あれから一月・・・
ぬれおなごと旅籠の料金を返すために働き、ついに返済が終了した一人の女性剣客は新たな未知の土地を目指し、商いの街ナニワをいよいよ旅立つために準備をする・・・はずだった。
「ほわ〜・・・さすが商いの街や、いろいろ珍しい物が置いてるんやな〜、あれはなんやろか?・・・こっちはきれいな石がたくさんあるな〜・・・う、うまそうな食べ物がぎょーさんある!?・・・ここは酒がたくさんあるな〜・・・」
相変わらずな関西風な方言を使いあちこち見て回っているのは皆様ご存知の御巫友華である。
本来は旅立つ準備のために街に繰り出した友華だったのだが、ナニワで売られている数々の品があまりに珍しかったためにすっかり本来の目的を忘れてナニワ珍しい物巡りを開始してしまったというのが現在の状況である。
「ふぅ〜さすがにこれだけ練り歩くとごっつしんどいな〜どっかで一休みしよかな〜」
さすがの友華も疲れが出てきたのか一旦どこかで休もうと適当な場所を探し始める。
あたりをきょろきょろと探すと少し先に大きい橋が架かっているのが友華の目に入ってきた。
「おっ!あそこなんか涼しそうでええな!よっしゃ、すぐにいくで〜!」
−−−大きい橋の下−−−
「とうちゃ〜くやで〜!・・・ん?」
橋の下に到着していざゆっくりと休もうかなと思った矢先のことだった。
そこにはすでに先客がいて、それがジーっと友華のことを見つめているのだ。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
沈黙がその場を支配すること数分。
「・・・・・・」
「・・・・・・(クイッ)???」
「かっわえー
#10084;
#10084;
#10084;
#10084;
#10084;」
「ニャ!!!?」
事態は急変した!そう実はさっきから友華と見つめあっていたのは一匹の猫だったのだ。
猫が『あんただれ?』という感じで小首を傾げた瞬間に光の速さで友華は猫に抱きついていたのだ。
これがもし普通の猫だったら顔に引っかき攻撃のひとつでもかまして即座にその場を離脱するのが通常の流れなのだが・・・・・・
「・・・(ぺろぺろ・・・)」
「はう!?くすぐったいがな〜、う〜堪忍して〜な・・・」
なんとその猫は逃げるどころか抱きついてきた友華の顔をぺろぺろと舐めはじめる。くすぐったいのですこし離そうとするが離れようとはせずに逆に近づいて顔面全体を舐めまわそうとし始めたので友華は慌てて、猫を力ずくで引き離そうとするが、それでも猫は諦めようとはせずにヒシッと友華の首に捕まるため、爪が首に食い込んで引き離せないといった事態にまで発展していったのだ。
「いた!いたいたいたいがなー!!!!!」
あまりの痛さに悲鳴をあげる友華に猫も悪いと思ったのかそっと手を離して(もとい爪)友華の手の中でジーっと見つめ始める。
「あたたたた、とんでもない逆襲におうたわ・・・でもかわええから許したる
#10084;」
「にゃん♪」
「ああ〜
#10084;本当にめっちゃかわええわ
#10084;もうお持ち帰りしたいわ〜
#10084;」
「・・・・・・そんにゃにあたしは可愛いかにゃ?」
「へっ?」
猫ラブ魂全開の友華の耳に突然聞こえてきたもうひとつの声。
友華はどこから聞こえてきたのかとキョロキョロと辺りを見回すが声の主らしき人物は見当たらず?マークを飛ばす。
「こっちにゃ」
「・・・えっ?もしかして・・・」
友華の見つめた先にはやはりというべきなのか、さっきから抱きついていた猫が片手をあげてアピールをしていた。
「もしかして、今の声は猫ちゃんが?」
「その通りにゃ!」
「最近の猫は喋れるようになったんやな〜」
「いや、違うにゃ(ズビシッ)あたしはネコマタっていう魔物なのにゃ」
「へっ?まもの?・・・マ、マジ?」
友華の的外れな意見に素早い突っ込みをいれて、あっさりと正体を明かすネコマタに友華はなんとなくいやな予感がして、背筋に冷や汗が流れるのを感じた。
「今は猫の姿なんにゃけど、ちゃんと人間の姿にも化けれるのにゃ♪」
「へ、へ〜、すごいんやな〜、せやけどなんでわてに正体を簡単に明かすんや?(汗)」
「実はあたし、人間の男も好きにゃんだけど、女の子も好きにゃの♪だ・か・ら・・・(ドロン)」
ネコマタの体が唐突に煙に包まれ、友華の手にいた軽い猫の感触がズシリとしっかりした感触に変わっていく。
煙が少しずつ消えるとそこには、ぴょこんと生えたかわいい猫耳、獲物を捕らえるような鋭いネコ目、もふもふしたネコ手足に2本の尻尾、一糸纏わぬ裸体(胸はあまり出てない)といった風体の女の子が現れていた。
「ふにゃ〜変身完了にゃ〜♪というわけでさっそく・・・」
「ま、待ってや・・・」
「イヤにゃ〜♪」
友華が抵抗の声を上げようと
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