学び舎を離れる卒業生、それを見送る在校生。
門出を祝う喜びも、離れ行く悲しさも、幾日か経てばそれは日常に埋没する一幕である。
季節は巡り冬は頬を小さく撫でる微風を残して去っていった。
陽光は暖かさを増し、地面に隠れていた新芽は土の暖かさが伝わったのか次々と顔を覗かせている。
寒さに耐えた命が、その温もりを謳歌しようと芽吹く時期。
普段目覚まし時計が鳴れば開く瞼も、この時ばかりは叛旗を翻しても許される瞬間と言えよう。
暖かい寝床は覚醒しかけた意識を急速に刈り取り、夢の彼方に羽ばたかんとする翼を遠慮なく与えていく。
微睡み、溶け、消えてはまた微睡みと繰り返す。
今の自分は単純な一つの歯車でありながら、しかし完全な循環をする一つの機関なのではないかと益体も無い考えを浮かべては心の中で頭を振る。
無駄で滑稽、何が変わるでもない考えだ。
その無駄は思考の使用域を拡大していくも、結局また霧散する。
人類の三大欲求は、人類を人類たらしめる知的遊戯すら粉砕するのか―――と脳裏に浮かべてはまた消えていく。
考えては霧散する意識は、まるで波に浚われる砂浜の文字である。
幾ら無限に砂地に書いても広大な海原はそれ以上の広さを持って掻き消してしまう。
「――――――あ
#9829;深、深い
#9829;奥っ……届いてる、からあ
#9829;
#9829;
#9829;」
果ての見えぬ睡魔と言う海原に翻弄されれつつ、さながら今の自分は浚われていった小さな砂粒なのだ、と感じる。
何と滑稽な事か。
覚醒するには海原から弾き出されねばならないのに、今自分はその只中に居るのだ。
上に、下に、翻弄され続けている。
「はぁ……はぁ……お姉ちゃん、お姉ちゃん……っ!」
「ちょっ……
#9829;待っ、て
#9829;今、今はイってる
#9829;
#9829;から……
#9829;
#9829;」
響いては遠ざかる水音。
それはさながら、己を現世に呼び戻す呼び水の音であった。
耳朶を打つそれはきっと自身が目を覚ますまで続くのだろう。
水音と自身の意識が交わっては消え交わっては消え――――――違和感が増大した。
声が近い。
先程より聞こえる音量が明らかに大きい。
その疑問を解消しようと意識が急速浮上したところで、嬌声が重なった。
「僕、もう、駄目えぇ
#9829;またイくぅうううう
#9829;
#9829;
#9829;
#9829;」
「ひゃあああああ
#9829;
#9829;
#9829;おくに
#9829;おくにびちゃびちゃせーえきでてりゅぅぅうううう
#9829;
#9829;
#9829;
#9829;
#9829;」
「人の部屋で何やってんだアンタ等あああぁぁぁーーーっ!!!???」
劇的なタイミングで己の置かれている自体を飲み込んだ夢の主―――斑鳩 豪(いかるが ごう)。
彼の目覚めは大変水気溢れるものから始まった。
「あ
#9829;おはよう、豪。随分お寝坊さんだね♪」
嬌声の片割れである人物から声が掛かる。
外見で言うなら美少年、あるいは美少女と言って差し支えあるまい。
声は変声期前なのか、幾分高く外見では男女の区別が非常に曖昧である。
何故かゴシックロリータの華美な服飾を身に纏い、目下自分の下で喘いでいる銀髪の美女に向かって一心不乱に腰を打ちつけながら粘つく水音に負けじと爽やかに朝の挨拶を投げ掛けてくる。
その様子にげんなりしながら、豪は痛む頭を押さえて口を開いた。
「……一応ここって俺の部屋だよな?一体どういう了見で何してんだ?オイ」
ぱつぱつという音が繰り返し鳴る中、ゴシックロリータを着込んだ人物は腰の動きを止めぬまま応じる。
「ん〜とね。今日は豪、大事な約束があるって言ってたでしょ?だから優しく起こそっかな〜って思って、お母さ……あ、間違えた。お姉ちゃんと一緒に起こす事にしたんだ♪」
「そう、よ
#9829;中々豪君起きないから、あ
#9829;翔ちゃんと、もう5回はしちゃったわ
#9829;」
「あ、お姉ちゃん。駄目だよ〜?今は僕が豪と話してるんだからぁ、お姉ちゃんはちゃーんと、気持ち良くなってなきゃ」
言うが早いか翔と呼ばれた人物は、縦線の入ったリブ生地セーターを鎖骨辺りまで捲り上げた銀髪美女の股座に可憐な外見に不釣合いな凶悪なサイズの男根を抜ける直前まで引き戻しては勢いよく打ち付ける。
着衣と呼べるものはそれだけしか身に着けて居らず、それが余計獣欲を掻き立てるのだろう。
打ち付けては引き戻し打ち付けては引き戻し、高速で膣を乱暴に掘削する少年―――一物のサイズ的に少年と言って良いのかは
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