「名前…名前か…」
あの後、青年をまた食堂に連れて行き、昼食を食べさせた後に砦を歩き回り、良い名前が無いか聞いて回る事にした。が、
「名前ですか?ポチとかどうです?」
犬か。
「そうですねぇー、チャッピーとかで良いんじゃないですかぁー?」
だから、犬か。
「パトラッシュ!これしか無い!」
しつこい。
「ゴッパァとかどうだろう」
名前としてどうなのだろうか。
「ジェニファー」
あいつ、男だと思うんだが。
「コッペパンマン」
何故。
「サンフランシスコ・ダーイン・エクレール・アレフガルド・ホセ・ディエゴ(ry」
長過ぎだろ。
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結果は散々だった。
結局オリビアは良い名前をもとめて、書物置き場に来ていた。
砦にいる物の娯楽のために、多くの書物がおかれている。
内容は魔物達の読むような物が多いが、中には真面目な物も(少し)ある。
いまオリビアが読んでいるのは「よくある名前大百科」
しかし、読み始めて数分後、ある重大な事に気がついた。
「(これじゃ…アネットの「ありがちな名前辞典」と同レベルじゃないか…!)」
精神的な疲労のせいか、知らず知らずのうちに楽な方法をとろうとしていた自分が情けなくなった。
「……少し、休むか」
ギシッ、と軋んだ音を立てて椅子に座り、目を閉じる。
「(そういえば…名前を付けるなんて、初めてだな…)」
名前をつけようにも小さな頃からそう言った事はアネットが勝手に決めてしまったので、
何かに名前を付けたくても付けられなかったのだが。
「(…ん?)」
ふと、目についた一冊の本『良い名前の付け方』。
何気なく手に取って本を開くと、
「ほぉ…なるほど」
次に彼女が手に取ったのは『世界の偉人達』
「この名前と…この名前で…」
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「あら、オリビア。名前は決まったの?」
「ああ。良い名前が浮かんだ。」
そう言うと少しアネットは少し意外そうな顔をしていった。
「へぇ…てっきり良い名前が思いつかないで、適当に決めると思ってたんだけど」
「(…鋭いな)」
「で?どんな名前にしたの?」
「まぁ、待て。本人に先に教えるのが礼儀と言う物だろう?」
「相変わらず堅いわねぇ〜…」
「騎士たる者、当然だ。」
二人はそんな事を話しながら部屋に戻っていった。
もう時刻は昼になっていた。
「お待たせ!」
「あ…と、おかえりなさいませ、ごしゅじんさま」
「は…?」
「ん!偉い!ちゃんと勉強したのね!」
「(やはりこいつの仕業か…)違う。そこは『お帰りなさい』だけで良いんだ」
「ん、おかえりなさい」
「それで良い」
自分の趣味(?)を軽く否定され、アネットはすねたように唇を尖らせていたが、
すぐに明るい表情になると青年に言った。
「そういえば、あなたの名前、決まったみたいよ!」
「なまえ…?」
「お前の名前だ。呼び名が無いと困るからな。」
「それで?なんて言う名前にしたの?」
「あぁ、こいつの名前は…」
一呼吸おいてから、オリビアは静かに言った。
「ロア・フレイン、でどうだ」
名前を教えたと言うのに、アネットは驚いた顔で固まっている。
「………」
「…どうした?」
「いや、その、あまりにも貴女らしくない名前だったから…」
「は?」
「もっと、こう、エクスカリバーとか、グングニルとか、村正とか…」
「私は別に武器オタクじゃない。過去の偉人の名前を混ぜ合わせたんだ」
「へぇ…以外と普通な名前の付け方なのね。それで、どんな人なの?」
「よく聞いてくれた。ロアと言うのは、約200年前に…」
(中略)
「その際、たった一人で敵を殲滅した…」
「……」
「(長い…)」
(中略)
「そして、友軍たちのために自ら囮となり…」
「……ねぇ、オリビア?まだ長いのかしら?」
「ああ。後半分ほどだ」
「……」
ぐうぅぅ〜…
「ん?何の音だ?」
「!この、ロアのおなかが鳴ったみたい!そろそろ晩ご飯の時間ね!食べにいきましょ!」
「あ、おい。まだ続きが」
「さあ!行くわよロア!」
「あ、はい」
「(助かった…武器マニアじゃなくて、偉人マニアだったのかしら)」
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「では、いただきます!」
「いただきます」
「いただき、ます」
三人で食堂に向かい、そこで昼食をとる事にした。
「ん、おいしいわねぇ。ロア」
「はい」
食事をとりながらオリビアはアネットに聞いた。
「指令官。仕事の方は大丈夫なんですか?」
「…ねえ、オリビア」
「何か?」
「あなたが私を司令官として認めてくれているのは嬉しいわ。私に敬
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