「リーダー!見てくださいよこれ!お宝ですよ!」
そういいながら、手下の一人が俺のところに一枚の地図を持ってきたところから俺たちのこの冒険は始まったのだろう…
俺たちがどんな集団か知っているか?いろんなダンジョンに行っては、そのダンジョンの宝物を手に入れ、敵とは一度も戦闘を行わずにダンジョンから逃げるように去るなぞの盗賊集団とは俺たちのことさ。
おいおい、そんな雑魚を見るような目で俺を見ないでくれよ、こう見えても俺は平和主義者なんだ。無意味な戦いはしない、これが俺流だ。
まぁ、考えても見てくれよ。
この世界にはやっぱさ、魔王とかいるじゃないかよ、それに伴い、可愛い女の子の姿をした魔物たちがそこらにいるわけじゃないか、戦えるか?
まぁ、お前たちには戦う勇気があるかもしれないが、俺には無理だ。であったら一瞬でBADENDだぞ?そりゃあ、人によってはその魔物と結婚できたやら、俺は今人生で最高の気分だといってきた俺の友達(忌々しい)とかのケースがないとも言い切れない。
でもなぁ、俺の親は両方とも教団所属者で、魔物は恥ずべき生き物だとひっきりなしに言っており、その元で暮らしてきたからそのイメージが抜けないんだよ。
魔物に出会う=死ってのが俺の考え
手下たちは俺のことを頼りなく思っているだろうが、これでも大変な目をしているんだ。わざわざ大金を払って情報屋を雇い、先にダンジョンに派遣しておいて敵がいないときを狙い宝をとって逃げる。この方法のおかげで俺たちと部下は一度も魔物に出会わずに盗掘作業をやってきたんだ。
この方法…お金かかるんだぞ?
でも…今回ばかりはそうは行かなかったんだ。いつも通りに情報屋を雇うにも金がない。部下たちは伝説のお宝でもある神の涙という宝石を前に引き返す気はまったくなし。肝心の俺は絶対に行くって話しに勝手になってる始末だ。
しかも、肝心の宝の地図が示しているダンジョンは勇者一行でさえまれに帰ってこないほどの高難易度…俺はもうあまりの恐怖と絶望で頭がおかしくなりそうだ。
しかもだ、俺が
「なぁ、今回の宝は俺たちには早すぎるって…ほかのにしようぜ?」
こういうと、部下たちはそろって非難の目を俺にぶつけてくるし…俺のことをよく思っていない連中は俺が参加しないなら盗賊団を抜けるというんだぜ?
俺は深くため息をつくと長旅の準備をしている手下たちのほうを見た。
手下どもはみんな嫁さんに別れを告げて、キリッとした顔で俺のほうを向く。
「仕方がねえ…行くぞお前ら。今回のたびはいつもの用にはいかねぇ、誰かが死んでしまうかも知れねえが、それでもいくんだな?」
俺はまだ行きたくないので手下たちに聞いたが、全員首を強く縦に振っている。そんなに行きたがるのはなぜなんだ…?俺にはわからない。折角奥さんがいるんだから家でいちゃいちゃと裸の付き合いでもしていればいいじゃないかよ…
俺はこう心で毒づきながらも旅の進路へと歩みを進めた。
こうして俺たちの旅が始まって約3日と少しの時間がたったときだ。俺たちは伝説の宝が眠るという地図を信じて、このダンジョンにやってきた。
恍惚と慈愛の洞窟LV93というのがこのダンジョンの名前らしいのだが…どこに慈愛があるというのか…俺に教えてくれ。
手下たちは、この洞窟の前でいよいよ、俺たちはとんでもないところに脚を踏み入れようとしていると気づいたらしい。全員顔色が芳しくない。中には緊張のあまり口から昨日の晩飯をリバースしてしまうやつまでいた始末だ…
「どうする?帰るか?」
俺はこの状況に便乗して手下たちに聞くが、帰る気になったやつはひとりもいない。まったく、変なところで頼もしい手下どもだ…
まぁ、俺には今までの盗掘で手に入れた魔法アイテムがあるしな…
本音、ここまで部下を一人も魔物の餌食にせずに連れてこれたのはこの魔法アイテムのリサーチウォッチというアイテムのおかげだ。このアイテムは魔物が来たら赤く光るという優れもので、これのおかげで52回は危機を脱してきた。今じゃあこれを手放すというのは死ぬのと同じだ。
そして、俺はこのリサーチウォッチを腰につけ、さらに手に『ダンジョン攻略ブックΩスタイル これで君もダンジョンマスター 』という210銅貨支払って買った本を抱え、ダンジョンに足を踏み入れた。
俺たちが全員入ったのを確認したかのようにダンジョンの扉が物凄い音を立てて閉まった。それと同時に空気が少し重くなった気がする。
俺はさっとリサーチウォッチに目を通した。魔物の反応はない。
だが、俺は全員を少しその場に待機させると本を読み漁った。ほかの連中は退屈そうにしているが、これは重要だ。なんせ相手はLV93…俺たちなど一瞬で全滅する危険がある場所なのだ。
しばらく本を見た後、俺は意を決したように歩き始め
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