第1章 始まり

―10月26日 PM 3:40 晴藍高校2年3組教室  

 キーンコーンカーンコーン・・・
 授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。

「はぁ〜っ。・・・今日もやっと終わったか」

 そう言って光紀は机の上に広げていた全く目を通していない教科書と(落書き以外は)ほとんど何も書かれていないノートを手早く机の中にしまった。
 
 光紀は教室から通学カバンを持って出ると、急いで校門へ向かう。
 それは当然ステキな彼女が自分のことを待っているからではない。単に早く学校から出たいだけだ。

(彼女が本当に待っててくれればなぁ・・・いるわけないけど)

そうこう叶うはずもない妄想をしているうちに光紀は校内と、外のコンクリでできた山道とを分ける校門の前に到着し、急いで学校を後にした。           
 光紀は比較的ゆるやかな下りの山道を走り、その途中にある傍目からは分からない細い小道に入っていった。
 
 その先へ2〜30mほど進むと、小さな東屋があった。

 光紀はおもむろに木でできたベンチに腰掛け、軽いカバンからお気に入りの雑誌を取り出して読み始める。
 
 光紀がこの場所を偶然見つけたのはひと月前のことだ。
 その日、ふと脇道があるのに気付き、興味をそそられて入っていくとなぜか東屋があったのだ。
 どうやら誰もその場所のことは知らないらしく、今まで誰かが来たような形跡もない。
 それ以来、光紀はよくここに来ては静かに読書をしたりして過ごしている。しかし照明がないので、そこにいるのは1,2時間ほどが限界だ。

(今回のファ○通の特集はいまいちだな・・面白いと言えば面白いけど。)
(・・・・なんか疲れたな、今日も授業中にちゃんと寝たはずなのに・・・)
 雑誌を開いて10分ほどすると、睡魔が訪れ、光紀はベンチに座ったまま眠ってしまった・・・ 







―日時不明 不思議な東屋

(・・・やばいっ!!寝過ぎたかっ!?)

 俺は一気に目が覚めた。いつもはここでうたた寝などをしたことはなかったので少々焦ってもいた。

(今の季節じゃ5時過ぎには暗くなり始めるから、もう帰らないとかな)
そう思って木のベンチから立ち上がると、俺は周りの景色に違和感を抱いた。

(あれ?1時間ちょいくらい寝たとおもったんだけど・・・暗くなるどころか明るくなってきてないか??)
 何かがおかしい。ここに来た時は太陽がだんだんと西に傾いていくところだったはずだ。
しかも周りに生えていた木々も、広葉樹から見たこともないくねくねしたものになっている。

(まだ夢の中ってわけか?だけど夢の割にはリアルだな・・)
 こんな夢を見るのは久しぶりだと俺は思った。なぜか俺は最近夢を見ることがなくなっていたのだ。

(あんまり寝過ぎるのも良くないよな・・とりあえず起きるか)
 そう思って俺は夢から覚めるようにと念じた。
 ・・・・起きられない。目をつぶって「これは夢だから覚めろ」と考えても何も起こらない。

(仕方ないから適当に歩き回って起きるのを待つか)
 そう決めて俺は山道につながる小道に向かった。が。

(道がない・・・)
 仕方ないのでやみくもに林の中へ突っ込んでいくことにした。

歩きながら周りを見ると、鬱蒼と茂った木々の中からうっすらと光が差し込んでいて、とても奇麗に思えた。

(それにしても俺の妄想力ハンパないな・・起きてるときと変わらないくらいリアルな気がする・・)
 ふと俺はそんなことを考えていた。

ガサッガサッ
 
 ふいに前方の茂みから音がした。
(なんだ?人でもいるのか??)
 俺は興味本位で近寄ってみることにした。そして茂みの奥を見ると・・・


そこには人がいた。
 いや、人だけど何かが違う。肌の色がまるで死んだ人のように青白い。
 こちらの気配に気づいたのか、それはゆっくりとこちらを振り返った。

「ぎゃ〜!」(まじかよゾンビじゃねえか!?バ○オの中だけにしとけよ!)

 俺はビビりまくってとっさに叫んだが・・
 
 よく見ると某バ○オのゾンビと違って目玉がプラーンしていたり、口が裂けていたり、体がズタズタで血にまみれていたりはしていない。
 いたって普通(?)だ。
 
 そして女の子のようだ。しかもかわいい。下手するとそんじょそこらの生きている女の子よりかわいいかもしれない。着ている服はワンピースのようだが、所々破れてるせいで地肌が見えてなんだかエロい。

(どうするよ・・・夢だからなんでもありってことか?でも俺ゾンビ萌えとかじゃないんだけどな・・)
 
 そうこう考えているとこの娘はこっちにゆっくりと近づいてきた。どうやら某○4Dのとは違って動きは鈍いらしい。
 
 いったい何をする気か(俺を食べるのか!?)と思ったら、いき
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