毛倡妓の髪の毛に頭突っ込みたい

「髪の毛に頭突っ込ませてください!!」

私、久留里 鞠(現在:火引 鞠)が
今の旦那、火引恒太郎に出会って一秒で言われた第一声がそれであった

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ここはジパングの遊郭『百鬼夜行』
主に魔物娘を・・・というより魔物娘主体で出来ている遊郭だ
場所が場所で名前が名前なのでジパングの妖怪、雪女やネコマタばっかだと勘違いする人も多いがちゃんとサキュバスや魔女、果てにはアヌビスなど遠くから働きに来た娘もいる。働きに来る娘に人間の女の子や稀ではあるが男娼として雇ってくれという男性もきたりする。もちろん来る者拒まずではあるが、店が店なのでその時は働いている魔物娘に頼んで魔物化、アルプ化して働いてもらうことにしてある。多分というか、まぁ狙いはそれであろう。
しかし遊郭といっても一人の魔物娘が多くの男とヤっている訳ではなく(例外は存在するが)主に男探し、要は婚活みたいなものである。基本やったら即結婚の流れだ、だから遊郭の面子はいつもコロコロ変わる。昨日入ってた娘が今日になって結婚するからやめます、だなんて事は日常茶飯事だ。
それでも経営が成り立っているからある意味すごい
そんなこんなで家に引きこもり、半ば喪女・・・みたいに過ごしていた私もそろそろ身を固めたいなぁとか思い、ナンパなんてできる訳もないのでいっそ指名されるの待ちで働きに来たわけだが・・・

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(まさか、入ってすぐ指名されてこんなことを言われるとは思わなかった)

「え、えぇっと」
(男の人と話したことなんて一度もないから何話していいかわからない上に呂律がががががが)
「いきなり会ってすぐこんなこと言われたら驚きますよね すみません!」
「そ、そうでふね」
「僕の名前は火引 恒太郎っていいます!よろしくお願いしますね!!」
「わ、わらっわた・・・」
「えぇっと『毛倡妓』の久留里 鞠さん・・・ですよね!?」
「は、はひっ!」
「あの写真、メカクレで癖っ毛・・・ありだと思いますよ!
 ストレートでさらっ・・・てのもありだと思いますがわたしはゆるふわもふくるんとした髪の毛もいいと思うんですよ、主にブラッシングとか!」
「あ、え・・・っ」
「ちょっと前髪かきあげたりしていいですかね!」
「・・・・っ!!」

「あ、あの・・・」
「は、はひっ!?」
「・・・もしかして気持ち悪かったですか?」
「えっ」
「そりゃそうですよね・・・初対面のやつにこんなこと迫られたら誰だって嫌がりますもんね・・・」
「あっ・・・えっと」
(どうしよう、むしろ嬉しかったのに・・・ど、どうしたら・・・)
「・・・出直してきま「ま、まって!」」
「えっ・・・えっと・・・・
 ・・・か」
「か?」
「か、髪の毛なら・・・触らしてあげるから
 もうちょっとここにいて・・・」
「」キュン
「・・・・だ、だめ?」
「だ、だめじゃないです・・・ただ」
「ただ?」
「お、抑えられないかも・・・すごく可愛いです久留里さん」
「か、ぁわっっっっ!!!」
(可愛いって言われた可愛いって言われた可愛いって言われた可愛いって言われた)
「うふふふふぇふぇふぇふぇ」
「そ、それじゃ」
「は、はい!」
「さ、触らせてください・・・!」
「・・・よ、よろしくお願いします」

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「・・・前髪から触りますよ」
「ん・・・・っっ!!」
「やっぱり思った通りだ・・・くるっとした癖っ毛、でも艶やかさとふんわり感、すべすべ感があって・・・」
(あ、この人、ブラッシングすごい上手・・・)
「・・・・♪」
「ちょっとあげますね」
「え、ちょ、ちょっとまっ!」
「・・・」
(ど、どうしようこれでキモイとか言われたら・・・)
「綺麗だ」
「えっ」
「ちょっとツリ目がちなんですね
 まつ毛も眉も丁寧に整えられててとても綺麗ですよ!」
「え、あ、ありがとう」
(綺麗って言われた綺麗って言われた綺麗って言われた綺麗って言われた綺麗って言われた綺麗って言われた綺麗って言われた綺麗って言われた)
「あ、あの」
「むふふふふふふふ」
「あの!」
「ムッムッファイ!!!!」
「よ、横から後ろにかけて触らせてもらっていいですか・・?」
「だ、だいじょうぶでふ!」
「・・・・あぁ
 あぁ・・・・!!!
 あぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「あ、あの火引さ・・・・ひゃっ!!!」
ガバッ!!!


「鞠さんもう僕これ辛抱ならんですけど抱きしめたいいですかあぁもう抱きしめてますすみませんでもこんな『もふ』『つる
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