……少し前に見てはいけない物を見てしまった気がするが…
それでも、俺は何も見ていない!見ていないんだぁ!!
俺はそう言いながら、右にゼク…左にアインが寝ているところの真ん中で震えていた。
こ、この震えは見知らぬ船がこっちに近づいてくることによる恐怖なんかじゃないぞ!?す、少し空気が冷えているだけなんだからな!?
そうしていながらも…少しは気になってしまうのが人間の性なのか…
結局俺達3人は布団を被りながら見知らぬ船のことを観察していた…
「なぁ…デメトリオはあの船、どう思うよ?」
「え…?そりゃあアイン…アレは危険な船じゃないかと思うよ?」
「だよなぁ…遭遇する時間が時間だからなぁ…どうする?」
……俺に聞かれても正直なところ困るぜ…!
俺だって隣で震えてる…いや、さっき俺が心でつぶやきかけた言葉は聴かなかったことにしてくれ!
そして、正体不明の船がさらに俺たちの船に近づいてきたときに、俺達はそっと松明の火を消した…
正体不明の船から、微妙にだが灯りがもれているというのもあるし…
それ以上に俺は怖かった!ばれるのが凄く怖かったんだよ!
すると、夜の沈黙の中を微妙に人の声…多分人の声であろうものが聞こえてきた。だって…人の声って確信どこにもないし…
とにかく、俺達はその声をしっかりと聞き取ろうと耳を澄ました。
「お頭〜!船、しっかりと横につけました〜!」
「そうか…じゃあ、いつもどおりに一気に片付ける!みんな、準備はいいかい!?」
「は〜い!!」
「うぃ〜っす…」
「男共、元気がない!?」
「う、うぃーっす!!」
……さっきまで聞こえてきた会話から想定するに、何者なんだ?
俺には良くわからないんだが、とにかく穏やかな話ではなさそうだ…
こ、ここはメリィに伝えておくべきなのか…それとも穏便に無言を押し通すのか…悩みところだな…
そう思っていたときだった、いきなりメリィたちの方の船にはしごがかけられ、大勢の黒い影が一気にメリィたちの船になだれ込んだ。
こ、コレは大変な事態だ!!ど、どうにかして知らせないと…でも、大声を出してこの場所がばれるのは…嫌だよなぁ…?
まさに、究極の選択…俺からしたらもう…今干し肉を食うかパンを食うかという究極の選択を突きつけられたときのようだ。
え?究極の選択にしては少々しょぼいって…?
それは言わないで欲しいところだったぜ…
結局俺は無言を貫き通すことに決め…
「た、大変だーー!!か、海賊だーー!!」
「ちょ…また俺が心で言い切る前に言うのかよ!?頼むから空気読んでくれよ!」
などと口に出してみたが、すでに言ってしまったことに変わりはない…
くそ…ゼク、このタイミングで…駄目だろ!
だが、さっきのゼクの声のおかげでラグーンメンバーたちも騒ぎに気がついたようだし…複雑な気分だけどよし…なのか?
「アニーの義姉さん!あの船の裏の方で人の声がしました!その声のせいで奇襲が失敗!船に乗っていた連中が目を覚ましたようです!」
「何だって!?くっ…仕方がないね…あんたは他の男連中を連れてあの船周辺をくまなく調べな!私達は早めに船の客連中を縛り付ける!」
「イエッサー!!よし、行こうぜ皆!」
「おぉーー!!」
……これって、ばれたってやつじゃないか!?
「や、やばいよデメトリオ〜…ど、どうしよう…」
「う、う、う、うろたえるんじゃ…ね、ねえって…ぜ、ゼク…だ、大丈夫だって!」
「…デメトリオも結構焦っている様だけどな?」
……むっ、こいつ…いってくれたな…?
「じゃ、じゃあお前はどうなんだよ!?こ、怖くないのかよ!」
「は、はっは…このアイン様が怖いなんてことあるわけないだろ!?」
そう言いながらも凄く震えているということは…アインも本音結構怖いんだろうな…まぁ、本人の意思を尊重してここは黙っておくか…
で、問題はどうやってやり過ごすかだが…
え?戦わないのかって?いやぁ…俺にそんな度胸がないのはもう皆さん知ってるでしょ?戦いがあったら逃げる…これがデメトリオスタイルだぜ…?
今の俺…かっこいいだろ?
俺がそう思っていると、メリィたちが戦いながら甲板に出てくるのがチラッと見えた。
「ふん…海賊か…いまどき海賊とはなぁ!!」
そう言いながら、ジャンヌが剣を横になぎ払い、海賊達に峰打ちを当てていく。でも…峰打ちとはいえ…アレは結構痛い気がするぞ…
「剣を捨てなさい!貴殿らと戦うつもりは無い!」
…そういいながら、すばやく華麗に敵に攻撃を入れていっているアイネの姿も見えた…
本音、バトルシーンではこの二人の活躍が凄すぎて他のメンバーたちの方に目が向かないな…だって、迫力ありすぎだし…
といって、海賊の方たちも遅れを取っていない…今まで戦ってきた人たちよりも耐久度が段違いだ…さすが、海の力といったところか…
な
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