キーン ガッガッ キーン
「うおおおおお!!!!!」
「くうっ!!!」
ブレイズが本性を出してからの戦いはマジにきつくなっていた。
最初の素手での戦闘とは違い、今は重量のある両手剣(ここからはクリムゾンと呼ぶ)を使い果敢にせめてくるからだ。
同じ性質の武器だと思い最初はどっちが強いかはっきりさせてやると意気込んで対峙していたが、その考えが浅はかであるとすぐに思い知らされた。
さっきも言ったがブレイズはクリムゾンを使っているのに対して、俺の方は刀・・・・・・武器の耐久力では明らかにこっちが分が悪いと気づかされた。
そうなると必然と打ち合いを避けて、相手の攻撃をかわしたり、いなしたりしつつ隙あらば攻撃を仕掛けるという戦法を取らざるを得ない。
だがブレイズには隙という隙はまったくと言っていいほどになかった。
クリムゾンを片手で扱い、ただ振り回すだけでなく洗練した剣裁きとトリッキーな剣術、さらに徒手空拳も加わるというまるで台風でも相手にしてるような状態だった。
「くっ、ありえねえよ・・・あんな得物振り回してなんで隙ができねえんだ?」
「どうしたどうした!お前の実力はその程度か!もっと本気を出してくれないとつまらないだろうが!」
「ちっ!リベートなんかいい方法は無いのか!?」
『正直なところ、現在の炎馬様の実力では彼女に勝つ可能性は約10%ほどしかありません。最善の策としては降参することをお勧めしますが』
「冗談!これはあの無茶苦茶な師匠が出した試練だぜ?降参なんてしたら何をされるかわかったもんじゃない!それに俺は負けるのが大嫌いなんだよ!」
『そう言うと思っていました。いくつか方法があります』
「なんだ!教えてくれどうすればいい!」
『ではその方法を直接炎馬様の脳に送り込みます』
すると、俺の脳裏にリベートが示す方法が瞬時に頭に流れ込んできていた。
「なるほど・・・たしかにこれならいけるかもしれねえ」
『制御はおまかせください。炎馬様はご自分の感覚を信じてください』
「おう!よろしく頼むぜ!リベート!」
『Yes,My Master』
「退屈な独り言は終わったか?内容を聞いてみるに何かと相談している感じだったが・・・何か秘策でも思いついたのか?」
「ああ!お前を倒すための策を見つけたぜ!覚悟しろよ!!!」
「面白い!その秘策とやら見せてみろ!!!」
俺は刀を鞘に納めて代わりにハンドガンを2丁取り出す。
「またその銃か?それは俺には通用しないと言ったろうが!」
俺はその問いに対して答える代わりに引き金を引く。
ズッガーン ドッカーン
「な!?」
ブレイズが避けたとはいえ驚いていた。それもそのはずハンドガンから出た弾丸がリンゴほどの大きさで炎を纏って出てきて、当たった場所が大爆発を起こしたのだ。
「すっげーな、魔力の送る量を増やしただけでこんなんになるとはな」
『さらにこの威力で連射が可能です。炎馬様は前魔王の魔力を5分の1も引いているので魔力切れは起きないと思われますので遠慮せずに撃ち込んでください』
「おっしゃー!どんどん撃ち込むぜ!」
ズガガガガガーン ドカドカドカピカッドッカーン
俺は容赦なく弾丸を撃ち込みブレイズを爆発の海へと沈めていく。
これが秘策のうちの一つ魔力量を増やして火力をあげるだ。
シンプルだが攻撃の手段としてはこれが最善策だった。
「はあ、はあ、はあ・・・これだけ撃ち込めばさすがにくたばったろう。今回は手加減は無理だった。恨むなよ」
『・・・!?まだです!炎馬様!!!』
「えっ!?」
【火竜の化身】
リベートの発言に驚き炎の方を見るとブレイズの声が響き渡った。その直後炎の中から飛び出して来るものが見えた。
「な!?火竜だと!?」
炎の海から飛び出てきたのは紛れも無く火竜だった。火竜は一直線に俺目掛けて飛んできていた。
「うおおおおおお!!!!!」
間一髪の所で横っ飛びをして避ける俺。しかしその行動は俺にとって最悪の結果へとつながっていた。
「さっきの弾丸の礼に舞を踊ってやる。ありがたく受け取れ!!!」
【火竜の舞】
飛んだ先にいたのは全身から炎が出て心の底からこの状況を楽しんでいる表情をしたブレイズの姿だった。そしてクリムゾンを持ち独特の構えを取ったと思ったらまるで舞を踊っているかのように流れるような動作で俺に斬りかかっていた。
ヒュンヒュヒュヒュンヒュヒュヒュン・・・・・・チン
気がつけば、剣を鞘にしまっていた。
俺は何しまってんだと声をかけようとしたができなかった。
ザザザザザザシュ ブッシャーーーーー ドサリ
あれ?なんだこれ・・・目の前が真っ赤だ。
いや俺が真っ赤なのか?あれ?俺何してたんだっけ?
何か大事なことをしてい
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