chaptar 1-1 消えた人たち

そして、俺たちはあの懸賞が当たったという紙のとおり、当日…今現在いるホテルの正面にいるんだよ!!
す、すげぇ…まさか、本当にこんな豪邸に無償でいてもいいのか…!?って思わず思ってしまうほど、立派な外見だぜ…
しかし、大事なのは外側ではなく、内側であるわけで…どんな凄い建物だって入ってみないと分からないじゃないか!!

「デメさーーんっ!!早く入ろうよーー!!」
「あぁっ!!分かってるよ!!」

俺はそう返事をすると、大きなホテルに向かって歩き出したんだが、この建物、中々大きいし…あの紙は本当だったんだな…
洋風と和風の二つのホテル…もしくは民宿がセットになっている建物とは…しかも、建物の中から中に移動できるみたいだ
最近の宿屋情勢も…便利になったもんだなぁ…
こ、これは…俺の宿屋もこんな革新的なことを行わないと…駄目なのでは…

そんな事を思っていると、サリィが俺の手を引いて建物の中に移動し始めたんだ…
そ、そんなに引っ張らなくても、ちゃんと行くってば…

「いやぁ…あいつら、何時見てもうらやましい夫婦っぷりだよな…新婚みたいだぜ…そう思わないかセムちゃん?」
「………消えればいいのにな…あの鳥…」
「えっ…?今、なにか言ったかい?」
「いいえ?ヤマトさんも急がないと、花梨さん怒りますよ?」
「あっ…いけねぇ…早く行かないと…」

「………今回の旅行は…チャンスよね…?神様?ふふふっ…あはっ…」

ん…?セムちゃん、あんなところで1人、何笑っているんだ?あぁ…うれしいんだな?きっとそうだ…
いやぁ…セムちゃんのようなお金持ちの家のお嬢様でも、旅行はうれしいものなんだな…
これだったら俺も、連れてきて良かったって思うよ


それから、俺たちはホテルの中に移動したんだが…
このホテル…【従業員がいない】のか?さっきから見るのは俺たちと同じような旅行客ばかりだし…
…いや、まさかな…従業員がいないのなら、そもそもホテルとして成り立たないからな…

俺がそんな事を思っていると、いきなりアナウンスが流れ始めたんだよ…
やっぱり、従業員はいたじゃないか…なぁ?で…なんのアナウンスなんだ?

【本日は、当ホテルにお越しいただき、本当にありがとうございます…先ほどお越しになったお客様で全員となりますので、皆様は隣の部屋に移動してください】

ふぅん…到着して早くも何かあるんだな…さすがのサービス精神といったところだよなぁ…
これ、絶対に物凄いお金かかってるよ…いや、別にいいんだけどさ?

そう思って俺が隣の部屋に移動すると、そこは大きなロビーになっていたんだ
へぇ…中々、いい広さじゃないか…これだったら、ここにいる全員だったら楽に入るかな…余り人数はいないようだし…ね?

【皆様、今晩は各部屋でお休みになってくださいませ…各部屋に食事が用意されております、明日…スタッフがお客様たちを起こしに参りますので、今晩は申し訳ありませんが各テーブルの上にあるご自分の名前を書いたタグをとってご自分のお部屋へどうぞ】

えぇっ…?夜遅いって…俺たちは夕方にここについたんだから…って、あれ?
俺がそう思いながらロビーに吊ってある時計に目を通すと、時計は夜の8時を指していたんだ…
こんなに時間が経つのって早かったか…?いやいや、楽しい事が待っていると時間も早く過ぎたように感じる…あの現象に違いないよな…
じゃあ、俺たちも…って、へぇ…本当に各部屋の鍵がついたタグが机の上に並べられているな…
俺たちは…104号室とその近くだな…

そして、俺とサリィはタグのあった部屋に移動したんだが…って、おぉっ!?
す、凄い…物凄く豪華な内装と食事じゃないか!!こんなご馳走…滅多にフェルス興国の俺の宿屋内じゃ食べる事が出来ないぞ…!?
それに…こんなにふっかふかなベッド!!もう…物凄くテンションが上がるって奴だぜっ!!

「よぉっしっ…ひゃっほーー…」

ガッ…

「いぃっ!?うおぉぉぉぉっ…!?な、なんだ…?頭に物凄く響いてくるこの痛みはぁっ!?」
「デメさんっ!?大丈夫っ!?」
「あ…あぁ…」

まさか…一日目から頭を打つ事になるなんてなぁ…いや、別にいいさ…
次の日からいいことが待っているに違いないんだからなぁっ!!
俺はそう思うと、滅多に食べる事のできないごちそうをいただき、満足して眠りについたんだ…



ひゅうぅぅぅぅぅっ〜〜〜
ゴロゴロゴロッ!!


な、なんだぁっ!?いきなり物凄い音がしたんだが…!?
俺はそう思い、布団からのっそりと身体を起こしたんだ…外は物凄い雨のようだな…
って、なんで窓が開いているんだよ…ホテルの従業員が一時的に空気の入れ替えを行ってから閉めなかったのか?

俺はそう思いながら窓を閉め、またサリィと一緒に寝ようと…って、あれっ!?
さ、
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