告白の時

ただいま

俺はいつも通り平凡な日常を送り家に帰宅した
しかし帰宅したと告げるあいさつをしても返事はかえってこない
それもそのはず
うちは両親は事故で亡くなり、引き取り先の祖父祖母も老衰で他界しており
親戚もいないので、もし返事が返ってきたら
きっとそれはおバカな不審者であろう

___まぁ、とられるものもないんだけどね


とりあえずこの冬の冷気で冷え切った部屋と体をどうにかすべく
電気ストーブを付けよう
スイッチを入れるとじんわりと広がっていくこの暖かさ・・・・

あぁ・・・あたたかい・・・・・

このままこの暖かさにつられて、うとうとと寝てしまってもいいかな?
そう思ったがあいにく明日も学校があるので
心を鬼にしてなんとか頑張って眼を覚ますことにしよう
体と普段着を熱気で十二分に温めて、着替えをし
腹が減ってきたので夕食の準備にとりかかることにした
ちょうどカレーの具材がそろっていたので今日はカレーにしよう
しばらくの間もつうえに、寝かせればコクやらうまみやらがでてくるから
なおさらお得である



よし、さっそく料理を始めよう
まず余っていた
人参、玉ねぎ、じゃがいもを半分じっくりと炒めて、水を入れる
そして残り半分の具材をミキサーにかけペースト状にし、入れる
肉はここで入れる
あわてず騒がず
沸騰してきたところで
そこらへんのスーパーで買ったカレーのルー(辛口と中辛)を入れ
湧き出るこの食欲を抑えつつも暫く鍋が焦げないようにかき回し
そして今朝炊かせておいたこの白米を皿にのせ
ルーをかければ・・・・・

「完成だッ!!」

この湧き出す香辛料のいかにも辛そうな唾液腺を刺激する香りッ!!
スープにはない、この田舎独特のドロドロ感ッ!!!
そしてこのルーにベストマッチするといっていいこの白ッ!!
まさに究極?至高の一品ッッッッ!!!!

どこぞの料理ショーのナレーターみたいなことを
自分以外誰もいない家で叫び、不思議な舞を踊っていた
はたから見れば奇人変人即通報ものにしか見えないだろうが
この家には俺しかいないので別になんとも感じない
周りが空き地だったり空家だったりもするから
なおさら結構騒いでも大丈夫である

しかしこのカレー、余った具材で作ったものの、結構量は多かった
昼飯は学食かカロリーメ○トでなんとかするとして
朝と夕飯だけだとしたら3日ぐらい持ちそうだ
日に日にうまくなっていくのを想像していると、さらに涎が出てくる

まぁ未来のことは置いといて........


カレーをちゃぶ台にもっていき
まずスプーンで一口・・・・
いざっ!至福のひと時へ!!!



「いただきm「ピンポーン♪」」



至福の時間を誰かにぶち壊された
誰だ一体?、俺は苛立ちを隠しきれなかったが
まぁしかたない・・・すぐに済むだろう、そう思い玄関のドアを開けると

そこには_____


「おっす♪」

ほとんど一緒に帰りを歩いてるが今日はたまたま会わなかった
鈴木ユウカがいた

「んあ?おっす・・・」

至福の時間を邪魔されたのでちょっと無愛想な返事をしてしまったが
彼女はそんなことを全く気にしてないようだ

「ちょっと今いいかな?」

「長話かい?」

「うん」

んじゃあ、立たせとくのも悪いからはいれ、
そういい彼女を家の中に入れた
今適当にあしらったが女性を家に入れるのは初めて・・・ん?


「あれ?お前に俺んち教えたっけか?」

「え!?えぇあぁまあうん、オシエテモラッテタヨー」

ぎこちない返事が返ってきた
そんなことハナシタッケカナー?
確かにほぼいつも帰りは一緒だったが途中別れるし
第一家の話題はまだ出たことがない


「しかもお前まだ学生服じゃねぇか」

「あぁ〜・・・・うん、結構急な用事でさ」

「ふぅ〜ん」ジロリ

「」ビクッ

「まぁそんなに詮索はしない うん」

「」ホッ・・・・


一体何の用なんだか、多少疑問が残るが
とりあえず先ほどカレーを食べようとしたちゃぶ台に連れて行き
話を聞くことにした


「そういや、おまえ晩飯まだなの?」

「え!?う、うん、そうだけど、おかまいなく」

「せっかくだから食べとけ」

「そ、それじゃあお言葉に甘えて・・・・」


どんくらい食べる?___す、少なめで

カレーは今かなり余ってるし、
話は晩飯を食べてからでも遅くはならないだろう 多分
そう思い彼女の分のカレーを少なめによそった


しかしこうやって話しているといつも帰ってきてる時と態度がどこか違うな
よそよそしいというかなんというか
まぁ異性の家に上がれば少しは態度が変わるものなのかな?
彼女には彼女なりの心境の変化っていうものがあったのだろう
俗に言う乙女心とか言うやつかな うん 多分そんな感じだろ



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