のんきな女性剣客と昼と夜の顔を持つ蜘蛛

深い深い森の中、あたりを見回して目に映るのは、樹齢何百年は経っているであろう巨木群、無造作に伸びた草花、コケがこびり付いている岩、まさに樹海と言うにふさわしい森である。

「なんやろこれ、デジャブや・・・」

そんな森の中で女性の声が発せられた。

「前に森を通り抜けることもでけたから、大丈夫やと思って通っただけやったのに・・・」

どうやら声の主は以前通り抜けることが出来たから森を通ってしまおうと考えたらしいが、見事に迷ったらしい。

「これじゃあ〜旅に出たころとなんも変わらんがな〜」

 この迷子の人物は皆様ご存知の御巫友華、その人である。

「こういう時はとりあえず・・・勘を頼りに歩くと意外に助かるもんや」

本来なら迷った森で適当に歩けば確実にお陀仏なので皆様は真似しないように。

「おお〜・・・あそこになんか気配を感じるで〜突撃や〜」

のはずなんだけどな〜。
友華は現在ネコマタの能力(ネコの特性を受け継いでいる)のため気配察知能力と俊敏さと気まぐれな心が常時展開されているのだ。
その気配察知能力で森の中でとある気配を発見することに成功していたのだ。
そしてその俊敏さでその気配の元に飛び込んでゆく友華。

ちなみにこの森に入ったのは完全に気まぐれな心の所為だったりする。


 −−−森の宿−−−


「こんな所に旅籠があるやなんて・・・物好きもおるもんやな〜」

かなり失礼なことをぶっちゃける友華はとりあえず道を聞くために宿の引き戸に手をかける。

「ごめんください〜」

中に入って挨拶の言葉を言う友華、すると奥のほうから和服美人と形容できる女将さんが現れた。

「いらっしゃいませ。当旅籠にようこそおいでくださいました」
「あ〜ちゃうちゃう、別に泊まりに来たわけやないんやけど、ちょっと道を聞きたいだけなんや」
「そうでございましたか、ですがこのまま森を進んでも途中で日が暮れてしまいます。良ければ本日ご一泊されてから明朝お発ちになられたほうが良いかと」
「う〜ん、お気持ちは嬉しいんやけど、あまり銭があらへんから出来れば使いとうないんやけど」
「それでしたら、本日の料金は要りませんので遠慮なくお泊りください」
「えっ?タダなんか?なんぼなんでも、タダはサービスしすぎやないか?」
「ご心配なく、その代わりといってはなんですが、夜に少々お手伝いをお願いしたいのです。そのお手伝いが料金の代わりです」
「なんのお手伝いをするんや?」
「それはその時になったらわかりますよ。大丈夫ですそう難しいことではありませんので」
「そこまで言われたら、断れへんな。ほな今晩よろしゅうたのんます」
「はい。ではお部屋へご案内いたします」

この時友華は気づいていなかった。
女将さんの瞳がまるで捕食者を捕らえたような鋭いものに変わっていたことに。


     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「・・・・・・うーん、さ、さむい・・・へっ!?さむい!?ってなんやこれ!!」

友華はあの後女将さんが腕を振るって作ったと言われる豪華な料理に舌鼓をうち、十分堪能したところで急に心地よい眠気が襲い、そのまま崩れるように眠ってしまったのだ。
そして現在、友華は寒気で目を覚まし、全裸で四肢を何か白い糸で捕らわれているのに気が付くと今に至る。

「な、なんでわて裸になってるんや?」
「それは私が裸にしたからでございます」
「!?お、女将はん・・・その姿は」

友華が声の方を向くと、そこには下半身を蜘蛛の足に変えて妖艶な笑みを浮かべる女将がいた。

「実は私ジョロウグモという魔物でして、昼間に見せた人間の姿は魔力を用いた変化の術なのです」
「そ、そうなん・・・ホンマは聞きとうないんやけど、わてを裸にして縛っとるちゅうことは・・・」
「ええ、昼間に申し上げました夜のお手伝いでございます。簡潔に申しますとあなた様の愛液が・・・ほしいのよ・・・!」
「ええと・・・全力でお断りしたんやけど・・・」
「駄目よ・・・せっかく捕らえた久しぶりの獲物なのだもの、大丈夫・・・命を取るほどのことはしないわ・・・まあ、あまりの快感に私のことが忘れられなくなるかもしれないけどね」

そういうと女将は友華の唇を奪いゆっくりと舌を挿入して、口腔内をねっとりと蹂躙した。
絡みつく舌に友華ももはやあきらめの気持ちが出たのか抵抗することなく舌を絡みつかせ女将のキスを受け入れる。
続いて女将はキスをしながら、友華の胸へと手を伸ばし、形の整った美乳をマッサージをするかのようにゆっくりと揉みしだく。
突然の胸への愛撫に友華の体はビクリと反応してしまい、女将を喜ばせてしまう。

「んふぅ・・・あなた、かなり遊びなれているみたいね、私のキスを難なく受け入れるし、おしとやかな顔をしていったい
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