「はぁ、はぁ、はぁ........」
俺は彼女を求めて走っていた。
数日前、俺の隣にいたあの子。
その子が........あの海に溺れてしまうなんて........
「ああ........もう終わりだな........」
俺はあの海を恨んだ。
どうして俺の彼女を連れ去ったんだ。
どうして俺の彼女を殺したんだ........
数週間後........
俺はまだ、深く落ち込んでいた。
「海に行くか」
気分転換くらいにはなるだろうと思い、海に行った。
天気予報では雨の予報が出ていたが、気持ちのいいくらいの晴天だった。
しかし。
「ゴォォー!」
「ザアァァァァ」
大嵐になってしまった。
あそこの木の下で雨宿りしよう。
「うーっ........やっぱ天気予報当たったな〜」
その時
ゴロゴロゴロゴロ........
ピカァァァァ!
俺のいる木に、雷が直撃した。
体にまるで強い衝撃のような激痛と痺れが走った。
その辺りのことは、あまり覚えていない。
気がつくと、俺はどこか家のような場所にいた。
「あれ?..ここ..どこだ?」
部屋にはいろいろな家具や飾りが置いてあり、そのまま生活できそうだった。
見たことはないはずなのに、どこか見覚えがある。
「あら。やっと気が付いたのね。」
向こうから人間の女性のようなものがやって来た。
しかし、その肌は青く、尻から魚のようなヒレの付いた尻尾のようなものがついており、頭には4本の黒っぽい角がついている。
「あ........あなたは?」
「忘れたの?私よ。あなたの彼女よ。まあ、今はネレイスっていう魔物になっちゃったんだけどね。うふふ。」
そうだ。確かに、肌の色は違っても、顔はあの彼女そのものだった。
「あの時、別のネレイスが私を助ける代わりに、私をネレイスにしたの。私がネレイスになっても、私を愛せる?」
「もちろん!君が例えモンスターになっても、魔王になっても、俺は君を愛せるよ!! 」
俺は、彼女の言葉に、深くうなずいたのであった。
終わり
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