ここはバトルクラブの入り口にあたる洞窟の前ここに一人の男が倒れていた。
「うっ、うーん、ここは、どこだ・・・」
男は洞窟の前にいた。
男の姿は漆黒のローブを身にまとい、その雰囲気はまるで地獄の使者といわんばかりの雰囲気をかもし出している。
「私は・・・私の名はジェイド、ジェイド=フライス」
男はなぜかぶつぶつと独り言をしゃべっている。
そこに。
「ようよう兄ちゃん、そんなところで突っ立てると邪魔なんだよ。入るならさっさと入ってくれねえか?」
突然後ろから柄の悪そうな男たちが三人やってきた。
「なんだおめえそんな身なりでバトルクラブに参加するつもりか?ギャハハハハハハハ、こいつは傑作だぜ!」
「バトル、クラブ・・・バトルクラブ・・・」
「なんだ?なにさっきからぶつくさ言ってんだ?」
「御頭こいつ頭おかしいんじゃないんですか?」
「どの道参加者が増えると面倒だし、ここで殺っちまいませんか御頭」
「そうだな、兄ちゃん悪いが俺たちが参加して勝ち残るためにもよ、ここで死んどいてくれねえか!!!」
そう言って御頭と呼ばれた男はジェイドに向かって、剣を抜き放った。
当たれば首が飛ぶという剣筋だった。
しかし。
ヒュン ザン!!ビシャアアアア!!!ドサ
首が飛んだのは御頭と呼ばれた男の首だった。
「・・・お、御頭!?」
「お、御頭の首が・・ひえええええ!!!」
「ま、待ってくれ!!」
残った二人は一目散に逃げ出した。
しかしいつの間に回りこんだのか目の前には漆黒のローブをまとったジェイドがいた。
その手にはローブと同じく漆黒の大鎌があった。
その大鎌から先ほど斬ったであろう御頭の血がぽたりぽたりと流れ落ちていた。
「た、助けてくれ!!命だけは」
「・・・・・・」
ヒュン ザン!!ビシャアアアアアア!!!ドサ
「あわああ、ああ、た、助けて、い、命だけは・・・」
「死ね」
ヒュン ザン!!ビシャアアアアアア!!!ドサ
わずか数分の間にジェイドは荒くれ共の首を飛ばした。
「私は誰だ?名前はジェイド=フライス、バトルクラブに参加する。これ以外の私の記憶がない」
そうジェイドは記憶喪失だったのだ。
「だが、戦い方は覚えてる、こいつは私の相棒」
そういうとジェイドは大鎌をかざした。
突如闇に染まった空間が出現し、大鎌を引きずり込んでゆく。
大鎌は完全に飲み込まれて消滅した。
「私の記憶の手がかりはバトルクラブにありそうだ」
そういってジェイドは洞窟に向かって歩いていった。
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ジェイドはあの後受付で参加を申し込み、控え室にいた。
控え室にいる最中もずっと自分の記憶を探っていた。
しかし一向に戻る気配がなかった。
そうこうしているうちにジェイドの出番が来ていた。
ジェイドが参加したのはサバイバルバトルというもの、サバイバルバトルは試合に勝つたびに次の試合を行うか行わないかを聞き、行う場合は休憩を挟まずに戦う。行わない場合は勝利数に応じて賞金が手渡される。というものだった。
つまり勝てば勝つほど賞金がもらえるのだ。だが欲をかけば大体が体力が尽きて殺されてしまうのだ。
なので引き際見極めることが重要ともいえる。
最初の相手はどこにでもいそうないかつい戦士だった。
「おぬしに恨みはないが、私の大切な家族が私の帰りを待っている死ぬわけにはいかんのだ。覚悟せよ」
「・・・・・・覚悟?」
そう言ってジェイドは目の前に手をかざした。
先ほどと同じ闇の空間があらわれそこから先ほど飲みこまれた大鎌が出てくる。
「貴様を、殺す覚悟か?」
あまりに異様な光景に唖然とする観客と戦士。
「き、貴様何者だ?」
「それは・・・私にもわからんよ」
言い終わると同時にジェイドの姿が消えた。
「き、消えた!?」
ヒュン ザン!! ビシャアアアア!!!ドサ
突如後ろからジェイドが姿を現し、戦士の首を跳ねた。
戦士の顔は驚いた顔をしたまま死んでいた。
「だがなぜかな、人の首を切るのがとても楽しいんだ」
ジェイドは薄ら寒い笑みを浮かべていた。
その光景に観客はぞっとしていた。
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その後もジェイドは勝ち続けた。襲ってくる相手の首をいとも簡単に斬り飛ばし続けた、中には元最強の王国騎士の姿もあったが首こそ飛ばされなかったものの鎧ごと心臓を切り裂かれ絶命した。
気がつけば、ジェイドが殺した数は49人にまで達していた。
闘技場は血に染まり、凄まじい血の匂いで溢れていた。
もはや誰にも止めることができないと誰もがそう感じていた。
「ジェ、ジェイド様、次が最後のバトルとなります
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