61 蛇のプライドと至高のチーズ

さぁて…ココリさんが状況を把握したようにこっちにのんびりと歩いてきているんだが…
なんて俺は思いつつ、メリィの後ろに隠れていたんだよ!!
だって…単純に考えても、メリィたちの後ろにいたほうが安全だろ!?
……こう言ってしまってはあれなんだけど、俺一人で逃げてたら捕まる気がしてならないからなぁ!!
なんて心の中でつぶやいていると、ココリさんがこう言ってきたんだ!!

「そこをどいてくれませんか?旅の方に手荒な真似はしたくありませんので…」
「それは無理ね…だって、デメトリオは今は一応私達の仲間だし…ね?」

……ちょっと待てよ?一応ってどういうことだよ!?
いやいや…俺はれっきとした仲間ですよ!?
め、メリィ…いくら俺が役に立たないからって一応仲間宣言とか…酷いなぁ…まったく…
いつか役に立つ時が…来る気がするからそれまで待ってくれてもいいと思うぜ?俺はさぁ…

だが、そんな事を考えている俺なんてまるで眼中に無いかのように、メリィとココリの間で無言のにらみ合いが始まったんだよ!!
こ、これが…冷戦って奴なのか!?え?違うって…?
ま、まぁ…似たようなもんだろ?
そして、このにらみ合いという名の沈黙を先に破ったのはココリのほうだったんだよ…
ふっ…ココリ…痺れを切らしたようだな…
この戦い…先に動いたほうが負ける!!
なんて…言ってみたりとかしてね?

「…ククリ!!今すぐ後ろにいる男を連れてきなさい!!」
「……ね、姉さん、でも…」
「あなた…姉の言うことが聞けないの?昔、一緒に兵士をしているときは私の言う事を聞いてくれたじゃないの!!」
「…わ、私はそんな自分が嫌になってここから去ったの!!いつまでも昔のように姉さんの言う事を聞いている私じゃない!!」

う、うぉーい…こ、これはまた…大きな姉妹喧嘩が勃発しそうだぜ…
な、なるほどな?ククリがフェルス興国出身じゃなかったって事実には結構驚いたりもしたんだけど…やっぱり、一人一人、なにか思うところがあって生きてるって奴なのか?
だ、だったら…何も考えずに生きてきた俺は一体…どうなるんだ!?
ま、まぁ…自分のことは自分で考えないと何もわからねぇってアルフォンスが言ってたから、のんびり考えていくつもりなんだけどな?
だが、ココリとククリの意見のぶつかり合いは、これで終わりそうも無いな…

「…ククリ、あなたは私に甘えてくれていたらいいのよ?だから…私の言うことくらいは昔みたいに素直に聞いてよ…?」
「私は…昔のままの私じゃない!!姉さんに甘えてばかりで、決断することをしなかった頃の私じゃないのよ!姉さんはいっつも母さんや隊のみんなに褒められていたから満足かもしれないけど…私はいつもおまけ程度だったじゃないの!私だって…一人のメデューサなのよ!!」
「私はククリのことをおまけなんて…ククリ、本当に私の言う事を聞くつもりは無いの?私は…今までと同じようにあなたと接するつもりなのよ?勝手に出て行ったことを責めたりもしないから…」
「今までと同じじゃダメなのよ!!私は…変わるんだから!!」
「……そう、決心は変わらないのね…?」

!?く、空気が急激に寒くなっただと!?
こ、これは…何か恐ろしいことが起こる予感がするぜ…
ピッ…
……えっと、空気が寒くなったのはコリンが熱いと思ったらしく、城内のクーラーのスイッチを入れたからでした…
や、やっぱり蛇…冷血動物の一種的な感じで熱いのよりは涼しいほうがいいって事なのかな?
……少し寒い気もするけど…
紛らわしくて…本当にすまなかったと思っている!!

「ククリ…私は一人の兵士としてあなた達を倒してでもデメトリオを手に入れるわ…それでいいのよね?剣を構えなさい…」
「……えぇ…私は姉さんのおまけじゃ無かったって…証明してみせる!!」

そういうと、ククリは自分の腰の部分につけていた護身用の剣を抜いたんだ!
……や、やる気なのか!?ココリは兵士長とか呼ばれていたのに…無謀すぎやしないか!?
確かに、自分のプライドを守ることは大切なことだと思うよ?でも…だからって勝てない戦いに挑むのはただの馬鹿じゃないか!!
無謀すぎるんだって!!
だが、俺の考えなんてまるで気付いていないククリは、振り返らずにこう言ったんだよ…

「リーダー…私、ここで姉さんを引き止めます!!絶対に追いつくので先に行っててください!!」
「……わかったわ…」

め、メリィ…ククリを置いて行くのか!?そ、それは…余りにも無情な選択じゃないのかよ!?
俺はそう思ったが、メリィが動きを止めるそぶりを一切見せないし…俺もここにとどまる勇気は無かったんだ…
で、この場所から去ろうとしているわけだが…
……何も言わずに去るのはさすがに酷すぎる気がするぜ…
俺はそう思って、振り返りこう言ったんだ…
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