バトルクラブの入り口に当たる洞窟の前に一人の男と二人の魔物が立っていた。
男の姿は真っ赤な着物に丸の中に蝶の家紋をデカデカとあしらった紺の羽織を羽織っており、顔にはどこで仕入れたのか狼を表した覆面マスクをつけている。
そしてその男の後ろに立っている魔物は一人はリザードマン、一人はアヌビスだった。
「アヌビス、例のバトルクラブとか言うやつはこの洞窟の先でいいのか?」
「はい、ろ「ふぇんりるマスクな」・・・フェンリルマスクさん」
「は〜。本当にそんなダサい名前で出る気なのか・・・フェン」
「そんなにダサいか?」
「「ダサい(です)」」
「・・・・・・我ながら良い名前を思いついたと思ったんだがな、ちぇっ」
フェンリルマスクは二人の言葉にいじけて地面に「の」の字を書き始めた。
「そんなとこでいじけてないで、参加するなら早く行きましょうフェンリルマスクさん」
「・・・ああ、そうだな」
三人は洞窟の中に入っていったのだった。
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所変わってここは闘技場。
ワァアアアアアアアア!!!!!!!
観客は大いに盛り上がっていた。
一人の人物が、猛烈な勢いで相手を倒していくのだ。
しかも素手で武器を持った相手に特殊な方法を用いて降参を迫るのだ。
それは・・・
「あなた素敵ね〜。できればあなたのような素敵な人は殺したくないのよね〜。でもルールはルール、せめてあなたの大事な穴をゆっくりと掘った後に・・・」
「ギャアアアアアア!!!!!止めてくれ!!!!降参する!降参するから!それだけは勘弁してくれ!!!!!!!」
このように相手の男はこの人物の一言により、全員悲鳴をあげながら降参するのだった。
この人物、一見すると美しい女性に見えるのだが、先程言った台詞から想像できると思うが・・・この人物はオカマである。
髪型はロングヘアーで金髪。
服装は赤い皮で作られたベストを着ており大きさは肩から腹部まででへそが見えてしまっている。
胸元がよく見えるよう、縦に切れ目が入っているが、肝心の胸元は悲しいことに男の胸をアピールするかのごとくまっ平らであった。
下半身は黒い長めのズボンとハイヒールを履いていた。
この男の肌は手入れがしっかりされており、男のように毛深い肌はそこにはなく美しいレディーの肌がそこにはあった。
知らない奴が見れば十中八九女性として見てしまう程の美貌がソコにあったのだった。
そんな彼の名前はルーズメルト。
武器は使わず、己の肉体のみを使い相手を屈服させてきた強豪である。
「あら〜残念。もう少しでオカマの良さをわかってもらえたのに、ホントザ〜ンネ〜ン」
・・・・・・強豪の・・・はず・・・・・・
「ね〜。そこのダンディーな審判のオジサマ、次の対戦相手はどなたかしら?」
「まだ続けるんですか?」
「ええ、私はまだ疲れていないし〜、良い男にばっか会って興奮が収まらないのよ。オ〜ホッホッホ」
「わかりました。続いてのチャレンジャーの入場です!!!」
ドッカーン!!!!!
審判の声が響き渡り、入場を演出するための小規模な爆発が起こる。
爆煙で見えにくくなってるゲートの奥から人影が見えはじめた。
やがて徐々に煙が晴れ、姿を現したのは一人の女性だった。
「続いてのチャレンジャーはジパングからやってきた女性剣客のトモカ=ミカナギ!!!!!!」
現れた女性は青い着物に身を包み、腰に獲物である日本刀を差しており、表情はどこかのほほんとしておりあまり覇気は感じられなかった。
「どうも、お待たせしました。わてが対戦相手になるトモカいいます。よろしゅうに」
「あなたが次の対戦相手なの?」
「ええ、なんやお金が手に入るゆうからきたんやがここはおっかねえとこですわ、でも最初の相手があんさんみたいに美人な人でよかったですわ」
「あら、褒めても手加減しなくてよ」
「・・・なんやか、あんさん不機嫌みたいやけど、どないしたんですか?」
「不機嫌な理由?・・・それはね」
カーン!!
「あんたが女だからよ!!」
ダッ ガシッ ズダダダダダダダダダダ ドッカーン!!!!!
ゴングがなった直後、ルーズベルトは地を蹴り、油断していたであろうトモカの顔を鷲掴みにし、その勢いのまま闘技場の壁まで行き叩きつけた。
そしてそのまま顔を掴んだまま壁から引きずり出して、さらに力を込める。
「あっ!がぁ!ぁあああああ!!!!!」
トモカは自分の顔を掴んでいるルーズメルトの手に手をかけ、何とか引き離そうとするがまるで万力に挟まれたようにびくともしない。
徐々に叫ぶ力も抵抗する力も無くなったのを確認したルーズメルトはぱっと手を離したその直後。
ヒュン ズガン!
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