコントロールのカット、その他機能の変更をする事が出来るようにセルフィがあとから増設したのだ。

渉「ああ。わざわざガレージ持ってってセッティング出すのも面倒だしなぁ。」
セルフィ「作業するのはわたしだけどね…!」

セルフィはジト目で渉を睨み、小さくガルルル…と唸る。
それを見た渉はステアリングから左手を離し、セルフィの頭をポンポンと優しく叩くとわしゃわしゃと撫でる。

渉「わかってるって。いつもありがとう。」
セルフィ「わ、わふぅ〜////」
渉「今日は好きなとこ連れてってやるから、勘弁してな。」
セルフィ「仕方ないなぁ〜、わふふ…///」
渉「さぁて!ペース上げていきますか!」
セルフィ「おお〜っ!」

ヴォォオオオオオオオンッ!パパンッ!!

渉は声を上げると同時にミスファイアのスイッチをカチッとONにし、アクセルを踏み込む。
セルフィはそれに応え、楽しそうに両手を振り上げる。
インプレッサのボクサー音とアフターファイヤーは2人の嬉々とした会話と共に目的地まで続いた。




-峠の釜飯屋-


渉「長距離の移動で腹減ったろ?」
セルフィ「わふふ…。ホントは渉こそお腹が減ってここ来たくせに。」
渉「む…。」

セルフィはむふふ〜、と意地悪な笑みを浮かべる。
図星を突かれた渉は言葉に詰まってしまう。
すると。

ぐぅぅ〜…

セルフィ「きゃいっ////」

セルフィの腹の虫が可愛く悲鳴を上げたのだ。

渉「ふふふ…待ちきれないのはどっちかな?(笑)」
セルフィ「ち、違うもん!////待ちきれなくなんかないもん!!/////」
渉「わかったわかった!とにかく早く行こうか!」
セルフィ「がるるるるるっ……!////」

恥ずかしさに唸るセルフィを引き連れ渉は歩き出すのだった。




-1時間後-


セルフィ「わふぅ…満足…。」
渉「よく食うよなぁ、お前。」
セルフィ「だって美味しかったからね!」
渉「まぁな、だが追加で釜めし3杯は流石に…。」
セルフィ「せっかくの旅行なんだし贅沢もモーマンタイっ!」
渉「1人だけで合計4000円ナリィ…。」
セルフィ「とにかく次行こ!つぎ!」
渉「はいはい。」

懐の経済状況を心配する渉を傍目に、お腹が膨れてご機嫌なセルフィは元気に駆け出すのだった。




-碓氷峠-


ボォォ… ヴォンッ ボォォォ…

渉「話には聞いていたがホントに狭くて忙しいなっ。」
セルフィ「でも面白そうな峠だね!」

2人は昼間の明るい日差しの中、碓氷峠のワインディングを流していた。
細々としたコーナーの連続に渉はステアリングを忙しなく動かしている。

渉「確かにそうだがっ…!?っぶね!!」
セルフィ「きゃいんっ!」

急に車体を大きく動かす渉。
いきなりの事にセルフィは悲鳴あげる。
それと同時に、ゴンッ!ガサガサッ、という異音がフロントの端から響く。

渉「うーわ…やっちまったよ…。」
セルフィ「木の枝?」
渉「そう。とっさに避けたけど、結構デカくて避けきれなかった…。」

渉はそう言うと、路肩に車を停止させる。
インプレッサの後ろには、ついさっき折れて落ちたばかりであろう、緑の葉が生い茂る大きめの枝が片方の車線を横切るように塞いでいた。

渉「ちょっと待っててくれ、アレどかしてくるから。」
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