10月31日 ハロウィン
ハロウィンは元々収穫祭であり死者のための祭り
そして仮装をするのは霊と区別がなんちゃらかんちゃらだった気がする
昔のアメリカだかヨーロッパ当たり位で大々的に行われて・・・いたのだろうきっと
街ゆく子供たちがよその家を尋ね「トリックオアトリート!」と言いつつ
かぼちゃをくり抜いた籠にお菓子を入れてもらうのだろう
ちょっと前までの日本ではなかなかそういうことは起こらなかった
多分日本特有の遠慮だとか躾けだとかでやりたくてもやれなかったのだろう
だが今は違う
あれは私が18歳の時のことだった
話が長くなりそうで少しだけ割愛させてもらうが
別世界(魔界と言われている)から大量の魔物が突如地球に現れ出したのだ
初めは侵略がどうのこうのとか騒がれていたが親善大使さん現れた瞬間もうみんなメロメロ
あっという間に友好条約までむすんでしまったから驚きである
最初は私も魔物と聞き戸惑っていたが
今では美しい5本の尻尾を持った妖狐という魔物さん(名はユユという)を妻に迎えて
毎日一緒に愛を育んでいる
まぁ住む人が増えると自然と風習とかも変わっていくっていう訳で
全世界では魔物の子供たちを含めたハロウィンが盛んに行われている
ある時はお菓子目的であったりある時は今の内にと夫探しであったり
またある時は格好が格好なので
この際思い切って魔物化しちゃえ〜なノリで同族増やしであったりする
ハロウィンは今やクリスマス並みに大きなイベントとなっていた
さて、本題に入ろう
今日、ハロウィンである
そして私の住む町は少し特別で、妻と同じ種族・・・
妖狐や稲荷、狐憑きなどが大体を占めている
日曜日あたりの町の商店街を歩くと良く解る
柔らかそうなもふもふとした尻尾が所狭しと存在しているからだ
そういうのが好きな人は是非歩いてもらいたい きっと天国を味わえるだろう
話を戻そう
私の街にはそういう種族が多い
ということは小さな妖狐や稲荷の子供も必然的に多い訳だ
私達妖狐の夫たちはその子供たちをまるで自分の子供のように平等に愛している
私達妖狐の夫たちはもふもふがたまらなく好きだ
なので私たち男は考えついた これしかないと
15:02
今私は公園にいる
手には私と妻、2人で作った魔界産果物使用のお菓子がたんまり入った袋をもっている
そしてそれを冷え込んでくる季節なのでホッカイロや体温で保温しつつ待つこと10時間
流石に待ちすぎだと思われるかもしれないが
今日この日を待っていた私にとってそんなもの苦にもならない
・・・さて、そろそろかな
________ザーッ ザーッ・・・ピッ!!!
「!!!」
来たか!!!
_________こちらCブロック、こちらCブロック 目標がそちらに向かっている
目標の数は10 準備は整っているか? どうぞ
「こちらDブロック、午前5時くらいからスタンバッてる 準備は万全だ どうぞ」
_________了解、到着時刻は15:05辺りになりそうだ 天国を味わえよ over
ピッ!!
10・・・なかなかの数だ
さて、残り時間が少なくなってきた
とりあえず私は座っていたベンチを立ち
公園の広い空き地に袋を持って仁王立ちし時計を見る
ジャスト15:05
「ねぇ、おじちゃん」
時計から目を離すと目の前に赤の長袖ワンピースを着た5歳くらいの妖狐がたっている
その子はこれからの事を予想してか尻尾をふりふりしながら
こちらにその小さな可愛らしい手をこちらに差し出し
「とりっくおあとりーと」
と舌足らずな言葉で、にぱーっとした笑顔で、無邪気さとあどけない顔で表情で
私にお菓子か悪戯をするかを尋ねてきた
その時である
「「「「「おじちゃ〜ん!!!!!!」」」」」
公園の入り口からわらわらと元気よく飛び出してくる子供たち
もちろん全員妖狐や稲荷である
「おじちゃん!お菓子!!」「トリックオアトリート!」「お菓子!お菓子!!!」
「トリートオアトリート!」「トリート!トリート!!」「お菓子頂戴!お菓子!」
_____________もふもふもふもふもふもふ・・・・・
あっという間に私は妖狐ちゃんたちに囲まれてしまっていた
賢明な読者の皆様なら気付いていたかもしれないが
夫たちが考え付いたのは「ハロウィンで妖狐ちゃん達に囲まれてもふもふ大作戦」であった
つまりもふもふしようぜ!!!である
普通に立つと妖狐ちゃん達の愛らしい顔がこちらを向き
中腰になるとすぐに抱きしめたりちゅっちゅできそうな高さで
さらに飛んだり跳ねたりで尻尾が顔にあたったりもふもふするので
まさに至福の一時である (因みにちゅっちゅはその子の親、もしくは嫁に迎える方限定)
「よぉ〜しおじちゃん頑張ってお菓子配っ
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