40 春の桜はいつ咲くのかと(後編)

さぁて…【前回の続き】って事で、俺は今、目の前にたっている女性の話を聞くところから物語のスタートさ!!
はたして、どのような話が聞けるのか楽しみだ…

俺が口の中の奥歯に挟まっていた干し肉の破片を必死に舌で取りながら、のんびりと話を聞く体勢に入ると、その女性は少し考えるとこういってきたんだ…
「……今からかなり昔の話だけど、私には思いを寄せる人がいたの…」
…来たよー!!よくありそうな始まり方だけどな…
え…?そんな事はどうでもいいから話を聞かせろって…?
……わ、わかったよ…しょうがないなぁ…
「それで、私は少女時代の全てをささげて彼…安永の事を調べ上げ、好きな人がいないとわかって思い切って告白してみたら、OKが出たのよ…」
「へ、へぇ…それで?」
内心、それって半分ストーカー行為みたいだなとか俺は突っ込まないぜ…
それに、俺は内心では告白系統の話は嫉妬するから苦手なんだって!!
だから…俺にまともな意見を聞こうとするのは無駄なだけだとも思うんだけどなぁ…

その後も散々似たような話を聞かされ続けたので、俺は要点だけを抜き出してみんなに説明するぜ!!
要するに、安永って奴がなぜ自分の元から離れかえってこなかったのか…
それも、結婚式の日の夕暮れにかげよしって男と遊びに行ってから…
その原因を見つけて欲しいっていう頼みごとを俺にしてきたわけだな…
で、俺が導き出した結論はこうだ…
俺には…無理だって!!

…だ、だってさぁ…500年以上前の話だぜ!?
今の時代でどうやって調べればいいんだ!?
それに、よーく考えたら俺にこの頼みごとを聞く義理は…
ま、まて…ないって言うのはたやすいが、良く考えたら俺の人生はこの女性が握っているんじゃないのか!?
結局、俺に逆らうって選択肢は無いってわけですね!?

結局、またもや頼みごとを断ることが出来なかった俺は、暇だったということと、多分この寺に出る幽霊の正体が彼女だとわかったことの二つの事も合わさって、一応調べてみることにしたんだ…
え…?どこを調べるって…?まずはこの寺にも少なからずあるであろう500年より少し前の文献を調べて、安永って男の話題が無いかを調べるっていう地味な作業さ!!
ふっ…俺がどれだけ必死になって文献を探したとしても一行でその事実が終わらされるって考えると、複雑な気持ちだぜ…

そしてしばらくして、俺は文献を厳選することができたぜ…
ほらな?俺の作業なんか、わずか一行でショートカットされるのさぁ!!
あと…なんで寺に昔の文献があったかは…追求しないでくれよ?
それで、文献の内容だけど…
『2月29日 安永影利(やすなが かげとし)が装飾品を作成する為、山に入ってから行方不明に…
捜索隊の操作も難航中で、生死は不明
彼の友達であった幣原影由(しではら かげよし)は彼のために大広場に帰依桜を植えた…
安永は2月29日に結婚を迎えたばかりで、奥さんの白霊さんはそのことを知らないまま、本日、3月17日に流行り病の想血病(精神面に負担がかかり、体の免疫力が低下すると急激にかかりやすくなる流行り病…主に、夫の心配をする奥さんがたが感染しやすい)で亡くなった…
今日、彼女は大広場にある帰依桜の元に埋められることになり、葬儀は家族のものだけで行われるようだ。
そして、帰依桜の左を少しいったところにかげよしが、いつまでも安永と幸せにいられるようにと、安永が最後につくりかけていた装飾品を埋めたようだ』

確実にあの女性は白霊さんって事に間違いはないな…
だとしたら、この記事が正しいと仮定して…案外、楽に見つかるかも知れないじゃないか!!
こうやって、簡単に調べ物をしたら見つかるところとか…主人公らしいって思わないか?
普通ならこんな風に探しても見つかることなんてほとんど無いのに…
俺はそう思いながら、あの大きな木…おそらく帰依桜であろうところに向かっていった。

「えっと…デメトリオ…よね?かげよしに似てて紛らわしい…ま、まぁいいわ。なにかわかったの?」
「…まぁ、ためしにいろいろやってみますって!!」
俺はまだ…確信のない事実を言うつもりも無かったので、あの記事のことはあえて伏せておいて、帰依桜の左を地味に調べてみたんだ…
すると、確かに左側にそれらしきものを埋めたって書いてある石碑があったんだ!!
塀の向こう側だけどな!!
ま、まぁ…500年以上も前の記事だし、地形が変わっていなければそっちの方がおかしいから多めに見るわけだけどね?

で、その石碑を地味に手探りで探っていると…
こ、これは…!?
そこには、綺麗に包み込まれたかんざしが入っていたんだ!!
でも…結構時代を感じるぜ…もう、綺麗に包み込まれていたとはいえ、錆び付いてしまっているからなぁ…
などと思いながらかんざしを見ている俺
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