-湾岸線-
優「…やっと…解放されたな…。」
瞬「ああ…。腰…痛い…。」
それぞれ、一晩どころか夜があけても搾られた2人
二台の車が動き出したのは、次の日の夜中であった
瞬「まぁいいや、このままもう一度攻め込むから。レクチャー頼んでもいいか?」
優「構わないけど、腰は大丈夫なのか?」
瞬「大丈夫だ…多分。」
優「…心配になるような返事だが…。」
瞬「行くぞっ!」
ヴァアアアアッ!!
優の言葉を気にすることなく、瞬はグッとアクセルを踏み込んだ
エレナ「さっきは離されちまったが、今度はそうはいかねぇぜぇ!!」
ヴォォオオオオッ!!
それに合わせて、後ろをクルーズしていた優のRを駆るエレナも一気にアクセルを開ける
優「おっ、今度はついて来たな。エレナのやつ。」
瞬「はっや!」
優「そりゃそうだろ、俺の34に乗ってんだ。それにエレナにはここの走り方をレクチャーしてある。速いぞ〜?」
FDと同じラインをピタッと走り。どんどん追い上げるR
あっという間に瞬のFDの横をすり抜け前に出てしまった
エレナ「おっさきぃ!」
セツナ「速いなっ…グゥ…!」
優「アイツ、スリップストリームを使いやがったな…。」
瞬「はっ?」
優「瞬、Rの真後ろにつけ。」
瞬「なぜだ?」
優「こっちも同じ事をしてやるのさ…。」
ニヤリと笑う優
瞬「スリップストリーム…っ!…わかった!!」
クイッとステアリングをきり、Rの後ろにつくFD
スリップストリームに滑り込み、一気に車体が安定
そのままアクセルを踏み込む瞬
優「相手を抜き去る時や、一般車のパス、レーンチェンジは先を見越した上で車を流すようにコントロールしろ!高速域ではステアの反応がクイックだから少しのミスで命ごと車は吹っ飛ぶからな!」
瞬「ああ!!」
スリップストリームの中で一気に加速するFD
優「アクセルは爪先でエンジンを感じながら踏んでみろ!闇雲に踏んでもエンジンを壊すだけだぞ!それと常に水温や回転数の確認を怠るなよ!」
そのままの勢いでRを抜きにかかる瞬
そして一気に横に並ぶ
エレナ「うぉっ!マジかよ!?」
セツナ「フッ、流石私の伴侶だな。当然の結果だ…。」
エレナ「ちっ…負けねぇ!!」
セツナ「うわっ!おい!無茶するな!!」
セツナの言葉にイラッときたエレナは、FDに追い抜かれぬように更に踏み込む
瞬「な!?ペースが上がった!!」
優「このまま抜かさない気か!瞬!こういう時は焦るなよ!焦って踏み込んでそのままブローって時もある!走りに焦りは禁物だ!」
瞬「ああ!わかった!!」
そのままのペースで二台並行したまま加速する
だが、その先には…
優「あれは!トラック!?」
二台が走る先には、3車線あるうちの2車線を占領する二台のトラックであった
エレナ「ほ〜、通れるのは一台のみってか…。やってやろうじゃねぇかぁ!!」
セツナ「だから無茶するなぁ…!!」
最早セツナは涙目で助手席で縮み上がっていた
優「譲らないってか…。」
瞬「どうする…」
優「いけ…瞬。」
瞬「…!」
優「思いっきりいけ!自分の方が速いってことを見せつけろ!!」
瞬「わかったァ!!」
一気にアクセル全開の瞬
二台による全開の加速で、アスファルトが轟き草木が揺れる
二台とも300`をとうに超えていた
そして、激戦の末、瞬のFDが先に顔を出した
その加速は、瞬の心をFDが表すように、闘志でRを抑え込むように加速するのだった
そして、加速しながらもレーンチェンジをするFDに敵わないエレナは何もできずに道を譲るのであった
エレナ「…ちっ…負けた負けた。」
アクセルを抜き、スローダウンするエレナ
そして、そのままFDがトラックの横をすり抜け、勝敗は決したのだった
-大黒PA-
瞬「せ、セツナ!?」
Rの助手席でうずくまり、肩を震わせ、すんすんと鼻を鳴らすセツナ
普段見せないその姿に焦った瞬は、その肩を掴んで言った
瞬「大丈夫か?なにがあった!?」
セツナ「ボソボソ…」
瞬「えっ…?」
セツナ「コワカッタ…」
瞬「ちょっと…聞こえない…。」
何か言ってるようだが、小さすぎて聞こえない瞬
そして、セツナは顔を上げて叫んだ
セツナ「こわかったぁ!!」
瞬「はぃ!?」
セツナ「こわかったんだよぉ…グスッ…」
その顔は、普段のキリッとした凛々しい顔ではなく、涙で目を赤く腫らしていた
瞬「マジかよ…。」
仕方なく瞬は、セツナを抱き寄せ、頭を撫でた
セツナ「グスン…すんっ…。」
そしてしばらく泣いた後、セツナは恥ずかしさで再び涙目になるのであった___
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