プロローグ

ある日、必然か偶然か…木こりが、地下に通じる道を発見。
地下に通じる道は、階段…人工的だが、至極古びた煉瓦のような階段だったと、木こりは言う。
その報告を受け取った町の長は、探検隊を結成。
名乗りを挙げたのは、4人の魔物娘。
先行兼地質調査役にジャイアントアント―――レイル・アントレイ。
調査役にドワーフ―――マリィ・ドルワルフ。
文字解析役に町長のバフォメット―――フロリス・ゴートレット
護衛役にデュラハン―――ロス・ニーズヘッド。
4人は早速、町民の見送りとともに森の中へと入って行った。

 * * *

森。
そこは自然の宝庫。
そこは生物の住処。
そこは未知の世界。
様々な言い方はあるが、正しい答えも誤っている答えも無い。
ただ、そこに緑が広がるのみ。
風は木々の間を縫い、木々は水を吸い、水は魚の住処となる。
魚はやがて他の生物の糧となり、卵を産み、その身を散らしては我が子の命を想う。
魚を喰らう陸上の動物は水を飲み、木の実を食らい、我が子を生み、そして守り、骸となったその身体は木々を育てる。
大自然のサイクル。
自然界のバランス。
生死を問い続ける厳しさと、生き物を育てる優しさを併せ持つ、森。
ただ、自然のままに。
故に、美しい。

しかし、そんな森とは不釣合いな存在がいた。
鉄。
天然の物では無い、精錬された鉄。
鉄は形を変え、他者に牙を剥く武器にも、他者を弾く防具にもなる。
武器は、剣。
防具は、鎧。
それらを身に着けている者がいた。
戦士、なのだろう。

「ここが、噂の遺跡の入り口か…成る程、いかにも遺跡らしい作りだな」

その者は顎に手を当て、考え込むように唸る。
端正な、凛とした顔立ち。
肩甲骨まで届く髪は戦士には似合わず、水色だが、染めているようには見えない程に美しい。
1本1本は糸のように細く、だが集まればこれほどまで美しくなるとは。
髪の掛かった両耳は尖っている。
彷彿とさせるのは、エルフという種族。
だが違う。
彼女は、エルフでは無い。
首無しの騎士として有名な魔物、デュラハンである。

「よし…っと。皆さん、準備は良いですかね?」

デュラハンの傍にいた者が、声を掛ける。
その言葉は一帯にいる者、3人に向けられて言葉だ。
発声源は女性。
それもただの女性では無い。
人間の上半身に、蟻の身体のような下半身。
ジャイアントアントだ。
白く、所々汚れたランニングシャツを着ており、その首には同じく汚れた白いタオルを巻いてある。
黒い髪に青い眼を持つ彼女の手には、ツルハシが握られていた。
その背には、歩き難そうな印象を与えるリュックが背負われている。
体躯は些か小柄だが、恐らく見掛け以上の働きをしてくれるだろう。

「おう、いつでも良いぜ。むしろ行こうや」

声を掛けられた3人の内、一際背の低い人物が声を上げた。
男性のような口調だが、声質は完全に女性、それも幼子のもの。
そこに目を向けて見れば、そこにいたのは小さな子ども。
いや、子どもというにも怪しいくらい幼い子どもだ。
彼女は、ドワーフという魔物。
この容姿で既に成体だといわれる彼女は、中身もまた情に厚く年齢相応のもの。
頭にゴーグルを着け、長く黄色い髪をツインテールの形で縛り、その服装は“繋(ツナギ)”という上下が繋がっている作業着である。
さすがにここまで小さな作業着があるのも珍しい。
オーダーメイドか、それとも己の腕で作ったか…それは彼女のみが知る事。

「そうじゃの。ここでモタモタしていたら日が暮れてしまうわ」

ドワーフの声に、今度はもう1つの声が出てきた。
こちらもまた年寄り臭い口調ではあるが、幼女のもの。
茶色の髪の毛からは角が2本飛び出し、天に向かって聳え立つ。
両手両足は毛で覆われ、まるで獣のような四肢だ。
手は5本指ではなく動物のような手であるし、足は山羊を彷彿とさせる蹄。
そして服装といえば、胸を骨のようなアクセサリーで隠し、恥部もまた際どいパンツで覆い、その背にマントを靡かせているのみ。
そして少女の手に握られているのは、紫色の分厚い本と、体格に似合わないほどの大鎌。
まるで死神を彷彿とさせる大鎌は、この少女が持つには些か大きく、デュラハンの者が持つべきだと言える。
だが少女は軽々と大鎌を持ち上げ、肩に担ぐ。
こちらも見掛けに依らず、剛力の持ち主のようだ。

「よっし…じゃあ行く前に確認をば…まず、私が先行して安全を確認。その後をフロリス様が着いてくる」
「うむ。確認したのじゃ」
「次に、フロリスさんの後ろをマリィちゃんが歩く」
「『ちゃん』着けんな」
「あ、すみません。つい…」
「ついってなんだコラ!お前外見で判断したろ絶対!外見で判断するヤツは外見に泣くぞ!」
「ワケがわからんぞ…とにかく、話の腰を折るな、マリィ」
「ゔ
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