朝になり、俺は枕元から聞こえてくる変な機械音で目を覚ました。
「ん?なんだよこの音…」
俺は不快に思いながら布団を深くかぶる。
まだ起きる時間じゃないし、たいしたことじゃないだろう…
「……今じゃ!やってしまえ!」
その声と同時に俺の頭にビリッとしたものが駆け抜ける!
慌てて起き上がり、俺の頭についてびりびりとした電流を送ってきた何かをつかみ、何だったのかを確認する。
俺の頭についていたのはこいつ…
ぱっと見たところ変な車のおもちゃだが、一つ気になることがある。
明らかに何かをつかむクロー(?)みたいなものに補充用バッテリープラグを露出させたものがついているんだが…
こんなおかしなものを俺の部屋に置くやつは一人しかいない…
「おいゾーネ!!お前の仕業だな?一体どうやって入ったんだよ!鍵もちゃんとして…」
「私の前に鍵なんてものは無意味なのじゃ…どうじゃ?新しい研究の成果は?」
こいつ…人の部屋の鍵をどうしたんだ?
毎朝鍵を無断で開けられるなんて、たまったもんじゃないぞ?
「研究って…今回の研究はどんなものなんだよ?」
俺は車のおもちゃを持ってゾーネに聞いた。本音、聞かなくてもろくな研究ではないのだろうが…
「聞いて驚くがよい!今回の発明品は【君の心にスパークプラグちゃん】じゃ!電気ショックを頭に与えて、対象者の一番新しく記憶した出来事をデリートすることが出来るという最新鋭の…」
「変なものを…作ってんじゃねぇ!」
俺は物凄い勢いでその機械を床に叩きつける。そしてさらに上から踏んづけて再起不能にした。
対象者の記憶をデリートする機械だと!?
変に実用性が高そうな機械だが、量産化などさせてなるものか!
俺は今回、またも恐るべき研究成果をこの世から葬り去ることに成功していた。なんか、毎日発明品を発表してくる気がしてならない。
「うぅっ…ふ、ふん!天才は一つや二つ作品を壊されたくらいで泣いたりしないのだ!」
こ、こいつ…昨日よりも自分に自信を持っているだと!?
「では…さらばじゃ!」
「……どうでもいいけど、まさか設計図とかを大量に作っていたりしてないだろうな?」
「ば、ば、ば、馬鹿をいうな!天才は一回で発明を作り上げるのじゃ!そんなことあるわけなかろう!」
「本当か?」
「当たり前じゃ!それ以上言うと、焼肉にするぞ!」
そういうと、ゾーネは振り返りもせずに去っていった。
料理を作り終わった後、俺はカウンターに向かっていた。
向こうからサリィとメリィが歩いてくる。
メリィさんの顔を見るたびに何かを思い出しそうになるのだが、ぜんぜん思い出せない。
「デメさん、あたし帰るね?」
「お?今日は機嫌がいいじゃないか!いやいや良かった…」
「別に?デメさんに新しい出会いがあったわけじゃないみたいだしね?」
「お前は…俺にフラグが立ってほしいとは思わないのかよ?」
「当たり前じゃない!」
えぇー…一切否定しないなんて、少し傷つくんだが…
結構小さいときからの付き合いなんだぜ?
俺は近くで薄ら笑いを浮かべているメリィのほうを向いて聞いた。
「これ…どう思います?ひどいと思いません?」
「……ふふっ、まぁ仕方ないところもあるかも知れませんよ?デメトリオさん」
「メリィさんもそういうんですか…はぁ…」
そして、サリィたちは配達へと向かっていった。
そしてしばらくし、俺は今二人でシチューを食べていた。
しかも、セムちゃんと二人きりだ。
だからって、俺が喜んでいると思ったら大間違い、一歩でも判断を誤ったらひどい目にあうお方だ。
俺は物凄く相手の顔をうかがいながらシチューを食べているところだ。
「……おいしいね」
「はい!ありがとうございます!おいしいでございます!はい!」
こういう風に、まれに不意打ちとばかりに話しかけられてその応対のタイミングを逃せばEND!
喜ぶどころか、常に神経を張り巡らせているからすごく疲れる。
「………」
「はい!?一体何でございますか?」
「…なんでもない」
なにか言った気がしたんだが、気のせいだったのか?
そして、神経を張り詰める時間も過ぎ去り、セムちゃんの迎えの馬車が来た。
俺は見送った後、部屋で机にうつぶせになっていた。
今日はもう何もやることはないな…
お客さんは夜の営みをやっていないし、シーツを洗う必要がないからだ。
いつもこれほど楽なら言うことはないのだが…
「ふぁあ…今日は夜の仕事の時間になるまで寝て過ごすかな…」
俺が寝ようと思い、自分の部屋の扉を開けると、いきなり宿屋の扉が開いた。
「デメトリオ君!準備は出来ているかい?」
いきなり、俺たちの集団のリーダーが俺の元に走ってきた。
「どうしたんですかリーダー?」
「…昨日、私が結婚式の話をここにしに来たのだが…」
へ?そんなこと…あった!
そういえば
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