バササッバサッバサッ スタッ
貴様か? 私を指名した人間は
知っているとは思うが自己紹介をしておこう
私の名は七竈(ななかまど)
見ての通りカラステングだ
一応言っておくがこの名は仮の名 いわゆる源氏名というやつだ
ん? 何を驚いている
もしや入口では無く縁側からやってきたことに驚いたのか?
はぁ・・・情けない
貴様も男ならばこの程度のことで一々驚くでないわ!
・・・と一応貴様は客だったな
まあ良い 説明してやろう
見ての通り私の足は鍵爪になっている
この鍵爪で畳などを傷つけないようにするために空を飛んで縁側より姿を現したというわけだ
理解したか?
ふん ならばさっさと済ませるとしよう
ジャリジャリ クルリ トサッ
さて人間よ・・・こちらへ来るのだ
・・・・・・貴様は素直なのだな
ここまで無礼な態度で接すれば大抵の者は憤慨するものだがな
・・・まあよいか
そら 貴様に私の足を枕にして寝転がれる栄誉をやろう
私の足に乗せたこの座布団に頭を乗せるがいい
トサリ
よし では耳穴が見えるように寝転べ
ゴロリン
では少し待て・・・
ヒュオオオォ
『喝』!
ピシン!
フワ フワ フワ
どうだ? 耳かきが浮いているのが見えるだろう
これぞ我々カラステングが編み出した神通力の力だ
ふふふ・・・褒め称えてもいいのだぞ人間
なぜ神通力を使うかだと?
見ての通り 我々カラステングではこの耳かきを握ることは非常に難しくてな
代わりにこの神通力を利用し 耳かきを浮かして操ることでこの仕事を可能にしたというわけだ
大丈夫なのか・・・だと
口には気をつけることだ人間
我々は長き月日を修行に費やしてきたのだ
この程度の神通力はお茶の子さいさい
・・・と口で言っても理解はできぬだろう
なればその身で確かめてみれば良いだろう
いいか 動くなよ
まずは入口まわりだ
ここは薄い垢が溜まりやすい場所でな
そら こうして耳の溝にそって
フワン ト ツツー
どうだ? 存外溜まっているものだろう?
さあ 続けてゆくぞ
フワン ト ツツー
フワン ト ツツー
フッ!
溝はこんなものだろう
次が本題の耳の穴の中だ
どれ よく見せてみろ
どうやら奥のほうに塊があるようだな
いきなり取ると痛いからな
まずは手前の垢を取り除いて 耳に刺激を与えてやろう
そら 私の操る耳かきが貴様の耳に入ってゆくぞ
耳穴に耳かきが入る感覚が分かるか
耳かきが中の毛に触れ こそばゆい感覚が訪れているのだろ?
そこへひっかく刺激を与えれば
カリッ ツツー
ゾクッとした感覚が耳を通じて頭の先から背筋を駆け巡る
どうした そのようにプルプルと震えてからに
私の言葉通りの感覚を受けているのか?
可愛い反応をするではないか
もっとよくしてやろう
そら 今度は上下左右を不規則にひっかいてやろう
カリッ カリッ
コシュ コシュ
カリッ カリッ
コシュ コシュ
ふふふ・・・本当に可愛いな
さて、そろそろ奥のほうの塊を取り除いてやろう
奥の方は神経が敏感だからな、慎重にやらねばな
まずは付着している塊を剥がせるように何度もこするからな
ザリッ ザリッ ザリッ
ザリッ ザリッ ザリッ
痛くはないか?
大丈夫か それならばよい
よし いったん引き戻すぞ
だいぶ削れたはずだからな
あとは引っかき剥がすだけだが
ただ剥がすだけでは少し痛むだろうからな
特別に私の唾液を使って剥がしやすくしてやる
どういうことかだと?
こういうことだ
あむっ れろ ちゅぱ
と 耳かきの先を唾液で湿らせて 耳垢を取りやすくするということだ
なんだ? もしや私が耳穴に直接唾液を垂れ流すなりすると想像したのか
そうして欲しいのなら やってやってもよいが
残念ながら今は仕事中だ
職務を逸脱する行為は好ましくないのでな 許せ
むっ 貴様と話しているうちに唾液が乾いてしまったな
仕方が無いもう一度舐めるか
あむっ れろ ちゅぱ
さあ乾かぬうちに取り掛かるとしよう
ゆっくりと奥へ進めて
削れた部分に先を引っ掛けて
こすりながら
コシコシ・・・ ザリザリ・・・
コシコシ・・・ ザリザリ・・・
ゆっくりと引き剥がして
ペリペリ・・・ ペリペリ・・・
ペリッ!
と 取れたな
なかなかの大物だな
これでこちらの耳は一通り終わったな
あとは仕上げをして反対側に移るとしよう
ヒュオオオォ
『疾』!
ピシン!
フワリ ヒュウウウゥ
こそばゆそうな顔をしているな
まあ無理もない
貴様の耳穴に直接風を送り込んでいるからな
こんな経験 そうは無いだろう?
しっかりと堪能することだ
ヒュウウウゥ
さてこれでこちら側は大丈夫だな
さあ 次は反対だ転がりなお
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