第四章 エリエールの日記 その二 (ほのぼの、ギャグ)

なんと言えばいいのだろうか?
こういう場合。

私たちは今、現段階で謎の人物でもあるターキン=レオンについていき、あまり人の通らない裏通りを進み、ギルドと呼ばれる場所にやってきた。
そこまではよかった。
しかし、私が今悩んでいるのはこの目の前にあるギルドと呼ばれている建物だ。

  ・・・・・・・・・・・・

やはりどう考えてもあの言葉しか、あの形容句しか見当たらない。
一言で言えば。

物凄くボロイ。

「あの本当にここ冒険者ギルドなんですか?」

「ああ、そうだ。ここがシンボリ大陸で一番大きい冒険者ギルドさ」

その言葉を聞きさらに顔をしかめるフレイヤ。
その顔はまさに信じられないと言った顔だった。

「そんな顔をするなよ、せっかくの美人が台無しだぜ」

彼は笑いながら、そんなことを言ってきた。

「からかわないでください。なぜこんなに建物が荒れているんですか?」

そう彼女の疑問はそこにある。エリエールの冒険者ギルドはシンボリ一、それなのに建物からは人の気配が感じられない。

「その理由も兼ねて中で教えてやる。とりあえず入ろうぜ、なっ」

ポンっと肩を叩いて彼はギルドの中に入っていく。

 ギィイイイ ガコン

「姉貴、とりあえず考えても始まらないんだし入ろうぜ!!」

「そうだな」

カリンに言われて中に入る決意をした。

 ギィイイイ ガコン ガコン ガコン ガコン

金具が錆び付いているのか少々うるさい音が響いた。
中に入ってみると外とは違いなかなかキレイにされていた。
壁にはたくさんの紙が張り巡らされていたがそれ以外は至ってキレイだった。
ギルドの中は雰囲気的には酒場に近いものを感じた。

「へぇーなんか外とは違ってキレイじゃん」

「馬鹿、カリン姉さん、そんなことは思っても口にしちゃだめよ」

「い、いけないですよ、お姉ちゃん」

「すまないレオン殿」

「はっはっはっは、いいよ気にするなよ実際事実だからな。
それよりも聞きたいんだろ?オレの事もこのギルドの事も」

「はい」

「そうだな・・・それじゃまずはオレの事からいくか。
座りなよ、立ったままじゃ疲れるだろう?」

そう促されて私たちは近くの椅子に座った。

「名前はさっき言ったから分かるよな?フレイヤたちが気になるのはオレが何者なのか?そんなところだろ。
簡潔に言えばオレはこのギルドでマスターをやっているんだ」

「「「「えっ!?」」」」

「なんだよ、その意外そうな声は」

「だってさぁ、ギルドのマスターって、つまり一番偉い人だろ。
そんな風には見えないんだけど」

「いけないな〜カリンちゃん、人を見た目で判断するといい事ないぜ〜」

「見た目も中身もそういう風に見えないんです」

 グサッ

「あ、あまり、見えないです」

 グサッグサッ

「グフッ、言葉の攻撃に早くもダウンしそうですオレ」

レオンは心にダメージでも受けたのか、泣きそうな顔になっていた。

 こほんこほん

フレイヤが咳払いをする。

「ああすまないな、本題からそれるところだった。次にこのギルドがボロくて、そしてなぜ人がいないかについてだ。
フレイヤたちはアイビスカ大陸って知っているか?」

「ああ本で読んだからその存在は知っている。何でも教団派と親魔物派が対立している世界で一番大きい大陸だと」

レオンはこくりと頷いた。

「その通りだ。実はこのアイビスカ大陸で一年前に戦争が勃発しやっがてな。
現在でも戦争中なんだ。今は教団派が一歩リードしているのが現状だ。
その証拠に大陸の六割は教団派の領土となった」

「馬鹿な戦争だって!?何でそんなおろかなことを!?」

「教団派の準備が完了したということだろう、奴等は魔物を憎んでいるからなその憎み方は異常だ。
まあともかくその戦争が勃発したときにオレのギルドにいた連中はみんなアイビスカに行っちまったんだ。あるやつは金のために、あるやつは親魔物派を助太刀するためにみんな行っちまった」

「なぜあなたは行かなかったんですか?」

「オレも当時は行こうと思っていたんだがな、だがオレがここを離れるわけには行かない理由もあった。一年間オレはずっと我慢してきた」

「なぜですか?何で行かないんですか?行って仲間を助けようとは思わないんですか!?」

「行きてえよ。だがこの街を離れるわけにはいかねえんだ」

レオンの拳はわなわなと震えていた。
彼には本当に行けない理由があるのだろう。

「すいません、出過ぎた真似をしました」

「いやなに、気にすることはない・・・まあそういうわけだから、現段階でギルドに所属しているやつらがいねんだ。だから依頼も受け付けることができなくなっちまってな、ギルドの経営は今深刻なんだ」

「そうだったんですか、苦労しているん
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