炎上!?そ、そんな…バカな…――――
なら一体わしは何の為にここまで来たのじゃ…―――
わしが走り続けてきた意味は……―――――
-第二セクション後半-
エリシア(あの時…、わしが諦めなければ…また違った道を歩んでいたのかのぉ…。)
エリシア(RX-92P、もしあの時炎上しなければ、わしはあのクルマのドライバーとして、別の人生を歩んでいたのかも知れぬな。現在にもしもは無いのじゃがな。しかし、わしが昔の事に少なからずの未練を持っているのは否定できぬ…。)
エリシア(こやつにR26Bを積んでいるのもまた…、それがあるからなのじゃろうな…。)
エリシア(瞬よ…、お主はわしの未練を断ち切るのに相応しい男のはずじゃ…じゃから…―)
エリシア「わしを負かしてみろ!!」
ギャアアアアアアアァァァァァァ!!!!!
-スタート地点-
渉「瞬、追いつけたそうだ。」
隆文「ホントか!」
渉「ああ。瞬は今、ベタグリップで走ってるみたいだ。」
隆文「うまく切り替えられたみたいだな。」
セルフィ「そうみたいだね。でも、あれだけ振り回す走りをしていた瞬がいきなりグリップとなると、想像できないね。」
隆文「あいつのグリップなら何度か見たことあるけど、その時も慣らし程度のもんだったからな。瞬の本気のグリップ走行は見たことがねぇな。」
渉「瞬の順応力の強さは凄いもんだ。とにかくこのままいい方向に進んでくれるといいが…。」
隆文「そうだな…。」
セルフィ(…多分、あのバフォメット、まだ本気じゃない気がする。ホントに…、アレを使う事にならないといいけど…。)
-第三セクション-
瞬(くっ…!キツイ!集中力を少しでも切らしたら、死ぬぞこれ…!)
FDは前を行くサバンナに必死に喰い付いていた
だが、ついていくのがやっとの状態であった
エリシア(そろそろじゃな…。この程度のものではないぞ!!わしの本気は!!)
その瞬間、サバンナの走りが変わった
瞬「!?」
エンジンの唸りが
今までよりも甲高く、大きく響く
まるで、抑えていたものが一気に吐き出されるかのように
エリシア「わしは、今までこのじゃじゃ馬を抑えつける為にレブを縛っておったのじゃ。同時にこの速過ぎるマシンのハンデとしてもな。それを今解き放つ!このバトルにすべてを賭けるために!!」
瞬「速い!?離される!?」
NOSを噴射したかのようにコーナーとコーナーの間を加速するサバンナ
一気にスッと離れる瞬のFD
サバンナはそのままスリッグタイヤのグリップギリギリで曲がっていく
あまりの挙動にコーナの出口でサバンナのテールが壁を掠めるが
エリシアは何事も無かったかのようにそのまま立ち上がる
瞬「っ!バカかよ!!クッソォ!!」
瞬は必死にアクセルを踏み
喰いついていこうとするが
どんどん視界から小さくなっていくサバンナ
瞬(もう、アレを使うしかないかのかっ…!!)
-数日前-
瞬「珍しいな、セルフィが俺のFDのセッティングしてくれるなんて。いつもは渉のインプにつきっきりなのに。」
渉「今回は相手が相手だからな。ちょっとな…、もしものときの為の切り札が必要かと思ってな…。」
瞬「切り札?」
セルフィ「流石にただのシングルタービンのFDじゃ絶対に4ロータリーに敵わない。何もしなければ今までと変わらないけど、これを見て。」
瞬「ん?な!?ツインターボにしたのか!」
セルフィ「そう。13Bの純正シーケンシャルターボのパーツを流用してわたしが作ったビックタービン使用の特製シーケンシャルツインターボ。」
瞬「すげぇな、そんなもんを作っちまうなんて。」
セルフィ「でもね、セカンダリーはブースト1.5以下では意図的に使えなくしてある。」
瞬「へ?どうしてだ?せっかくのツインターボなのにか?」
セルフィ「特製といっても、時間が無くて急いで作った、かなりムリのあるモノなんだよ。だからちょっとでもムリをすればタービンブロー、酷いとオーバーシュートでエンジンまでブローさせかねない。だからセカンダリーは、ブースト1.5から2.0で作動するようにセッティングしておいた。」
渉「今の説明の通りだ。作動させれば爆発的にパワーは出るが、エンジンそのものを壊しかねない。だから本当にまずい時にだけ、もう後が無いときにだけ、お前の判断で使ってくれ。そのクルマはお前のクルマだしな。ムリはさせたくない。」
瞬「わかった。」
セルフィ「使うのであれば、そのブーストコントローラーから操作してね。できれば使って欲しくないけど…。ごめんね、こんな事しかできなくて。」
瞬「いいさ。それだけ今回の相手がヤバイってことだろ、ここまでやってくれるだけで充分だ。ありがとう。」
-現在、第三セクショ
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